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沖積層以深の堆積環境について
沖積平野では、沖積層直下に第三紀の岩盤が分布している場合があります。 このような堆積環境では、洪積層は侵食によって、見かけ上なくなったと考えてよいのでしょうか。 申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いします。
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- moto_koukousei
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堆積だけを考えると、河川の働きで堆積が進んだものが沖積平野と呼ばれ、とても狭い地域であることが普通です。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%86%E7%A9%8D%E5%B9%B3%E9%87%8E その中には谷底平野と呼ばれる一層特別の堆積環境で形成されるものもあります。 もしも、堆積が絶え間なく進行していたら、地層累重の法則の通りに更新統の地層が形成されていて不思議はないです。更新統の地層が堆積しているようには観測出来ない場合には、その洪積世には堆積環境にない(例えば離水している)状態であったか、堆積はしたがその後に侵食されて失われたなどの事情があったということになるでしょう。 日本に限らず第四紀は隆起沈降などの現象が著しく大きく発生していますから、更新世に堆積した更新統が完新世の侵食作用の結果、現在では失われたということも多いと思います。 しかし、更新世には陸域になっていて現時点で更新統推定出来る土壌の堆積が出来なかったという可能性もあると思います。そのような地点でも、河川の下刻で谷が形成され、谷の出口が狭まった場合に、その後は谷底平野(沖積平野の一つ)が形成されるていくと、沖積層直下に第三期以前の岩盤などが接する不整合面が出来るだろうと思います。 どちらなのか、もっと別の事情があったのかは、その地点の実際を見ないとなんともいえないのではないでしょうか。 ちなみに、宮城県の南部では、沖積層直下に第三紀の岩盤がある地域があるそうです。 この地点に限らず、岩手、宮城などは、つい最近でも、沈降、隆起が盛んだったところです。https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj1925/54/2/54_2_72/_pdf (P10/14 図7) 阿武隈川水系阿武隈川支流の白石川のさらに支流の荒川では、つぎのようになっているそうです。 http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/219409.pdf (ここは)仙台平野南西方の起伏量30m程度の丘陵地にある,幅200m程度以下の谷底面に位置する.丘陵地の基岩はいずれも新第三紀層で,難透水性の火山岩・火山砕屑岩(中新世前期の高館層)と,その上位に不整合で重なる,一部凝灰質の半固結砂岩・泥岩互層(中新世中・後期の新寺層・福田層あるいは金ケ瀬層)から成る. これら基岩は,最終的にはおそらく第四紀前期に離水後,100 万年程度の間侵食を受け続け,多くの小さな谷に刻まれた丘陵状の地形が形成されたと考えられる. 荒川は,その最上流部で,侵食されやすい軽石質凝灰岩等から成る急斜面(活断層である円田断層(村田断層とも言う)の断層崖の延長部)を開析しているためか,流送土砂が比較的多く,しかもそれが合流する白石川は,荒川よりもさらに流送土砂が多いので,村田町中心部付近より下流の荒川沿岸では土砂が堆積傾向にあり,それが丘陵地からの小支谷の出口をふさぐ形になっている.こうして小支谷の多く(とくに荒川右岸のもの)は,少なくとも第四紀完新世の大半の時期(最近数千年間)において,排水がきわめて不良で地下水位が高く,泥炭が形成される状態にあったとみられる. (この付近では)新第三紀の半固結堆積岩類(いわゆる軟岩)と,その上位に不整合で重なる第四紀完新世(底部のごく一部に後期更新世の堆積物があり得る)の軟弱な谷底堆積物(大半が泥炭質)・河成堆積物が,20m近くの厚さになるほどの状態で沖積平野(谷底平野)を造っている.
- kamobedanjoh
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「洪積層」の呼称は、聖書に記された「ノアの洪水」から生じた用語です。 洪積世(約2万~1万年前)の堆積地層です。氷河期から間氷期に気候変動した時、大量の氷河堆積物が出来ました。約1万2千年前、ベーリング海峡の氷が溶けて、アジアと北米が地続きと成り、モンゴリアンがアメリカ大陸に渡って、南北アメリカ先住民の祖先となったとも云われています。 その時代の堆積層を、聖書記載の大洪水によるものと誤認してしまって、ヨーロッパの研究者が名付けました。 中部ヨーロッパには氷河堆積物である洪積台地が、広く分布しています。 日本付近には氷河性堆積物は殆ど見られませんが、武蔵野台地などは海岸の隆起によって形成され、その時期が洪積世に重なることから、広い意味での洪積層と呼ばれています。 洪積層が見られない地域があるのは、不自然でも無く、浸食によるものでもありません。