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デカルトのお勧め本
デカルトが分かる本を読みたいのですが、一番お勧めの本は、どれになりますでしょうか。 ご教示をお願い致します。
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- koosaka
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デカルトは私は哲学者というより、数学者・自然学者だと思っている。 17世紀の「科学革命」の最大の立役者が、デカルト。慣性の法則を発見したのがデカルト、そして彼は解析幾何学の創始者。 白水社から、デカルト著作集全4巻が出ている。 まず、それを読むこと。 特に、第2巻の「省察」の後に付け加えられた「反論と答弁」がすばらしい。 ものすごく分厚いけど、当代の神学者・哲学者との論争。中にはホッブスがいる。 興味津々。 だから絶対、それを読むこと。 スピノザの「エチカ」と同じようなことをデカルトも考えていたのがよくわかる。 よく、デカルトの「われ思う、ゆえにわれあり」を私が思うのだから、私は存在する、思うことは疑えない、だから私が存在するのも疑えない、確実である、と言ったと理解する人がいるが、それは間違い。 私が思うことは確実だけど、私が存在することは不確実、もしかしたら、私なんて存在しないかもしれない。だからこそ、デカルトは「省察」の第3と第5で神の存在証明をして、その神に私の存在を証明してもらおうとしたのだ。 逆に言うと神が存在しないと、私は存在しないかもしれないことになる。 それとデカルトの「コギト」は非人格的なものだから、「私」とか「自我」とは違う。 「コギト」というのはデカルトが数学者だと言ったが、数学でいう特異点のようなもの、そこから世界が開かれてくる視点。 その「コギト」をせっかく、デカルトは発見しておきながら、それを「コギタンス・思うもの」と同一視して、のちにそれを私とか自我と考え、自我の形而上学を作ることとなった。 デカルトは「コギト」を隠蔽してしまったのだ。 それとデカルトは心を実体、身体を実体と言って、心身二元論を唱えたが、のちにカントによって、その「純粋理性批判」の弁証論の「実体論的誤謬推理の批判」で、心が実体ではないことが批判されて、葬られた。だから、心身二元論など成り立たないのです。 解説書としては自然学者としてのデカルトなら、小林道夫「デカルトの自然学」(岩波書店)が自然学者としてのデカルトを教えてくれる。 あと、近藤洋逸の「デカルトの自然像」(岩波書店)も同じ。 一般的な意味の哲学者としてのデカルトだったら、伊藤勝彦「デカルトの人間像」(勁草書房)と田中仁彦「デカルトの旅・デカルトの夢」(岩波書店) 新書だったら、小林道夫「デカルト入門」(ちくま新書)と野田又夫「デカルト」(岩波新書) それと、野田又夫著作集第1巻、デカルト研究がいい。
- hikaricom
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このあたりの本でざっと勉強されてみては如何でしょうか? 史上最強の哲学入門 (SUN MAGAZINE MOOK) https://www.amazon.co.jp/dp/4896447328/ref=cm_sw_r_awd_rKywwbPTBGHSP https://www.amazon.co.jp/dp/4896447328/ref=cm_sw_r_awd_rKywwbPTBGHSP 哲学を学ぶ際、その思想を提唱した哲学者の置かれた時代背景を理解して学ばれると理解の助けになりますよ。思想は常にその時代に生きる人々が直面する矛盾を乗り越える必要から生み出されるものですから。
お礼
ご回答有難うございました! なるほど、分かりました。 参考にさせて頂きます。
お礼
こちらにも丁寧にご回答下さり、有難うございました! やはり、全集を読むのが良いのですね。 解説書のご紹介も有難うございます。 参考にさせて頂きます。 今後共、宜しくお願いします。