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物理現象の普遍性を保証するものとは何か
- 物理現象の普遍性を導き出せる根拠を探る
- 実験結果と数理モデルによって物理現象を解明
- 一致の定理が普遍性の根拠として考えられる
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ネコさんが前の板で言ったように、複素関数論において「一致の定理」が成り立つのは、複素関数という数学的な特殊構造が、正則という特殊条件のもとで、「一致の定理」を導くような特殊事情をあらかじめ内包していたからです。なので、何でもかんでも「一致の定理」を適用できる訳ではありません。 適用するなら、複素正則関数と同等な数学的構造を対象群が持つ事を、数学的に証明しなければならない。 一方で物理法則の普遍性は、経験事実です。実際ヨーロッパ中世において、天上界(星空)と地上界(地球)は本質的に別物質で構成され、別々の物理法則に支配されていると想定されていました(今風に言ってしまえばですが)。それはほぼ、1000年以上の間そうでした。 そこに突破口を開いたのはニュートン力学です。天上界の惑星も(太陽も)地上の石くれも、同じ力学法則に従うと喝破した、そしてそれが少なくとも太陽系内では正しかった(逆に言えばそれしか実証されなかったにも関わらず)、ニュートン力学のインパクトは、今思うよりも遥かに絶大だったんですよ。 よってニュートン力学とニュートンの運動方程式は、宇宙にあまねく成り立つ普遍的なものだ、となりました。少なくとも19世紀初頭までは、誰もそれを疑いませんでした。その余波は、21世紀の現在でも健在です。何故なら20世紀初頭に、「手持ちの物理法則は普遍的なようだ」という実験的な傍証まで出てきたからです。 特殊相対性理論の趣旨は、この観点で言うと、力学と電磁気学は矛盾なく普遍性を持つ、というものです。それが特殊相対性原理です。ここで物理法則の普遍性とは、例えば地球でも月でもアンドロメダ銀河でも同じ物理法則が成り立つ。100年前でも100万年前でも後でも同じ物理法則が成り立つ、といった考えです。 上記はそれぞれ、空間、時間の一様性と言いかえられますが、アインシュタインはもう一歩進みます。空間、時間が一様でなくても、物理法則は普遍(不変)であれと願いました。それが一般相対性理論(一般共変性)です。 一般相対性理論は言ってしまえば、「どうやっても物理法則が不変であれば、何が起こるか?」を示した、史上初めての理論です。とうぜん発表当初は誰も理解できなかったし、実験的確認もありませんでした。 ありませんでしたが結局、それでなければ解決できないような観測結果(少ない)と理論的応用が見つかり、現在では標準理論になっています。 一般相対性理論の一般共変性の方法論は、世間的には余り注目されていませんが、すごいインパクトでした。「どうやっても物理法則が不変」の「どうやっても」とは、次のような事実を踏まえてです。 (1)物理法則を記述するために人間は、数学的な座標系を導入するが、それは恣意的なものだ。 (2)例えば座標原点をどこに取るかは人間の勝手だし、x軸をどの方向に向けるかも人間の自由だ。 (3)また距離は、どこでも同じように一様に測れると考えている。 (4)時間についても原点は自由だし、時間は一様に進むと勝手に考えている。 (1)~(4)をいかようにも「ぐちゃぐちゃに」変更しようとも、「それでも不変なのが、物理法則なのではないか?」という考えが、相対性理論の成功から芽生えます。「我々は、そういうものが欲しいのだ。それこそを物理法則と呼びたいのだ」という考えです。 そして「手持ちの物理法則」は、「ぐちゃぐちゃにしても不変性を保ちそうだった」んですよ。それは20世紀になって、それ以前では不可能だった、数々の観測結果が得られたからです。その予感を反映したのが、「ゲージ理論」です。 現在では「ゲージ不変性」を満たす事が、理論の一つのテスト項目になっています。上記のような具体的意味における普遍性テストです。一般相対性理論は、史上最初のゲージ理論でした。 で、いくらゲージ不変性があったところで、役に立たなければしょうもないです。しかしゲージ不変性は役に立ちました。 それは言いかえると、物理法則の発見過程において、不変性を数学的指導原理と出来る、という事です。ゲージ不変性という考えは、生産的だったんですよ。電弱統一理論もそうだったし、ヒッグス粒子の発見もゲージ不変性の系譜の中にあります。 ・・・でもですね、手持ちの物理法則が「複素正則関数と同等な数学的構造」を持つかというと、そうではない。もしかすると気づいてないだけかも知れないが、今のところその証拠はない。 物理法則の普遍性は、データで確認できるという意味においては、「20世紀以降の経験事実」です。
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#4です。 >宇宙の法則は数学的であるというのがわたしの立場です。 それは誰も反論しないと思いますが問題は、 >>・・・複素関数という数学的な特殊構造が、正則という特殊条件のもとで、「一致の定理」を導くような特殊事情をあらかじめ内包していたからです。 をぶっちゃけて言うと、複素関数の数学的定義には、 ・これによって定義される対象には、適用な条件下で局所から大域に一般化できる. という事が、暗に書かれていたからです。数学的な研究や証明は、この「暗に書かれていた」事を、白日の下に晒す作業でもあります。 と言う訳で物理法則が数学的にア・プリオリに普遍的であるためには、物理法則の文言どこかに、「これは普遍的である」という一言がなければなりません。暗にでも。 しかしどう読んでも、そうは思えない。なので物理法則の普遍性は経験事実です。 また、この法則は普遍的であるなどと陽に書いてあったら、そんなものは誰も信じません。
- titelist1
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理系の仕事を長くしてきたのですが、現在の科学では定理と言われるもの普遍性を保証することができないのです。残念ですが暫定的定理とするか、相対的定理と言わねばなりません。 単振動も重力のことが分らないので暫定的定理になるのです。重力は一定のものではなく重力波で変動するべきものなのですがまだ発見されていません。特殊相対性原理で説明されたように、天文学で発見される物理現象によって定理が変わってしまつたのです。銀河系が渦を巻くような宇宙空間に伝わる重力現象も良く理解されていません。 これから先でも定理が変化することはあり得るのです。したがって人類が発見した定理が宇宙のどこでも当てはまる普遍性は保証されていません。人類が知っていることは全てが相対的なものだと認識した方が無難なのです。ただし地球上で起ることは暫定的定理として取り扱っても実害はないので、その物理現象を使っているのです。
- hekiyu
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"このように一つの実験結果から物理現象の普遍性を 導き出せる根拠は何でしょうか。" ↑ 理論です。 理論が数式で表現されている場合は その数式が根拠になります。
- 雪中庵(@psytex)
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原理的要素が共通である事により、物理法則は普遍性を持つ。 目の前の無数な物品は、共通の分子から成り、多様な分子も せいぜい百種ほどの原子からなり、原子は数十種の素粒子 から成り、素粒子は数種のクォークと数種のレプトンから成り、 それらは究極的に1種の量子の定常波の励起状態として得ら れている。 あなたの提起されたのは、性質であって定理ではありません。 定理であれば、常に成り立たねばなりませんが、人は必ず ババアではありませんが、あなたはそれを「定理だ」と主張 する事で、「この人はババアである>局所で成り立つ定理 (実は部分の性質)は普遍的に成り立つ>人は全てババア である」という、本末転倒な主張をしているのである。
- asisai888
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>このように一つの実験結果から物理現象の普遍性を導き出せる根拠は何でしょうか 導き出した結論が実験結果をよく説明できるというのが根拠になります
お礼
> ・・・でもですね、手持ちの物理法則が「複素正則関数と同等な数学的構造」を持つかというと、そうではない。もしかすると気づいてないだけかも知れないが、今のところその証拠はない。 「一致の定理は複素正則関数の数学的性質であって、これに物理的意味はない。」-どうやら回答者の多くはこのように考えているようです。 わたしはそのようには考えておらず、一致の定理は我々を囲む空間の物理的性質を立派に表していると考えます。 それ故に微分方程式によって様々な物理現象を記述できると考える。 宇宙の法則は数学的であるというのがわたしの立場です。
補足
> 適用するなら、複素正則関数と同等な数学的構造を対象群が持つ事を、数学的に証明しなければならない。 我々を取り囲む空間、つまり重力場や電磁場などは複素正則関数が成立する空間なはずです。 実際、波動方程式も振り子の単振動微分方程式も全て複素正則なものとして扱っているわけです。 であればこの時点において既に我々を取り囲む物理空間内において、一致の定理は保証されたことになるのではないか。