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春から理学部物理学科に入学するのですが、大学一年時

春から理学部物理学科に入学するのですが、大学一年時の物理や数学の微積分学は高校物理や高校数学3の微積分学と似たような内容なのでしょうか?それとも全く違うものなのでしょうか?

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回答No.3

物理学科の大学一年時の物理、及び数学はたいていの大学で基礎科目として講義名がそのまま「物理I」とか「数学II」という風に扱われます。もちろんそのほかの専門科目はより具体的な名称だと思います。 高校では力学、波動、電磁気学などの分類で学習したと思います。 大学の物理学科では、高校では詳らかに取り上げなかった「量子」、ミクロの世界を重要なテーマとして学習することになります。 それゆえ、ミクロな世界を扱う「量子力学」と対比して、マクロな視点で扱う力学(高校で学んだ力学)を「古典力学」と呼んだりすることがあります。 高校では微積分を用いて物理の問題を扱うことは少なかったと思います。しかし大学では微分方程式を微積分を用いて解くことが中心になります。そのための土台となる微積分を大学一年時に学ぶわけですが、基本的には高校の数学の授業で習った微積分の延長線上です。具体的に言うならば高校では習わない三角関数の逆関数である「アークサイン、アークコサイン、アークタンジェント」の微積分を学んだりします。 三角関数の微積分を高校で学習したと思いますが、大学でも多用しますので、しっかりと復習しましょう。(高校レベルの微積分で躓く大学生が少なくない) さらに大学で新たに登場するのは「偏微分」という微分です。これはある特定の変数以外を定数とみなして微分する、というように、高校で学習した微分(=全微分)とは異なる微分になります。大学一年時では実際に関数を偏微分してみたり、偏微分の性質について講義を受けると思います。 あと重要なのは、座標変換と微積分の関係です。直交座標xyzから球面座標r,θ,φに座標を変換することが物理学ではよくあります。その際にヤコビアンという偏微分で表される量を用います。それにより座標変換における積分の変換ができて、xyzの積分からr,θ,φの積分に変換できます。(その時に三角関数が頻出するので、高校レベルの微積分をしっかりとマスターしておくとスムーズです) さらに大学で新しく登場するのは、ベクトルの微積分です。高校ではベクトルの基本的な性質(内積など)を学習し、幾何学的に問題を解くことに利用したと思いますが、より解析的な視点からベクトルを積分したり微分したりします。実は高校で学んだ「仕事」などの物理量は、より本質的にはベクトルの積分で定義されます。(高校では距離×力) 力がそもそもベクトルであることを考えれば理解はそう難しくはないと思います。それが新たに学ぶある曲線に沿った積分=「線積分」です。高校で学んだ積分は微小幅に分割して足し合わせていく、などという風に積分の計算結果を面積としてとらえた積分(区分求積法など)とは異なるので注意です。 あとはより数学的に、たとえば上界とか一般ライプニッツ則とか、そういう概念を学んだりもします。 さらに進むと「グラディエント、ダイバージェンス、ローテーション」などの物理で使う偏微分や、ストークスの定理、ガウスの発散定理、などの積分に関する定理も勉強するかと思います。 これらの前提を学習すると、電磁気学におけるマクスウェル方程式などを理解することができるようになると思います。逆に言えば電磁気学を本質的に学ぶ上でもこれらの微積分が必要となるので、電磁気学を学ぶ前に一通り学習する必要があるということですね。 さらに進むと、複素数を利用した積分である「複素積分」を学習します(講義名は「複素解析」など)。実数における積分では、積分した値が面積に対応していたと思いますが、複素積分では積分した値が面積に対応しない、などの差異があります。コーシーリーマンの方程式や正則などの概念を中心に扱うと思いますが、物理学における複素積分の主な利用は実数における積分では求めにくい積分の値などを求める際に利用したりします。 また積分がxyだけでなく、さらに多数の変数の積分である多重積分(三重積分など)も学習します。 あと高校では登場しないのが広義積分という積分で、マイナス無限からプラス無限まで積分などという高校で習う微積分では見たことがない積分も登場したりしますので動揺しないようにしましょう。 あと偏微分を学習したことで、「偏微分方程式」を解くことも(一年時ではないと思いますが)学習します。高校で「波動」を学習したと思いますが、方程式を解くというよりは定性的に学んだと思います。大学ではニュートンの運動方程式から出発して、「波動方程式」を導き、それを解くことを考えたりします。その際にフーリエ級数展開を学習したり、ラプラス変換を学んだりします。 大学一年時というと、典型的な微分方程式の解き方を学習します。(クレローの微分方程式など) 理学部物理学科だから、というよりは、理学系や工学系の学生ならば大抵の人が学習する内容です。線形の同次常微分方程式を変数分離法を用いて一般解を求めることはおそらく高校数学の最後の方でやったのではないでしょうか。また定数変化法という解き方や、それに伴うロンスキー行列なども勉強したり。理系の大学一年時ならば多くの場合二階非同次常微分方程式が一応のゴールで、さらに応用を学ぶ際は別の講義で、オイラーの微分方程式とかシュトゥルム=リウビル型の微分方程式などを勉強したりもします。まあ学部や学科によるのですが。 物理学の基礎方程式であるニュートンの運動方程式が微分方程式である以上、それを解く上で微積分を使うことは避けられません。高校で学ぶ物理学では等加速度直線運動の公式とか、ただ公式に当てはめて考えて放物運動などを解いたと思いますが、大学では公式ではなく基礎方程式から出発して問題を捉えることが本質的な理解に重要です。とはいえすべての微分方程式を解析的に解くことは難しくて、一般解が求まる方が少ないので結局は数値計算を利用して解くということになり、コンピュータを用いて行う積分を数値積分といいます。ニュートンコーツの公式などいろいろな方法があったりします。 流体の運動を記述するナビエ・ストークス方程式は二階非線形偏微分方程式ですが、解析的な解すら明らかになっていないので、ミレニアム懸賞問題のひとつになるくらい数学的に難しいようです。大学では数値積分というのも場合によっては活用しなければならないこと、うまく解ける場合ばかりではないことも気をつける必要があります。 高校で習う置換積分などは、ミクロの世界を記述するシュレーディンガー方程式をちょっといじったりする際に活用できたりもするので、大学の微積分と高校の微積分で特段区切るよりは、必要に応じて柔軟に概念を適応していけたらいいんじゃないでしょうか。 ちなみに高校で学んだ積分は、厳密に言えばリーマン積分と言います。微分積分学はニュートンやライプニッツらが確立した当時から現在に至るまで様々な数学者によって応用や発展がなされており、非常に多岐にわたって活用されています。大学で学習するルベーグ積分は測度論の講義で習うかと思いますが、高校で学ぶ微積分より抽象的な数学の概念が用いられており、物理学科の学生にはちょっと重い数学かなぁと感じます。でも根気よく学習していけばとても重要なことを言っているとわかりますし、有用性にもきっと気づけます。 高校とは質の違う微積分になるのはルベーグ積分からで、それは大学一年時には多分やらないので大丈夫です。

回答No.2

私、理学部化学科の出身ですが、数学に関しては、大学も高校もたいした違いはありません。ゆとり教育と言われていた時代は、高校で本来学んでいたものが大幅にカットされていましたが、いまの課程は戦後最も範囲の広い数学で、歴代の高校数学の中でも大きな分野では行列が無いだけで、一通り学ぶ形になっています。 大学数学の出だしは、高校の学び直しになるので、きっちりやってきた人にとっては、たいくつじゃないかと。 数学って、高校では主要教科で、物理がサブ教科の中のひとつの科目にすぎませんでした。大学では、数学が、理学のなかのひとつの科目に過ぎません。物理が高校で教科だった数学と肩を並べるんですね。 心配するのなら、物理の方です。 化学科の私から見たら、哲学の世界です。高校の時は得意だったんですけどね、大学では現代物理学なんか私にとっては異次元の学問です。

  • hue2011
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回答No.1

物理学科出身ですけど高校と同じような名前で数学IVだとかそういうものはありませんよ。 線形代数、だとかブール代数、みたいな名前で教わることになります。 微積分はなんといったか忘れましたが次元が増えて偏微分方程式のようなものになります。 そして、ばりばりに数式と格闘はしますけど、演算子法という世界が出現し、分数の通分役分のようなことをし、全然計算なんかしていないのに、面倒な計算をしないで答えが出てくるというような世界が紹介されます。 教養の物理は、多少高校の物理の延長のようなところはありますが、それは力学や電磁気学に分かれているからそう見えるのです。 電磁気学はマクスウェルの方程式で考える方向に行きます。 極大、極小の視点がでてきて、量子物理学というものに導入されます。 それと、数学と物理学が結合していく方向に統計物理学というものがあります。 単なる確率計算かと思っていると熱の話になり、エネルギーを保ったまま観察していると乱雑度がどんどん増大していくというエントロピー理論が教えられます。 まあお楽しみです。高校のものとは全く違うというほうが正しいでしょう。