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方向性結合器のみで整合回路をつくれるか
高周波回路を学んでいる学生です。 通信などの小信号レベルではなく、電力伝送などの大信号レベルを勉強しています。 高周波回路をやっていると常に負荷との整合の問題がつきまとってきます。 私も今、整合回路の作り方で躓いており、悩んでいます。 私が設計している系は、50Ω系統で13.56MHzを整流し、DC/DCコンバータのICで降圧して、負荷に電力を供給するものです。 私の研究室は、高周波をメインにしている研究室ではなく、ネトアナ等はありません。 方向性結合器とオシロはあります。 小信号レベルであれば、ネトアナでSパラメータを測定し、LとCで整合回路を作るのでしょうが、私の場合大信号レベルですしネトアナもありません。 方向性結合器とオシロで測定できる、進行波電圧、反射波電圧の情報だけで、整合回路を作ることは可能でしょうか。 また、ネトアナがあれば、10W~20Wレベルで非線形回路に対する整合回路を作ることは可能でしょうか。 よろしくお願いします。
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- tadys
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>卒論に、S11が最小となってキチンと整合がとれています、というデータを取りたかったのでこのような質問をいたしました。 S11がゼロ(負荷での反射がない)になるということは信号源が送り出した電力と負荷が消費した電力が等しくなるということです。 消費電力が変動するような負荷であれば、負荷に応じて信号源の電圧を変化させなければS11をゼロには出来ません。 あるいは、負荷が減少した場合には減少分をダミーの負荷に肩代わりをさせるなどする必要が有ります。 通常はこんなことはしないでしょう。 S11を最小にすることを目的にするのは間違いです。 非線形回路でS11をゼロにすることは出来ません。 例えば、理想的なダイオードで整流回路を作ったとしてS11をゼロにするためにはダイオードに流れる電流と信号源の電流を比例関係にする必要が有りますが、そもそも比例しないから非線形なのですから。 50/60Hzの電力線では力率補正回路(PFC)で同じようなことを行っていますが、高周波では無理でしょう。 前に書きましたが、反射があると不安定になる信号源があるので、その場合には不安定にならない範囲で対策をします。 例えば、線路のどこかに3dB の減衰器を挿入すれば反射波を6dB低減できます。 単に抵抗を挿入するだけでも良いです。 非線形素子を含む回路の回路シミュレータが有りますので検討しても良いかもしれません。 ほとんどが有料ですが、体験版もあります。メーカーに相談すれば良いでしょう。 http://eetimes.jp/ee/articles/0902/24/news122.html https://www.csieda.co.jp/campaign/high_frequency/ http://www.melinc.co.jp/product/microwave-field.html
- ytrewq
- ベストアンサー率28% (103/357)
非線形負荷に対して完全なマッチングは無理でも、反射波が少なくなるように調整できるようにするのが次善の方法でしょう。 とりあえずLCによるL型マッチング回路で、Cをバリコンにして反射波が少なくなるように調整します。
お礼
ありがとうございます。 現段階の最善策として、バリコンを使用した整合回路を考えていたところです。 ただ、LとCはおよそどれくらいのインダクタンスとキャパシタンスなのか、LがCより前なのか後なのか(50Ωより負荷のインピーダンスが大きいのか小さいのか)が検討がつきません。 片っ端から条件を替えて実験するのも、膨大な時間と労力が要りそうですし、たまたま整合がとれたとしても論文に書けるような有意性のあるデータとは考えにくいですし。。。 なにかいい助言があれば、改めてご教授頂きたいです。 よろしくお願いします。
- tadys
- ベストアンサー率40% (856/2135)
インピーダンスマッチングには、伝送線路における反射波をゼロにするという意味と、信号源から負荷に供給する電力を最大にする意味の二通りが有ります。 通常の場合、この二つは同じ条件を満たすので区別はしません。 負荷が非線形の場合は、信号の振幅によってインピーダンスが変化するために反射波をゼロにすることは出来ません。 反射波を出来るだけ少なくするためには線路と負荷の間に減衰器を挿入する方法があります。 (直流を含む、あるいは極めて広帯域の場合に採用される方法です。) この方法では反射波を少なくすることは出来ますが、最大電力の条件を満たすことは出来ません。 アイソレータを使用すると線路に対する反射波を抑えることは出来ますが、非線形負荷からの反射波を抑えることは出来ません。 (反射波はアイソレータで消費されます。) http://www.mrf.co.jp/product/ferrite_circulator/ 13.56MHzのアイソレータの入手は困難でしょう。 反射波を抑えることが目的でないのであれば整流回路の負荷抵抗を可変して最大電力を得られる抵抗値を求めれば良いでしょう。 その値と目的のDC/DCコンバータに必要な電圧が異なっている場合はその分の電圧を変換する整合回路を設計すれば良いでしょう。 ところで、最大電力を取り出す必要が有るのですか? 負荷に必要な電力を供給できるのであれば最大電力でなくてもよいのではないですか。 そうであれば、反射があってもかまわないでしょう。 ただし、信号源によっては反射波を増幅して返してしまう(つまり発信器になってしまう)事があり、それにより不要輻射の発生や回路の故障になる事が有るので減衰器を挿入する必要とする場合があります。 昔のアマチュア無線家は方向性結合器で整合回路を調整していました。
お礼
ありがとうございます。 卒論に、S11が最小となってキチンと整合がとれています、というデータを取りたかったのでこのような質問をいたしました。 デバイスとしては、反射がどれだけあろうと目的の電力さえ取り出せたらいいのですが。。。 昔は、方向性結合器で整合回路を組んでいたということで、チャレンジしてみようと思います。 その詳しい手法などご存じでしたらご教授いただけないでしょうか。 よろしくお願いします。
お礼
お礼遅れて申し訳ありません。 >S11を最小にすることを目的にするのは間違いです。 そうなんですね。アドバイスありがとうございます。 研究頑張ります。 ありがとうございました。