エアコンの件で質問された方ですね。実験としては面白いのですが、エアコンの件でもお答えしたように、トライアックのように通電時間で電力を制御する方式では誘導モーターの回転数の出力をコントロールすることはできません。異音の発生の原因はコイルの電流が断続されるため、モーターのトルク変動が大きくなり、それによって振動が発生しているからです。従ってZNRなどでは改善しませんし、基本的に誘導モーターをそのような方法で制御する方法自体が誤りですので、根本的な対処方法はありません。確かにトライアックを使った調光器でも、ある程度モーターの回転は変わりますが、これは消費電力に見合った分の回転制御にはなっている訳ではなく、通電時間が短いため短時間に加速・減速を繰り返しているため(先に述べて振動の原因と同じ)に起こる現象で、モーターにとっては非常に大きな負担になります。誘導モーターは周波数で決まる回転数よりも回転数が低い状態で運転されると、コイルに流れる電流が設計値上回ってしまい、焼損につながる可能性があります。モーターが起動してから定格回転数になるまでの間は、定格電流よりも大きな電流が流れるのです。トライアックを用いた調光器等で制御すると言うことは電源周波数に同期した回数だけ起動停止を繰り返しているのと同じことになってしまうので、モーターにとっては非常に大きな負担となりますし、通電時間を50%にしても消費電力は殆ど下がらない状態になっているものと考えられます。従って実験としては面白いのですが、そのままで実用になると言うものではありません。
ご使用になっている調光器で制御できるモーターはユニバーサルモーターのような整流子電動機に限られると考えてください。家電品で言えば掃除機やミキサーなどです。
誘導モーターの回転制御にはインバーターを用いて行うのが一般的ですが、換気扇のようなコンデンサー起動型のモーターはこの方式の制御にも向きません。換気扇と似たものでも扇風機などは回転数の切り替えができますが、これはあらかじめモーターのほうに複数のコイルが巻いてあり、コイル自体を切り替えて行っています。
ちなみ調光器ですが、その方式のものでは普通の蛍光灯器具の調光もできませんので注意してください。この種の調光器は白熱電球やヒーター等の制御には有効ですが、他の目的に転用するには、使用する機器の原理を十分理解した上でなければ破損の原因になります。
お礼
二度にわたっての回答ありがとうございます。 たいへんに参考になりました。