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経営コンサルタントに聞く:戦略的要素が勝つ要因の8割?
- ビジネスやスポーツにおいて、戦略的な要素が勝つ要因の8割を占めるという考えがあります。スキルや戦術は重要ですが、勝つ流れに乗るための戦略のほうがより大きな影響力を持つと言えるでしょう。
- 例えば、ラグビーの場合、強豪国が地の利を活かして優位に立つことがあります。また、ビジネスの例として、新幹線ガールの事例が挙げられます。グリーン車を狙うという戦略が成功し、彼女は成功を収めました。
- 経営コンサルタントの方々は、戦略の重要性をどのように考えているのでしょうか?戦略的な要素に注力することで、ビジネスやスポーツでの勝利に繋がる可能性があると言えるでしょう。
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物事を戦略と実務だけにして考えるとそういう乱暴な話になります。 そのあたりの本を一冊もお読みになったことはないのでしょうか。 この辺の用語は戦争用語ですから、その地平線でまずお話をしておきます。 戦略と戦術というものがあります。 ちなみに、作戦というのは戦略ではなく戦術のほうに属します。 天下をとる、というのを戦略に考えないで、話をしてみます。 柴田が前に居る、滝川が右に居る、滝川を放置すると囲まれて不利だ。 だったら、柴田にも滝川にも応対する軍隊を対峙させる必要があるだろう。 これが戦略です。 双方とも戦いたいと思うならそれしかない。 実際には兵力が足りない。どうするか。 滝川に向かってにらみ合いをしている軍隊を、旗はそのまま立てておき、ひきもどさせ、柴田へ全軍の力を注ぐようにする。 そうすれば柴田は破れる。 柴田を破ったあとで柴田が倒れたという情報を滝川に流して滝川に向かえば、戦ってくる意志は失せているだろう。 これが戦術です。 戦略だけでものごとを言っていたら、羽柴は双方の軍隊から攻められて全滅するのです。 ビジネスの場合はもうすこし考え方はシステマチックになります。 ここからはたとえ話ですから、特定のメーカーのことだとか思わないようにしてください。念のため。 たとえば立体テレビはまだ存在していないが、原理的には実現可能であるという研究が発表されている、とします。 そのとき、立体テレビのメーカーの王者になりたいと思うとします。 ボーナスをもらったら立体テレビを買おうね、と家族で言い合うような商品にして、だれもがうらやむものにしたい。 予約が引きも切らず、店に置いたらすぐに欠品するような人気のものでありたい。 ここまでは「夢」です。戦略ではありません。 それを実現するために何が必要か。 研究者に資金を提供援し、実現にむけた支援をしなければそもそも商品として実現しません。実験開発です。 家庭においておかしくない形態、サイズ、重さであるべきでしょう。商品計画です。 どうしたら売れるか、販売にどのような障害がありうるか調べる必要があるでしょう。マーケティングです。 権利を確保すべきでしょう。明快に方法が書類化できれば、特許申請などを行い、勝手に使われない技術にすべきでしょう。 売れるほどサポートが増大しますので、それをうまく回すために技術者育成などに資金を使う必要があるでしょう。 異常な魔術ではないので、わかりやすい本をライターに書いてもらい普及支援をしなければいけないでしょう。 こういう考え方は、具体的に何をどうするという作業内容が一切含まれていません。 これが戦略です。 もちろん、実際にやろうとしたら不可能なのであればそんな戦略はあり得ませんから、十分に議論しなければいけません。 そうすると、ひとつの方角が見えてきます。 そこから、企画が生まれます。どういうものを作っていこうという具体的な計画になってきます。 これを議論する工程が、「要件定義」ということになります 粒度がはっきりします。たとえば機械開発にかかりあうことをする舞台は営業的なことを心配する必要がない、という区分けができてくるのです。 開発と営業なんていうから、当たりまえだろうと思われるかもしれませんが、特許の取得に関していえば、どこと関連があるのかないのかなんてすぐには言えないものです。そこを洗うんです。 数えられるような単位の行動がみえてきて粒度がはっきりしたら、それをする部隊というものが想像できるようになります。 どういうものがそのチームを構成しなければいけないかがわかるということです。 電子回路の設計に詳しくて工学博士とか工学修士の学位を持っているものが欲しい、なんていう部署がでてきます。 当然これは特許作業をするメンバーではありえません。 だけど、特許のほうの部隊にもひとりは工学に詳しいものがいたほうがいいかもしれません。この辺がこの時点の勘所なんです。 軍隊でいえば、中隊レベルの人材配備という作業になります。 当然ここで、その中隊がやるべきタスクがだんだん具体的になってきます。 ここから、戦術の世界になってきます。 各人が何をするかというものが見えてくるわけです。 ここから、もうすこし別の座標でものを考える必要ができてきます。 各部隊がそれぞれ全力で何かをしたら、全体としていい仕事になるのか。 なるわけありません。勝手に動いてるだけだからです。 仕事には、タイミングというものがあります。 たとえばハードウェアを開発するのと、それに載せるソフトウェアを開発することは同時に平行にやったってかまいません。 でも、ソフトウェアの動作試験をしたいなら、ハードウェアが存在しなければ意味がありません。 当然、何月何日をハード1号機の完了、というマイルストーンを設定し、そこでテスト開始というスケジュールを有効にしなければならないのです。 その実働テスト開始の前にはソフトウェア開発も終了している必要があります。 つまり、ハード・ソフト双方が完了したという条件がないと、実働テスト開始はできません。 こういうものをクリティカルパス分析といい、プロジェクトスケジュールの核心にあるやりかたです。 これはなにか。 マネジメントなんです。 戦略か戦術かというと戦術のほうに近いけど、司令とか参謀という仕事です。 当然進捗を分析し、間違った方向に言っていたら指示を出し戻したりやり直したりさせるのです。 仕事が失敗するのは、ほとんどこのマネジメントの失策が原因です。 引かなければならないときに居座って小隊が全滅したなんていうのは兵隊のせいではなく司令官が間違っているのです。 「玉砕」なんていう一見きれいに聞こえる言葉で自滅を奨励したというのは思い切り司令官が無能だったということです。 司令官が責任を下におしつけ自分のせいじゃないという逃げを打ったわけ。 だけど自分が責任者だという自覚を失っていたらすでに精神的に、もっと言えば知能的におかしいでしょう。 戦略が失敗するなんて言うことはまずありません。 結論的に全部失敗しているから、戦略も失敗したということにはなりますけど、それは家が沈んだから柱もなくなったというだけのことです。 おかしい壁を作ったので目立って爆撃の的になり全焼したとすれば、それは柱の責任ではないでしょう。 ビジネスの話ですけど、たとえば大失敗したプロジェクトがあるとしたとき、大概みなさん戦略のほうを否定する。 これはまあ自然な話で、具体的にどこがどうかなんて当事者でないとわかりませんから、外から見た事業をけなすほうがやりやすい。 かつて「ガソリンを使わない自動車」という理想を追いかけたプロジェクトがいくつかありました。 それらがうまくいかなかったのは、まず「戦略」に結晶していなかったからです。いいものがあったら皆つかうだろうと兵隊が考えたようなものだった。 そして、それがダメな理由を説明しようとする人たちは、そもそもガソリン以外のものが燃料になるわけがないなどと断定的にこういうアイディアを全否定するように言ったのです。 本当に自動車会社がそれを戦略にして始めたらどうなったか。 ハイブリッドカーは、非ガソリンというわけではないが第一歩で、これで商品になるのだと証明したのですね。 そして、燃料電池のものとか、水素電池のものが、どんどんできてきた。 完全にガソリンなしのクルマは実現しています。 用は、正しい戦略があって、実現可能な戦術を使い、きっちりマネジメントをする、というのが根本です。 とりわけ重要なのはマネジメントです。 よっぽど無能でない限りは兵士のよしあしは全体に影響しません。 誰がやっても同じ結果がでるという制御ができなければ、そもそも品質を管理することができませんから。 マネジメントが最重要です。
その他の回答 (1)
- Gidamind
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物はなぜ売れるのか? 良いものだから売れる訳ではありません。 良さそうに見えるから売れるんですよね。 これこそが、戦略ってやつでしょうね^ ^
補足
回答ありがとうございます。 面白いテーマですね。 戦略と戦術の定義が明確になりましたが、それでも私はやっぱり戦略で失敗しているケースがほとんどだと思うんですよね。例えば、立体テレビを作らない、(戦国時代ではつまり、戦わない、という選択)というのも戦略の一つで、立体テレビを作る方向に向かったことが失敗だった、ということもありえると思うのです。たとえどんなに素晴らしいプロジェクトマネージメントで、素晴らしい商品を作っても、時代が立体テレビを求めていなければ、売れずに勝てない。コスト削減のために製造は発展途上国で、という大きな構造があり、そういった流れでは、立体テレビという方向に向かうよりも、もっとシンプルで安いテレビを作る、という方向のほうが戦略的に勝算が高いのでは?ガラケータイも、戦略的な失敗の例ですね。プロジェクトとしては成功だったかもしれませんが。