単純に中高年とおっしゃいますけど、42歳なのか66歳なのかで話は違うでしょう。
スキル・資格、がないせいにしたいようですけど、スキルと資格は違います。
たとえばPCの何かの資格をとったばかりの、22歳の女性と52歳の男性が来たとすれば、まず間違いなく22歳の女性を雇用します。
これは年齢のせいでもなければ性別の問題でもありません。
資格が同じなのになぜか。
過去と未来と言う話です。
22歳の女性はおそらく今何も知らない。
だけどこれから覚えてだんだん知識能力は伸びるだろう。
そのための教育をしてもいい。これは過去がなく未来に種をまく話です。
52歳の男性は、いままで何をやってきたろうか、という過去が問題になります。
その年齢になるまでにはそこそこ経験を積んできただろうから、その経験が生きないかと思うのです。
未経験の分野で教えようなどとは思いもしません。
いままでの経験が活用できるような立場を考えたいと思うのです。
これは未来のために過去の土壌を役に立てようという発想です。
ある年齢になると、求められるのは経験です。
経験は、その分野のスキルと言っていいものです。
一朝一夕に作りあげられるものではありません。
派手な方向ばかり見て、税務のスキルがありません、とか、コンピュータのスキルありません、みたいにいう理由はありません。
仮にデータ入力ばかり20年してきたら、データ入力のスキルは絶対にあるのです。
それをパソコンのスキルは一切ありませんなどといったら、何もないと言って自分を貶めていることになります。
倉庫番を30年やってきたら、物流のスキルはあるのです。
トラックにも乗ったことがなく、インボイスの処理なんかもしらなくても、倉庫を引き受けたら物流の重要な一角を担ったわけですから、物流のスキルは絶対にあるのです。
山小屋の門番をしていたら登山のスキルはあると言うことになります。
電話番をしていたら、インバウンドテレマーケティングのスキルはついているはずです。
年を取った人間は、このスキルで勝負しないと先が開けません。
大体みなさんご自分が過ごしてきた仕事なんて、大した技術のものでもないし誰でもできたし、くだらないもんだ、と勘違いするのです。
こまかい、技能的にどうだという話ではなく、そこに長く座っていたということ自体がスキルなんです。
それを生かすような自分の売りこみをしないと、何も開けませんよ。
過去がなく未来一杯の人は、スキルがないのですよ。
自分でどんなにくだらない人生を送ってきた、と思う人でも何らかのスキルはあるのです。
それを履歴書の希望欄なんかにちょっと書き込んで売り込みをしないと、手足も出ていないオタマジャクシに皆もっていかれますよ。