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摩耗のメカニズムとは?
- 摩耗のメカニズムとは、シート状の搬送物を搬送する搬送路の側面削れ対策に関する知見を求めています。
- 物体の接触による削れ方は、硬さ以外にも影響を与える要素が存在します。
- 硬さのみでなく、他の要素も物体の削れ方に影響を与えることがあります。
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基本的には「硬さ」と「面圧」の2つの要素が絡んできます。 ただ、この「硬さ」が意外と曲者です。 munitisさんがおっしゃっている「雨で石が削られる」例ですが、これは、水のような形のない液体でも、勢いよくあたると硬い物質と同じような状態になるのです。勢いに水の移動がおっつかないのです。プールに飛び込む際、ヘタにやると腹打ちして痛い目をみるのと同じ話です。 樹脂・ゴムにも同じ性質があり、「粘弾性」と呼ばれてます。ゴムをゆっくり押し付ければ変形するのですが、勢いよく押し付けるとゴムの変形が間に合わないため通常に比べはるかに高い硬度を示します。 さて、搬送路の方ですが、搬送路にワークがカツカツあたっているようなことはないでしょうか?もしくは、搬送面の状態は滑らかでしょうか?(ピカピカでしょうか?)もう一つ疑えば、母材に焼き入れは入っているのでしょうか? と申しますのは、いったん表面が荒れると磨耗が加速して進むはずだからです。硬質クロム面もたかだか数十μmの厚みですから、その層が削れてしまうか、ヘコミ・衝撃で剥離してしまったら、あとはさしたる抵抗も示さずに削れていく一方だからです。 さらに、凸凹ができてしまったら、その出っ張りの面圧が高くなってしまうので、そこから硬質クロムがはげていくこともあります。 僕の精一杯の知識ですが、参考になれば幸いです。
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磨耗の多少は関係する物体の硬さや速度、質量等の物理的、化学的な条件下で異なるものと思います。 例えば、鉄鋼類を切削するとき、素材が加工されると同時にバイトも磨耗します。加工スピードや切り込み量によって切削時の温度や圧力によってバイト磨耗の形態が変化します。低速加工では少ない磨耗のものが高速切削では刃先のチッピングや凝着磨耗が起こります。Niの多い被加工材では低速加工でも凝着磨耗が起こります。ダイヤモンドバイトは鉄鋼類の切削には不向きです。それはバイトのCがFeと反応し刃先を磨耗させてしまいます。同様なことで超硬合金は銅との接触で磨耗します。 そこで、今回の磨耗の原因として、少し見方を変え?母材がアルミ合金のため相手との衝突による塑性変形で表層部の形状が変形しそのため抵抗が増え磨耗した。?表面処理の粗さが粗いため相手との接触で脱落し、母材まで磨耗した?表面処理層がシート材の一部と密着し、その物とシート材が融着し母材ごと剥離し磨耗した?シート状の素材とアルミ合金、硬質アルマイトとの親和性が強く化学的な磨耗を起こした???の原因が複合した等が考えられませんか もう既にセラミックをお考えのようですが、形状の自由度、材料調達、使いやすさ、メンテナンスのし易さを考えると超硬合金も候補の一つに考えてもよいのではと思いますが。
お礼
様々な御指摘ありがとうございます。 ?が支配的な要因ではないか?と疑っていましたが,?のシート素材と硬質アルマイトの親和性などこれまで考えていなかった要因もあるかもしれませんね。 文献などを調べて摩耗のメカニズムは相当に複雑で,かつ理論的なメカニズムは完全には解明されていないような状態であることを知りました。 そんな中,切削工具を見ると感動しますね。複雑なメカニズムを経験でもって理解し,削れをコントロールしているように見えます。 超硬合金も調査/検討してみます。大変参考になりました。
質問が面白いと、人が集まりますね。 ところで、摩擦係数を小さくするという観点があります。そのなかでチッカ処理は有力候補です。 チッカにより摩擦係数が減少するそうです。
お礼
ありがとうございます。 大勢の方に回答/アドバイス頂いて感激しております。 設計者であるため,トライボ関連の知識を学んだり,硬さや摩擦係数などどうやって測定するのか分からなかったり苦労しますが,がんばります。 窒化に関しても調べてみます。
すいません、#4訂正です。 「硬質」だけで反応して、てっきり「硬質クロム」だと思ってしまいました。 摺動部はあまりアルミ+硬質アルマイトで構成しないので、理由を教えていただけたら、と思います。 この場合、TANU007のおっしゃることの類似例で、搬送路の磨耗粉で余計に削れてしまうのでは? アルマイトですと、表面がザラザラですので、微視的な突起が磨耗粉として発生しやすいと思います。 M23M26さんが挙げられた窒化処理は表面のすべりがいいので、適していると思います。 もしくは、焼入れ+硬質クロムか。 あとは削れる部品は消耗品ですので、その消耗する部分をいかに小さく、交換しやすくするかだと思います。 いい業者さんを知らないので、発想が鉄系にいってしまうのですが、価格と面粗度がいいならセラミックが理想でしょう。
お礼
ありがとうございます。 他の部品(シートの非接触検出器や開閉機構など)を固定するなど「シートをガイドする」以外の機能を持たせているために複雑な形状でして,製造は成形品であることが求められます。 軽くて安いということでアルミダイキャストを採用しているようです。 御指摘頂きました窒化は候補に挙がっており,硬質クロムは昨今の輸出規制対象なので採用できないのです (x_x)
おそらく側面にシートがある程度衝突をしながら 搬送されているでしょうから 部材がアルミである事がネックでしょう。 部材を鉄系にして窒化処理などが良いと思います。 具体的にはカナック処理、エジソンハードなど 多分この程度で解決するはずです。
お礼
ありがとうございます。 カナック処理は聞いたことはあるものの内容を知らないので調べてみます。 エジソンハードは初耳ですので自分で調べた後,分からなければ再度質問投稿させて頂きます。
セラミックなら現状よりは良くなるかと思いますが、シートの材質、大きさ、搬送スピードなど不明ですので判断はできかねます。 搬送路の側面とシートの間に余裕があれば、 置きゴマを適当な間隔で取り付けてみるというのは如何でしょう。 置きゴマ自体は削れても取替えが利くようにして、立方体の辺を面取りしたようなもので。 材料自体は削れてしまうことを念頭に置けば安いものでいいでしょう。 結局削れてしまうのですが、搬送路の側面全部を交換するよりはコスト的に抑えられるのではないか、と思うのですが。
お礼
ありがとうございます。 御指摘のようにチップ形状のセラミックを配置する方向で検討しているのですが,「削れる」「摩耗」のメカニズムがすっきりとしないため質問させて頂いた次第です。
一般的に表面硬度の異なる材料同士であれば、柔らかい方が形状します。 ただ、形状として、小さな凸部や薄物など断面積の小さな部位がある場合は、 表面硬度が硬いほうが負ける場合があります。 また表面硬度の圧倒的な差がない場合で、硬いほうの同じ部位に繰り返し柔らかいものがあたる場合も硬い方に凹みがでることもあるでしょう。 雨で石が穿たれるのは、長く繰り返しているうちに元々細かい砂の集積体である石の接着部を徐々に侵しているからでしょう。 ご質問の削れて困っているというのは、シートですか、搬送路の側面ですか? シートおよび搬送路側面の材料、形状を明示してもらえば、より具体的なアドバイスもできると思いますが。
補足
ありがとうございます。 シートは厚み0.10.2mm/長方形(といってもアスペクト比1:30)で,隙間1mmの中を長手方向に搬送していますが,搬送路の側面が削れています。今は硬質アルマイトです。 耐久で削れて搬送抵抗が大きくなることは分かっているのですが,何万枚搬送するとどのくらい削れるのか/どのくらい抵抗が上がるか=耐久性OKかの見通しが立たず困っている次第です。硬質アルマイトがダメなら,より硬いセラミック(AL2O3)にした場合でもダメか?が判断できませんで… まぁ最終的には実際にシートを通してテストするしかないと思っていますが,耐久性に目処を付ける良い知恵があればよいのですが。
一例ですが 磨耗に関しては しばしば、硬いものの方が はやく削れることがあります。 それはやわらかい方に スケールやキリコ等の高硬度のチップが食い込み あたかも紙やすりのように 相手材を削っていく現象です。 小生は、製鉄機械の設計で ひどい目にあいました。 接触する部材の削れくずのみならず、 雰囲気中から飛来するスケールが悪さをしていたようです。
お礼
ありがとうございます。
お礼
ありがとうございます。 「粘弾性」のお話は知らなかったので参考になりました。固体同士の場合と固体-液体の場合を分けて考える必要がありますね。 母材はアルミダイキャスト材なので焼きは入っていません。表面の硬質アルマイトもバフ仕上げをしていますが,何せ側面なのでどこまで滑らかになっているか調べたことがないですね。 大変参考になりました。