脳に必要となる糖は、必要な量だけ体内でタンパク質や脂肪から合成することができますから、脳自体は特に何か食べ物を欲しがっているということはありません。「糖新生」という反応です。
あえていうなら「糖質」は取らないこと。糖質を摂ると血糖値が上昇します。そうするとインスリンというホルモンが追加分泌されます。インスリンが分泌されると上に書いた「糖新生」はストップしてしまいます。
その代わり、食事から得た血液中の糖を脳は利用しますが、血液中の糖はいつまでも存在できるわけではなく、インスリンによって体中の細胞に取り込まれてしまい、血管内から一掃されてしまいます。血糖値が低下している状態です。
問題は、血糖値が低下しても、すぐに上で書いた「糖新生」が再開するわけではないということです。
その結果、一時的に血糖が低い状態が続き、脳が栄養不足に陥って眠くなったり機能が低下したりします。お昼ごはんを食べると眠くなるのは、これが理由です。
頭脳労働後で脳が疲れているのに、さらに糖を摂取すると低血糖で追い打ちをかけることになります。全くの逆効果ですよ。
どうしても何かを食べたいのなら糖質以外のもの、タンパク質と脂質を摂取しましょう。脂質を食べると脳はβ-エンドルフィンという脳内物質を分泌して心地よさを感じます。この物質はモルヒネの6倍もの効果を持つ「脳内麻薬」と言われています。もちろん常習性などはありませんが、マヨネーズを愛好する人たち「マヨラー」はβ-エンドルフィンの心地よさに酔っているのかもしれません。
なお胆汁は脂肪を乳化する働きがあるものなので、やはりあなたの体は脂質を欲しがっているのかもしれませんね。茹で卵を砕いてマヨネーズで和えた卵サラダなどがよいかも。なお、サンドウィッチにするとパンは糖質なので逆効果です。あとはアーモンドを数粒間食として食べるといいです。アーモンドは脂質が高く糖質が低いのでぴったりです。
また脂質を摂ってもインスリンは分泌されません。インスリンは糖新生を止めるだけでなく、脂肪の燃焼も止めます。インスリンが分泌されない状態ならば脂肪がどんどん代謝され続けますので、太りにくくなります。タンパク質と脂質だけを食べ、糖質を食べない「糖質制限ダイエット」が痩せる理由の一つは、こういうところにあります。