>> 縦長のスリットを通った光が横方向の回折パターンになるのは何故<<
その縞模様は「縦縞」ですね。
1.
一本のスリットの場合。
スリットのフチABCDで光が回折して後ろのスクリーンに縞模様が見えます。
┏A┓
┃ ┃ 図1
┃ ┃
C D
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗B┛
実は縦にも横にも縞模様が出来てるのですが、縦方向の縞パタンが目立たないので「横方向だけだ」と認識してるのに過ぎません。
2.
例えば下図のように正方形孔が一個なら、
┏━┓
┃ ┃ 図2
┗━┛
縞模様は縦にも横にも等しく分布します(現実には同心円状パタンに近いですが)。
3.
で、
この正方形孔を縦に何個もつなげたのが縦長スリットで、回折パタンも縦方向にずれて何個も重なるので明暗縞が互いに埋めあって、のっぺりした縦長の棒状になる、その棒状の光の上下の端には回折パタンが残っているが、そのパタンのピッチ間隔は、図1のAとBの距離にほぼ反比例するので、縦長なほど細かく、見た眼に気付きません。
4.
回折格子の場合は、縦長スリットが多数あります。
しかし、スリット同士が密着してないのです。その結果、縞模様が重なっても埋め合ってのっぺりになりきらず、モアレ縞(スダレを二枚重ねたような明暗)と同じ、大局的な明暗の縞を織りなします。
つまり、
単独スリットの縞模様はピッチが細かく、回折格子ではそれらが重なり合って大局的な縞模様のように見えるのです。(一本の縞を細かく見ると、多数の縦糸があります。)
こんな微細構造になってるので、大局的な模様も、横方向にしか変化してませんね。
(埋め合ってノッペリしたり大局的な模様になったりする違いは数式的にきっちり書かないと説明し切れませんが、使う数学は三角関数とその積分です。
結果は(sinθ)/θという関数になって、この関数をグラフに書いた形を口語調に語ってるんです。)
お礼
なるほど! 分かりました~ 一から説明していただきありがとうございました