• ベストアンサー

スピンエコー法について

スピンエコー法を利用したときに横緩和時間(スピン-スピン緩和時間)だけでなく縦緩和時間(スピン-格子緩和時間)も測定できるらしいのですが、その方法を教えて下さい。また、その際に試料にかけるパルスの条件などについてもよろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • zookeeper
  • ベストアンサー率64% (9/14)
回答No.3

縦緩和時間は、Z軸上での磁化の減衰速度の逆数です。 横緩和時間は、XY面上での磁化の減衰速度の逆数です。 磁化がXY面上にある場合に信号が観測できます。 スピンエコー法は、最初の90°パルスで磁化を[+Z]から[XY面]に倒します。ある時間[τ]後に観測すれば、S=So*exp(-τ/T2)の強度の信号が得られるはずです。しかし、実際には横緩和(T2)以外の効果による減衰が激しく信号が観測できません。時間[τ]の中心に180°パルスを入れることで、緩和以外の効果による磁化の減衰を復元させる事ができます。この手法をスピンエコー法と言います。 XY平面で磁化を扱うスピンエコー法は、Z軸上での現象である縦緩和現象を観測することはできません。 縦緩和時間を測定するためには、Z軸上での磁化の減衰の様子を観測できるようなパルス列にする必要があります。 ご質問を拡大解釈して「スピンエコー装置で縦緩和時間の測定ができるか?」としますと、装置次第という答えになります。どれだけパルス列を柔軟に制御できるかに依存します。パルス列を柔軟にきめ細かく制御できる装置ほど正確な測定が可能です。柔軟性に乏しければ、縦緩和時間測定そのものができません。 使用されている装置の機能が分りませんので、可否の判断は致しかねます。 化学系または薬学系の分析室を探して、NMRの担当者に相談するのが早道だと思います。分析用NMR装置では縦緩和も横緩和も自由自在なので、良い知恵を貸してくれるでしょう。

その他の回答 (3)

  • fulde
  • ベストアンサー率50% (1/2)
回答No.4

スピンエコー法で縦緩和(T1)を測定する際には、 「Combパルス」と呼ばれるパルスを90°パルスの前に入れてやります。Combパルス自体の長さは、だいたい90°パルスから180°パルスの間くらいでしょうか。入れる数は数発から、必要な場合には数百発ほど入れることもあります。入れてあげる時間は大体T1程度です。(これによって核スピン系を、スピン温度無限大の状態にしてあげるわけです。ただし、I>1/2の場合は少々複雑ですが。)具体的には、Combパルス直後でのスピンエコー信号の強度が限りなくゼロに近い条件であることが望ましいです。そしてCombパルスと90°パルスとの間隔(Long Delay)を少しずつ長くしていってスピンエコー信号の強度を測定する、というのが飽和回復法でのT1の測定方法です。 要するに、Combパルスによって核スピンをなぎ倒して、そこから電子系との色々なやりとりによって核スピンが復活するのに要する時間を測定するわけです。 また、実際に測定するときには、Long Delayを十分長く取ったときにスピンエコー信号強度が熱平衡状態でのそれと同じになっていることを確認することが重要となります。

  • zookeeper
  • ベストアンサー率64% (9/14)
回答No.2

90°パルスでエコーが出る、というのは正しい表現ではありません。エコーではありませんが、信号が出ます。 エコーとは、 -[τ/2]-[180]-[τ/2]- のように磁化が再結像して現れた信号の事を言います。 Inversion Recovery法は、反転回復法とも呼ばれます。180°パルスによって磁化を[+Z]から[-Z]に反転させて、ある時間(τ)待ち、回復した磁化の大きさを次の90°パルスで検出します。 また、Saturation Recovery(飽和回復)法も良く使われます。90°パルスを繰り返して磁化を飽和させ、ある時間待ち(τ)、回復した磁化の大きさを次の90°パルスで検出します。 緩和測定について検索してみたのですが、適当なサイトが見当たりませんでした。 核磁気共鳴(NMR)書籍には、必ず載っていますので書店で探してみて下さい。 磁気共鳴医学(MRI)や機器分析化学の書籍にも載っていると思います。

takamako1
質問者

お礼

わかりやすい解説をありがとうございました。 もうひとつだけお願いします。スピンエコー法では縦緩和時間の測定は出来ないのでしょうか?またできるのであればどのようにするのでしょうか?質問ばかりですいません。

  • zookeeper
  • ベストアンサー率64% (9/14)
回答No.1

横緩和測定(スピンエコー法) パルス条件 : [90]-[τ/2]-[180]-[τ/2]-[S] データ処理 : S=So*exp(-τ/T2) 縦緩和測定(インバージョンリカバリ法) パルス条件 : [180]-[τ]-[90]-[S] データ処理 : S=So*(1-2*exp(-τ/T1))

takamako1
質問者

お礼

インバージョンリカバリ法とは まず180°パルスをかけてτ(s)後に90°パルスをかけるとエコーがでる ということでしょうか?

takamako1
質問者

補足

インバージョンリカバリ法とは まず180°パルスをかけてτ(s)後に90°パルスをかけるとエコーがでる ということでしょうか?