腹が減りやすい食材を「腹持ちの悪い食材」といいますね。
腹が減りやすいということは、空腹信号が出やすい食材ということです。
空腹信号が出るのは、体内のエネルギーレベルが急激に降下したり、所定値以下に下がったと食欲中枢が感じたときです。
食欲中枢が体内のエネルギーレベルを計る指標の一つに血糖値があります。
血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度です。グルコースは体中の細胞で代謝されてエネルギーになります。
しかし同時にブドウ糖は血管のタンパク質と結合して血管を変性させてしまう毒物でもあります(糖毒性)。
なので血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が高すぎると、これを下げるようにインスリンというホルモンが分泌されるようになっています。
血糖値は常にコントロールする必要があるので、インスリンも常に少しずつ分泌されています。これを基礎分泌といいます。
食事で糖質がたくさん含まれている食材を食べると、グルコースが小腸から大量に取り込まれて血糖値が急激に上昇します。
そうすると血糖値を一定にするホルモン、インスリンも大量に分泌されます。これをインスリンの追加分泌といいます。
その結果、今度は血糖値が急激に下がります。このときに空腹信号が出てお腹が減ったと感じるのです。
つまり基本的には糖質をたくさん摂取すると食後血糖値が乱高下してお腹が減りやすいということです。
タンパク質や脂質をたくさん含み糖質をあまり含まない食材の場合は、食後血糖値が乱高下することがなく安定しているため、お腹がすきづらいです。
糖質の摂取を減らしてタンパク質や脂質をたっぷり摂る食事法によるダイエットは糖質制限ダイエットとして知られています。
糖質をたくさん含む食材を食べる場合でも、先に野菜などを通じて食物繊維をたっぷり摂取しておくと、小腸で食物繊維が邪魔することで糖質の吸収がゆるやかになりますからら、インスリンの分泌のされかたが緩やかになり、お腹がすきにくくなります。これは食べる順ダイエットと呼ばれています。
また糖質をたくさん含む食材の間でも消化吸収のスピードが異なっており、血糖値が上がる速度をグリセミックインデックス(GI)という数値で表したりします。
GI値が低い食材はGI値が高い食材に比べて血糖値の上がるスピードが遅くなりますから、インスリンの分泌が緩やかになって、お腹がすきにくくなります。低GI食品を中心に食べるダイエット法を低GIダイエットといいます。
ダイエットでは食欲を上手にコントロールすることが重要ですから、お腹がすきにくくなる食べ方(糖質制限、食べる順、低GI)はダイエットで有利になるということです。
お礼
ありがとうございました。