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配管用ステンレス鋼管(溶接管)の長手方向溶接方法について
- 配管用ステンレス鋼管(溶接管)の製造法としてJISでは自動アーク溶接が挙がっていますが、溶加材の使用については肉厚や要求される耐食性によって変わる可能性があります。
- 自動アーク溶接を使用する場合と使用しない場合の製品の表示方法については、JIS G3459には規定がないため、効果的な表示方法については明確な指針がありません。
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1) JIS G3459(配管用ステンレス鋼管)というからには、SUS304TP-Aなどのパイプのことですね。この溶接管は溶加材を使用していますよ。量産品で一般市中品ですので、肉厚、要求される耐食性によって、溶加材を使用したり、しなかったりという手間などかけていません。溶加材を使用しているパイプ1種類だけです。 2)JISの製品表示には、使用する場合、しない場合の規定はありません。ですから、表示を見ても分かりません。(大体、溶加材を使用しているのが当然なので、表示も分ける必要がありませんけどね。) 3) ここでご注意ですが、私のトラブルの経験を話します。 ?溶加材はパイプの材質と同材だと考えていたら、これはとんだ間違いでした。 例えば、SUS304TP-Aなら、パイプ側母材はSUS304だから、溶加材もこのSUS304と同じ材料のJISでいうY308の溶接ワイヤーだと思っていると、そうではなくて、低炭素鋼のY308Lの溶加材でした。低炭素系ですから、溶接部の引張り強度は母材よりも落ちます。同じく、SUS316TP-Aなら、Y316Lの溶加材を使っていました。これが問題になるような場所に使用するなら、よく検討してください。 ? なぜ低炭素鋼系を使用しているかというと、低炭素鋼系の方が溶接部の溶融金属の湯流れがいいからだそうです。量産品だから、湯流れがよくないと、生産効率がはかどらないからだと。これが、メーカー側の論理です。 ? 納入されてから溶加材のミルシートを要求しても、たぶんこれだと思いますが、と言って参考用のミルシートが届きますが、溶加材の材料番号は本当にこれか、とはメーカーでさえもよく分からないそうです。というのは、量産品だから、細かな管理などやってられないそうです。ですから、どうしても、ミルシートが欲しければ、購入前に要求しておくこと。 ? この溶加材のミルシートは、JIS規格の適用品とは限らないです。JIS G3459に溶接材料の細かな規定がないのをいいことに、中にはJIS規格ではない、独自のメーカー規格の溶加材のワイヤーを使用しているメーカーもあります。量産品だし、規格にもJIS規格のこの溶接材料を使えという指示がないから、メーカー独自規格の溶接材料が安いからこちらを使うのだそうです。 ? 大手鉄鋼メーカーでは、溶接管は作っていません。仮に、大手鉄鋼メーカーに発注しても、大手はみな系列の溶接管専門のメーカーに生産委託しています。ですから出てくるミルシートは、発注したはずの大手メーカーじゃない名前の溶接管専門のメーカーからのミルシートです。 以上、参考になれば。
お礼
大変分かりやすいご回答ありがとうございます。 溶加材が何かで多少問題となったようですが、もともと溶加材の仕様を調べるきっかけとなったのは何だったのでしょうか。お聞かせいただけるならお願いします。私は、今までに溶加材を気にして購入したことがありませんでした。