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標準起電力と反応速度
標準起電力が大きければ、反応速度は大きくなりますか? 酸化還元反応において、還元剤だけを変えたとき、還元力の強いものの方が反応は早く進みました。これは、標準起電力が大きいからということで説明がつきますか? ちなみに、標準起電力の値はどちらも正です。
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標準起電力というのはその反応の平衡定数の別表現であることが重要.平衡定数なので,速度の情報は含まれない. もっとも単純な外圏型電子移動反応については,ΔG (これも平衡定数の別表現であることに注意) と速度定数の間の関係が理論的に示されている (Marcus 理論).この場合は,あまり極端に平衡定数が大きくない場合は,平衡定数が大きいほど速度も上がることが示されている.しかし,負方向に十分に大きいΔG,つまり極端に平衡定数のが生成系に偏るような場合には,むしろ速度定数は小さくなっていくことも示されている (異常領域).ただし,これが実験的に確認されることはなかなかなく,通常の実験系ではあまり考えてもしょうがない. 一般の酸化還元反応では外圏型電子移動だけ考えれば済むようなことはむしろ珍しいので,一般化された予想はできないというのが正しいだろう.
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- bellflaw17sai
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反応速度に関係するのは反応中間体までの活性化エネルギーの大きさじゃないですかね 最終的に出すエネルギーが大きくても割と安定で反応の遅い物質とかあるはずです
- nious
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標準起電力 は 標準電位 (E°) の間違いとして回答します。 酸化還元反応の反応速度と 標準電位は殆ど関係がないと思われます。 酸化還元反応は複数の素反応から成り立ちますが、 そのなかで最も遅い素反応が全体の反応速度を決定します。 標準電位の大きさは酸化還元反応の平衡定数には直接関係しますが、 反応速度とは直接関係しません。 つまり反応の進みやすさは分かるが、 速度は分からないということです。 SO₄²⁻ + 4H⁺ + 2e⁻ ⇔ SO₂(g) + 2H₂O :E°=0.158 (V) この酸化還元系に於いて SO₄²⁻ は酸性条件で酸化剤として働き、 SO₂(g) を発生すると予想されます。しかし実際には右向きの反応速度は非常に遅く、実質的に殆ど反応は起こりません。 また強酸性条件での MnO₄⁻ は E°=1.51 (V) と強い酸化剤ですが、一般に反応速度が遅いので 加熱して速度を増加させる場合が多いのです。