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スピンのオペレータ
私は量子力学を勉強しているものです。 シュレーディンガー方程式において、オペレータの作り方は、運動量を p→-ih∇ と置き換えるだけだと教わりました。 しかし、スピンのオペレータはテンソルで表されていて、上のやり方でオペレータを作ったものとは思えません。スピンのオペレータはどうしてテンソルで表されているのですか?どなたか教えてください。また、これに関する参考文献・URL等ございましたら教えてください。よろしくお願いいたします。
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運動量演算子や角運動量演算子、スピン演算子を理解するキーワードは、運動群や回転群の表現を理解すると言うことです。 運動量演算子p=-ih∇に対して、 U(a)=exp(-iap/h) とおくと、波動関数ψ(r)に対して U(a)ψ(r)=ψ(r-a) となり、pは並進運動の生成子であることが分かります。 軌道角運動量演算子L=r×(-ih∇)に対して、 U(θ)=exp(-iθL/h) とおくと、同様に U(θ)ψ(r)=ψ(r'), r'はrをθだけ回転した位置ベクトル となり、Lは回転の生成子であることが分かります。 つまり、運動量演算子pは並進運動の作る群の表現の生成子、軌道角運動量演算子Lは回転群SO(3)の表現の生成子ということです。スピン角運動量演算子Sは回転群SO(3)の普遍被服群SU(2)のスピノル表現(SO(3)の2価表現とも言います)の生成子で、Lと同じ交換関係を満たします。スピン角運動量は粒子に固有な角運動量を表しており、軌道角運動量とは独立な内部自由度となっており、位置rに依存しない内部空間上の演算子となっています。スピン1/2の粒子の場合は内部空間はC^2でスピン演算子は2×2の行列で表されます。 さらには、Lorentz群やPoincare群の表現を考えるとDirac方程式をはじめとする相対論的な波動方程式の統一的な理解ができます。 参考文献: 「群と物理」(佐藤光著、丸善)がわかりやすいです。
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- KENZOU
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>スピンのオペレータはどうしてテンソルで表されているのですか? テンソルというよりもっと基本的な量であるスピノ-ルというもので表されます。この辺の話は http://hb3.seikyou.ne.jp/home/E-Yama/CoffeeBreak.html の「スピノル族の発見」等をご覧になられてはいかがでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございました。参考にさせていただきます。
お礼
詳しい説明ありがとうございました。スピン演算子が2×2の行列になる理由が分かりました。