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ニクロム線を用いる理由
ヒーターにニクロム線が多く用いられていると以前目にしました。それは「電気抵抗が大きいから」という理由ですが、そこで疑問が生じました。 ジュール熱が、 Q=V^2/R に従って発生するのであれば、 コンセントに差し込んで、同じ電圧をかけたとき、 電気抵抗Rが小さい方が大きい熱量を発生することになるので、 「電気抵抗が大きくて、発生する熱量が大きいから」 という理由ではないという結論に至ります。 それでは、何故ニクロム線が用いられるのでしょうか? 他に理由があるのか、私の考えに何かがヌけているのか・・・ご意見よろしくお願いします(><)
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ヒーターにニクロム線が多く用いられているのは「電気抵抗が大きいから」ではないと思われます。 ヒーターの発熱体は、伝導、対流、放射のどれかによって被加熱物を暖めるために、必ずヒーターの方が対象より温度が高くなります。 そのため発熱体は、高温度での安定性が最も重要です。 1.耐熱性が大きく、熔融、軟化、酸化温度が高く、酸化膜が強いこと。 2.耐食性が大きく化学的に安定なこと。 3.適当な抵抗値(必ずしも最大ではない)を持つこと。つまり、抵抗率が比較的に大きく、温度係数が小さいこと。 4.伸展性が大きく加工がしやすく経済性があること。 などによって、ニッケル・クロム系の合金や鉄・クロム計の合金が適します。 最高使用温度950℃から1200℃のものがあります。
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- ikkyu3
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少し追記します。 No.6の回答の1番目の耐熱性が、低温でよい場合、高温にしない加熱対象によっては、銅、鉄、アルミなども使用することがあります。 銅: 水を直接加熱する場合、広く使用されています。ニッケルメッキして使用する場合が多い。 鉄: 銅より低コストで、油を直接加熱する場合腐食性が小さいので、広く使用されています。ニッケルメッキして使用する場合が多い。 アルミ: アルミ製のブロックなどを加熱するとき、カシメて取付け加熱する場合に使用します。 耐熱性が特に高温用を必要とするときは、白金、モリブデン、タングステン、タンタルなどの純金属も使用します。
補足
再度のご回答、ありがとうございます。 実際的なお話、とても興味深いです。 少し身の回りの製品の素材をチェックしてみようかと思います☆
#3,4です 質問者の言葉を借りて説明することに無理があるようですので、何故抵抗率が大きくなければならないのかを具体例を挙げて説明します。 具体的に100Vで使う300Wの電熱器をニクロム線で作る場合と、極端な場合で銅線で作る場合で説明します。ニクロム線の300Wの電熱器は最近あまり見ませんが、製品として今でもあります。 もしこれを同じ長さの銅線で作ったら、抵抗値を同じにしないと300Wになりませんから、ずいぶん細いものになってしまいます。たぶん髪の毛より細くなるでしょう。これを電熱器のようにコイル状にして、100Vにつないだらどうなると思いますか。たぶん短時間で焼け切れてしまうでしょう。 もし鉄とかアルミニウムの場合でも同様に長持ちはしないでしょう。だからヒーターには抵抗率が大きくて、酸化しにくくて、耐熱性もあり、機械的に丈夫で、コストも比較的安いニクロム線で作るのです。
補足
再々度のご回答、ありがとうございます。 No.2と3の言い換えですね。No.3の補足で、自分でも考えてみたのですが、同じ電気抵抗のものを作るには、抵抗率の大きい方が耐久性が高いと。 調べてみたら、カーボン繊維のが多いんですか。熱いですね、ナノテク☆
- denden_kei
- ベストアンサー率23% (542/2278)
ご質問に対しては、hagiwara_mさんの回答が一番当てはまると思います。 ジュール熱の発熱量は、V=I*R (Iは電流です)を用いて、 Q=I^2*R とも表せます。 よって、抵抗線(抵抗R)とそれに(直列に)つながる導線(抵抗r)に発生するジュール熱の比率は、電流Iが同じですのでその抵抗比R/rになります。 実用には、導線が発熱せず、抵抗線が発熱して欲しいので、抵抗線の抵抗Rが導線抵抗rより「大きい」必要があります。 かといって抵抗線が絶縁体だと回路に流れる電流I=V/(R+r)が小さくなりすぎ、実用になりません。
補足
ご回答ありがとうございます。 目的の部分で発熱するかどうか。 私には、どの回答が優先事項かは判断できないのですが やはり重要な要素ということですね。
- shippo
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#2です。補足について・・・。 コスト面ですが、おそらく別の素材を使用してもそれほどまで耐久性が上がるものが同じような価格で作れるとは思いません。 金属の耐熱性を上げればこんどは抵抗値が大きくなりすぎてしまい、発熱量への影響もあるため電圧を上げるなどの方法がないとできないですが、家庭用電源には限界がありますので困難だと思います。また開発費もかかりますので、それ相応のものが開発できないと、コスト的に高くなると思われます。 また、家庭用コンセントの不具合ですが通常見られるコンセント(平行プラグ)は最大電流値が15Aまでですし、大きなものでも20Aまでがほとんどです。 端子の形状を変えて大きいものは他にもありますが、あまり一般家庭で使用していないので、電気製品にそれら大きな電流を使用する機器を製造しても売れないということになります。 では、工場用など業務用では・・・などの疑問もあるかもしれないですが、おそらく上記に書いた「程度の良い材質」でそれに代わるものを開発しても、それほどまでメリットがないからだと思うのですが・・・。
補足
些細なことでしたが、お返事ありがとうございます! どうも無知なもので、15Aというのも知りませんでした(==;) そういうところも考えて、製品は作られているのですねぇ~
- hagiwara_m
- ベストアンサー率44% (58/130)
目的の部分で発熱してくれないと困るという問題も重要ですよ。 電源⇔リード線⇔ヒーター線 の結線を考えて下さい。一定の抵抗値をもつリード線につないだヒーター線の抵抗値を下げていくと、やがてはリード線部分の発熱の方が大きくなって、ヒーター線部分では発熱しなくなってしまいます。(ヒーターの)抵抗が小さいほど発熱量が大きいとは言えないわけです。 適当な抵抗値を適当な線径・長さで実現することが出来て、かつ、融点が高く、また(空気中で使うなら)酸化に強い、、こういう条件がヒーター線に要求されます。
補足
ご回答ありがとうございます。 盲点でした! 高校物理で、導線抵抗は無視してるんで、考えたことなかったです。 確かに、導線が発熱したって意味な過ぎですしねw
#3です > 「耐熱性が同じだとすると~」以下が、いまいちわかりませんでした(TдT) 太い方のニクロム線の温度の方が低い温度になりますね。この同じ電熱線を使って同じ温度になるようにするという事は低い温度の方のニクロム線の電流を増やして、発熱を増やす事が出来るという事です。 「電気抵抗が大きくて、発生する熱量が大きいから」を短くして言い換えると、「抵抗率が大きいので、太くて丈夫に作れるから、発生する熱量を大きく出来るから」と言い換えればよいと思います。
補足
補足していただき、ありがとうございます。 No.3で「同じ電気抵抗で比較~」と仰っていたことが、よくわかりました。太さによって耐久性が上がるというのも理由になりますね。
> ヒーターにニクロム線が多く用いられていると以前目にしました。それは「電気抵抗が大きいから」という理由ですが 電気抵抗が大きいからというのは、抵抗率が大きいからという意味です。 > 同じ電圧をかけたとき、電気抵抗Rが小さい方が大きい熱量を発生することになるので、「電気抵抗が大きくて、発生する熱量が大きいから」という理由ではないという結論に至ります。 確かに同じ電圧なら電気抵抗が小さい方が発生する熱量は大きいです。同じ電気抵抗で比較しないと、物と物との比較になりません。 これを補足して言い換えてみましょう。例としてニクロム線と鉄の場合を考えてみます。「電気抵抗が大きくて、発生する熱量が大きいから」という理由を「同じ電気抵抗の場合、ニクロム線の方が鉄に比べて抵抗率が大きく、長さが同じならば、太さが太くなります。太さの異なる電線に同じ熱が発生すると、太い方のニクロム線の温度の方が低い温度になります。仮に鉄とニクロム線の耐熱性が同じだとします。そうすると、この2種類の電熱線を使って同じ温度になるようにすると、ニクロム線の方の発生する熱量を大きくすることが出来ます。」 と説明する事が出来ます。実際はニクロム線の方が錆びにくく、強度も耐熱性もあるようです。
お礼
補足の「自分で考え~」以下で 「ρが大きいと」 ではなく、 「ρが小さいと」 でした。
補足
ご回答ありがとうございます。 「同じ長さ・抵抗値では、鉄に比べてニクロム線の太さが大きくなる」 というところまでは分ったのですが、 「耐熱性が同じだとすると~」 以下が、いまいちわかりませんでした(TдT) 「ρが大きいほど、Qを得られやすい」 という結論に至るのでしょうか? ここで、少し自分で考えてみたのですが R=ρl/S(ρは抵抗率) で表されますから、 ρが大きいと、同じ熱量を得るのに 「lを大きく(長く)Sを小さく(細く)」 する必要があるので、 強度が必要なんだなぁ( ´△`) これはこれで一つの理由の裏付けになるますよね?
- shippo
- ベストアンサー率38% (1216/3175)
詳しく書くと長くなりすぎるので簡単に・・・。 ジュールの法則は書かれているように Q=V^2/Rですよね。 ただ、ジュールが発見したのはQ=R・I^2という「電流による単位時間あたりの発熱量が、電気抵抗と電流の2乗の積に比例すること」というのがあります。 ここに書いたように電気抵抗に電流を流すと熱が発生するということから、電気抵抗がない(ゼロ)状態ではもちろん熱は発生しません。 しかしながら、少しでも抵抗があればその流れる電流の2乗をかけた値が熱になるのですから、電圧(電流)が変わらずに抵抗が小さくなれば大きな熱が発生するという結論はあっています。 ではなぜ電気抵抗の大きなニクロム線を使用するかというと、#1さんが書かれ耐熱、耐久性の問題もありますし、仮に全体で1オームの線を使用しそこに電流を流そうとすして、家庭用の通常の電源(100V)につなぐと、電流値はI=V/R(オームの法則より)=100/1=100[A]になってしまい、家庭用の電源コンセントなどではほとんど使用できないものになります。 また、先に書いたように耐熱性の問題もあり、このように小さな抵抗値の線などを用いても耐久性のあるものを作るのはコスト面でも困難になります。 そこで、家庭用の電源で使用できるような抵抗値(電流)になり耐久性などが優れ、安価にできるニクロム線を使用しているという実情があるようですよ。
補足
ご回答ありがとうございます! コストを抑えること、かなり重要ですね。 それでは、ニクロム線は、他の金属を使うよりも安上がりなのでしょうか? その理由がまた疑問です(><) >家庭用の電源コンセントなどではほとんど使用できないものになります。 具体的に、どういったことなのでしょうか。 家庭用では、どのような不都合が生じるのでしょう?
http://www.tepco.co.jp/corp-com/elect-dict/file/ni_004-j.html こちらに書いてある通り、 耐熱性があるらしいです ほかにも検索するといろいろ出てきました
お礼
ご回答ありがとうございます! 耐熱性がまずポイントですね。 1000℃近くまで上がると、他の金属ではダメなのでしょう。
補足
ご回答ありがとうございます。 高温度の安定性が重要なのですね。 某企業の説明には、 「抵抗が大きい分発熱量が大きい」 などと書かれていましたが(笑、 こちらで質問して誤謬だと確信でき ホっとしております。