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オスマントルコの政治手法は使えないか
皆さんご存じのとおり、昔オスマントルコという国があり、中近東からパレスチナ、ヨーロッパまでの広い地域を領土としていました。国内にはイスラム教、キリスト教、ユダヤ教の3大宗教を有しており、大変に有能な統治能力を持っていたようです。 現代の中近東の課題解決に対して、このオスマントルコの政治手法は通用しないでしょうか。優秀な諸兄の見解をお聞きします。
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使えるか使えないかは別として、一理あります。オスマントルコ時代には今のような分裂、混乱したアラブはありませんでした。アラブ世界は穏和でそこそこ秩序立っていました。イギリスとフランスの悪巧みで、結託してオスマントルコ帝国を打ち破ったので、その秩序が壊れ、今の中近東の大混乱を招いたのです。統治能力も、統治する気もない人民に領土と国境線を与えたのです。まさにパンドラの箱を開けてしまったのと同じです。 今の中近東の混乱を治めるには、オスマントルコ的な、大がかりな国家統治に変える必要があるのかもしれません。モグラ叩きのように、フセインやカダフィを潰しているだけでは、ISISのような跳ねっ返りを、次から次に生み出すだけでしょう。 さてどうやるか。これがうまく行かないと、21世紀はテロの時代で明け暮れるでしょう。悲惨な22世紀を迎えることになるでしょう。人類の知恵の出しどころです。 それにしても国連は無力な組織ですね。役立たずで、ない方がいいですね。あるから妙に頼ったりする。しかし何も出来ない。出来ない言い訳に使われるだけのおじゃま組織ですね。
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- eroero4649
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オスマントルコの、というか、中東諸国で政治が安定している国はどこもだいたい「王政」です。サウジアラビアを筆頭に、UAEやヨルダンなんかもそうです。 イラクはかつてはフセイン大統領が実質的に王様のように振る舞っていて、イラク戦争で崩壊するまではなんだかんだで国内統治は安定していました。まあ、国内の反フセイン派を抑えるために毒ガスなんかも使われたのですが、それでも首都で連日爆弾テロが頻発するような不安定な治安ではありませんでした。 あの「アラブの春(結果はちっとも春でもなんでもなかったのですが)」の前のエジプト、リビア、シリアもほぼ独裁政権といっていい政治形態でしたが、そのほうが「国家」だったといえるでしょう。今はリビアもシリアも国家の体を成していませんよね。 つまり、彼の地では王政かそれに近い政治体制のほうが全体として上手くいくのだと思います。そこを無理やり欧米式民主主義国家にしようとするからおかしくなるのでしょう。欧米諸国も欧米人も、口では民主主義がナンタラカンタラとはいうものの、王政で国内が安定しているサウジアラビアやヨルダンの国家体制を変えようとはしないわけですからね。
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ご回答ありがとうございます。 民主政治が必ずしも善ではなく、王政が必ずしも悪ではない、というご見解には一理あります。その地域、文化、宗教などによっては、欧米流の民主主義は合わないのでしょう。もしかしたら日本も同じかもしれませんね。 要はその地域の人々が幸せに感じて生活できれば、それでよいと思います。(北朝鮮のように、人々に幸せだと無理に言わせることはよくないですが。) やはり欧米流の考え方を押しつけた結果が招いた現在の状況でしょうか。
- hekiyu
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”現代の中近東の課題解決に対して、このオスマントルコの 政治手法は通用しないでしょうか” ↑ 通用しないと思われます。 かつては、国家は王侯貴族だけのものでした。 そういう時代なら、オスマンのように、色々な宗教、色々な 民族を政府高官に据えても、国家の運営には 差し支えなかったでしょう。 政府高官の数は少ないし、皆インテリです。 しかし、現在は大衆民主制国家です。 国家の意思は大衆の民意で決められます。 民の数は、王侯貴族よりも圧倒的に多いわけです。 そして民の多くは自分さえよければ、という人間達 ばかりです。 多民族、多宗教下で、そうした無数の民を納得させる政治をやるのは 非常に困難です。 それに、こういう国家は、上り調子の時は問題がありませんが、 いったん下り坂になると、非常に脆いものがあります。 あの、人類の理想といわれたローマ帝国しかりです。 じゃあ、米国はどうなんだ。 米国の90%はキリスト教です。 宗教的対立は少ないです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 現代ではオスマントルコ的な政治は無理でしょうか?民主政治とは衆愚政治であり、貴族的なきれい事では通用しないということですね。 民主主義も貴族的な政治も無理だとしたら、現在の状況は出口がないのでしょうか。
- titelist1
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トルコはEUに加盟することを以前から望んでいるのですが、ヨーロッパがそれを認めようとはしていないのです。したがってトロコから見るとEUはキリスト教徒の連合だと思われているのです。したがってトルコはヨーロッパに協力しようとはしないのです。 ISILの問題でも、イラクと組んで攻撃しているクルド人がトルコ領内で独立しようとしているのを牽制しています。だからクルド人と戦っているISILに対してトルコは友好的なのです。物資や戦闘員はトルコを経由してISILに入ってくるのです。ISILも軍事力の強いトルコに攻められてはたまりませんので、友好関係を望んでいるのです。 ISILを認めてやるにはトルコは友好ですが、滅ぼすにはトルコがむしろ邪魔なのです。
お礼
ご回答ありがとうございます。現在のトルコは確かにコスモポリタンな国ではないですね。 しかしオスマントルコはさまざまな民族、宗教をその中に包含し、うまく統治していました。バルカン半島の問題もオスマントルコが崩壊してから激しくなりました。オスマントルコは異なる制度、習慣をうまく融合させていたのではないでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございます。 中近東の問題は、何と言っても欧米諸国の身勝手な振る舞いが第一の原因でしょう。どこの国、地域もけっして近隣と仲がよいわけではありませんが、その関係をうまく融合していたことは、オスマントルコの大きな政治力、文化力であったと思います。軍事力だけではなく、人間的な魅力、政治的な魅力を持った国だったのではないでしょうか。