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還元型TCAサイクルについて
還元型TCAサイクルについて調べている大学生です。そこで皆様にお願いがあります。 1)還元型TCAサイクルについて簡単に教えてください。 2)還元型TCAサイクルに必要な酵素を教えてください。 よろしくお願いいたします。
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あんまり簡単にすると微妙なのである程度しっかり書きます。 1)2) 還元的カルボン酸回路,逆転クレブス回路とも呼ばれる炭素同化回路のことです。 Evansら[1]により緑色硫黄細菌Chlorobium limicolaにおいて光合成CO2同化系として存在が提唱され,その後一部の紅色細菌,好熱性水素細菌Hydrogenobacter,嫌気性古細菌Thermoprotenusなどでも存在が報告されています。その起源は還元的ペントースリン酸回路より古いと考えられており、解糖系の一部とTCA回路を組み合わせたような回路で、還元型フェレドキシンを用いる『ピルビン酸シンターゼ』によりTCA回路に向かう反応とは逆にアセチルCoAからのピルビン酸合成を行います。緑色硫黄細菌では『PEPカルボキシラーゼ』によりホスホエノールピルビン酸(PEP)にCO2を固定しオキサロ酢酸を生成する経路が働いています。緑色硫黄細菌ではピルビン酸からホスホエノールピルビン酸への転換を『ピルビン酸・リン酸ジキナーゼ』が触媒しますが、これはやや例外的であると言えます。オキサロ酢酸以降はTCA回路の逆転によってスクシニルCoAを生じ、 TCA回路では非可逆的な反応であるスクシニルCoAから2-オキソグルタル酸(α-ケトグルタル酸)の合成を還元剤として還元型フェレドキシンを用いる『2-オキソグルタル酸シンターゼ』により行う点はほとんどの還元型TCAcで共通しています。クエン酸の開裂には『ATP依存型クエン酸リアーゼ』を用いてオキサロ酢酸およびアセチルCoAを生成します。 [1]A new ferredoxin-dependent carbon reduction cycle in a photosynthetic bacterium.Evans MC, Buchanan BB, Arnon DI.Proc Natl Acad Sci U S A. 1966 Apr;55(4):928-34.
お礼
とても詳しくご説明いただきありがとうございます。 自分で調べてもよく分からなかったので、大変助かりました。