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芥川龍之介の夢の質問ですが
「――わたしは巻煙草をふかしながら、わたしの生活にはわたし自身の少しも知らない時間のあることを考えない訣(わけ)には行かなかった。」 これはどういう意味でしょうか。私の生活には私が知らない時間があるという意味でしょうか。 どうぞ教えてください。
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その一文が書かれている所の少し前の所に、主人公の「わたし」が子供の頃の出来事を思い出している場面があります。 その場面では、「わたし」の父母が住んでいた田舎の家の縁先で線香花火に火を点けていたつもりになっていた時に、誰かに「おい、しっかりしろ」と揺り起こされて気付いたところ、そこは自分の家の縁先などではなく、家の裏にあった葱畑の前で、火を点けようとしていたのも線香花火ではなく葱だった、という事が書かれています。 つまり上記の場面では、主人公である「わたし」はおそらく夢遊病か何かで、子供の頃、眠っている間に夢に見ている通りに行動して、線香花火に火を点けているつもりで、葱に火を点けていたという事が語られている訳です。 主人公である「わたし」には、眠っている間に夢の中の通りに行動してしまうという夢遊病の気があるという事は、眠っている間に他にも動き回って何かをしている恐れ(悪い可能性)がある訳です。 そしてもし「わたし」が例え眠ったままであっても、動き回って何かをしていたのであれば、それは「わたし」(の肉体)がした行いである以上、それは紛れも無く >わたしの生活 の一部という事になりますが、「わたし」は夢の中での出来事を見ているだけで、現実で起きた事を認識している訳ではないため、「眠っている間に現実で起きた事」は主人公である「わたし」にとっては >わたし自身の少しも知らない時間 の間に起きた出来事という事になります。 そして、その子供の頃の出来事の回想シーンよりも前の所では、主人公である「わたし」がモデルとして雇っていた女性を絞め殺すという夢を見た事が語られています。 その事は夢であると「わたし」もはっきりと自覚してはいるのですが、前述した通り、主人公である「わたし」には、眠っている間に夢の中の通りに行動してしまっている恐れがあるため、もしかすると知らない内に眠ったまま誰かを絞め殺していたという恐れがある訳です。 もしそんな事をしでかしてしまっていたのなら大変な事ですから、主人公である「わたし」はその事について >考えない訣には行かなかった のです。 【参考URL】 青空文庫 > 作家別: あ行 > 14.芥川 竜之介 > 351.夢 > いますぐXHTML版で読む http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/186_15257.html
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- transformbeauty
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恐らくそういう意味合いを回りくどく例えているのかと思います。 少し違うかもしれませんが、ジョハリの窓という心理学があり、そこに通じている気もします。あくまでも私の推測なので悪しからず。 一日の8割は無意識で生きている。という学説もあるので、自分で把握できていない時間を模索する中でも時間は経過するという数理的哲学もうかがえますね。 ご興味があればこちらも一読ください。 ジョハリの窓 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%81%AE%E7%AA%93
お礼
拝見いたします。どうもありがとうございます。
お礼
詳しく説明してくださって、本当に助かりました。 心から感謝申し上げます。どうもありがとうございます。