たとえば、血液型遺伝子と同じ染色体上にあり、遺伝的
多様性(染色体の組合せ)において一緒に遺伝する、
性格に関わる遺伝子に、DBH遺伝子があります。
DBH遺伝子は、ドーパミン受容に関わる酵素で、ドーパ
ミンの受容性が高いと、好奇心旺盛になる事が知られて
います。
それ以外にも、性格に影響のある遺伝子は数多く見つかっ
ています。
ただし、あくまでそれらは基質であって、たとえば両親が
メダリストでスポーツマンに適した遺伝子を持っていても、
全く運動しなければ、虚弱な人間にしかなりません。
脳は、筋肉などよりもっと生後の刺激が重要である事が
臨床的に分かっており、「遺伝子で性格が決まる」とまで
言っては間違いです。
ただ、基質の違いは統計的に表れるので、「A型は協調性
がある」といったものには、影響すると考えられます。
その根拠としては、A型がマジョリティを占めるのは、
日本から中国江南地方~雲南~ブータンに至る、温帯モン
スーン=常緑照葉樹林帯で、その気候によってジャポニカ
米の稲作農耕が盛んであり、季節に拘束された労働集約的
農業が、「協調性」を有利な性質としてそうした遺伝子を
選択したと言えます。
そして、その北の遊牧文化圏はB型がマジョリティ、南
アジア~アフリカはO型が占める事から、遺伝的な交配に
おいて生殖隔離がなされていた事が示唆され、その結果、
周辺の地域には、血液型遺伝子と性格に関わる遺伝子が
セットで供給され、血液型と性格の相関性が語られるよう
になったと思われます。
一方、古代から民族移動の盛んなヨーロッパでは、交配が
激しかったので、そうした血液型性格占いは成立しない、
という話で。