「1000年生きて来て」というのは、考え方によります。
大木というのは1000年生えているものでも中心部分はもはや生きているとは言えないからです。木というのは毎年楕円錐状に新しい部分を被せるように成長していきます。中心部分は死んでいき、外部から侵入したカビや細菌などに触れると腐っていきます。大木の根元に大きな洞穴ができているものが結構ありますが、日の当たる部分だけが太くなり、そうでない部分はほとんど大きく成長しないので、人為的に周囲全体に日が当たるようにしたのでなければ偏って太くなります。その結果ほとんど成長していない部分は極めて薄くなり、外部からの刺激などで簡単に穴が開いてしまうのです。
極端なことを言うと、人間だってそうです。生まれて来たときの細胞は代謝によって数年で入れ替わってしまいますから、5歳の子供だって生まれて来たときに体を構成していた細胞は残っていません。言い換えると、体は常に少しずつ作り変えられているのです。成長後はその頻度は遅くなりますが、長い目で見れば入れ替わっていることに変わりはありません。体が固い一部の昆虫は成虫になると代謝による体細胞の入れ替わりがなくなり、その後は体細胞の限界までしか生きられなくなります。ミツバチやアリの女王などはほとんど動くことなく産卵に専念することで体細胞の代謝が一切無い状態になっても何年も生きることができるのです。
お礼
なるほど。そうなんですか。もう、ほとんど死んでたんですね。ありがとうございました。参考になりました。