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仏像と歴史人物の顔
中国や日本の歴史上に、玄奘三蔵や劉備、聖徳太子などが耳が大きいとされていたように、 仏像の造形と似た特徴を持つようにあらわされている人物などはいますか?
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ご質問のイメージはわかりますが、仏像といいますのは一定のルールに基づいて作られています。 そのルールの基になったのが仏の三十二相八十種好と呼ばれるものです。 歴史上の人物の耳が大きく描かれるのは、仏の八十種好の中の一つで人相学などに取り入れられて福や徳を呼ぶお目出度い人相だとされたことに由来します。 徳川家康の東照大権現図など晩年に描かれた像は耳が大きくいわゆる福耳として描かれています。 福耳でポピュラーなのは福助です。 その他七福神の恵比寿様も大黒様も布袋様も福耳です。 とくに布袋様は布袋和尚として古代中国では実在したと伝えられている和尚さんです。 五百羅漢の像のように、沢山の羅漢さんの顔に必ず似た人がいると言われるようなものがあります。 同じことは京都の三十三間堂の千体の観音像の顔も必ず似た人がいると言われています。 逆に亡くなられた方とよく似た観音様が必ずいるとも言われています。 ご質問のように仏像の特徴と一言で言って実在の人間に当てはめますと、手が膝よりも下に届くほど長いとか、水かきがあるとか、髪の毛が紺青色だとか妖怪になってしまいます。 詳しくは下記のサイトをご参照願います。 三十二相八十種好 - Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/三十二相八十種好 仏の32相80種好・仏の三十二相八十種好 tobifudo.jp/newmon/shinbutu/32so.html さらに仏像としての基本的な姿にもルールがあります。 特に仏像は手の形が重要な意味をもつのと同時に仏像がどの仏様を表しているのかを見分ける重要な手がかりとなります。印相と呼ばれます。 持ち物にも意味とルールがあります。 詳しくは下記のサイトをご参照願います 仏像世界/基本形 music.geocities.jp/jooko3/buddha/html/bkihon.html 以上のようにある意味でガチガチに決められていますので、適当に持ってきて当てはめるということはできません。 光明皇太后はよく観音様に例えられて似たような像が作られることはありますが、像としては直接観音菩薩の特徴は持ってはいません。 高名な僧侶の像などで、体の前で手を組んだものがありますが、この手の形は座禅の際の手の形です。 直接仏像から借用したものではありません。 座禅は禅宗だけのものではありません。 修行のための瞑想方法として全ての宗派で取り入れられています。 蛇足 現在有名な聖徳太子の画像は、聖徳太子ではないとされています。 謎が謎よぶ聖徳太子~架空の人物説からそのウラの顔を探ります - nifty homepage2.nifty.com/bu-ra-ri/syoutokutaisi.htm 抜粋 この有名な肖像画も、聖徳太子ではないというのが、もはや定説です。 この肖像画の人物が頭にかぶっている冠も、着ている服も、持っている笏も、大化の改新以降の律令国家が成立してからの物で、聖徳太子の時代には、なかった物なのです。 あごひげも、肖像画を書いた人物とは、別人が後から付け足した物です。