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武将、武士の話方について
中世、近世の武士、武将の話し方は、どのような感じだったのでしょうか? 時代劇では、たいてい主役がかなり力んでいますが、力めば力むほど、 私はどこか違和感をおぼえ、引いてしまいます。 武将、知将・・・・・・・タイプはありますが、歌を詠んだり、書状を書く、 つまり教養がある武士は、力むようには思いません。 低い声で、凄みがあるような気がします。(想像の世界ですが・・・) 個人さはあると思いますが、どちらかといえば、ゆっくりなのでは? 公家は、ドラマに出てくるあのような定番でいいと思います。 武士、武将はあんなに力むものなのでしょうか?
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>時代劇では、たいてい主役がかなり力んでいますが、力めば力むほど、私はどこか違和感をおぼえ、引いてしまいます。 >武士、武将はあんなに力むものなのでしょうか? TVにせよ映画にせよ演出ですからね~ 台詞の言い方でその人物の特徴や場面の状況を観客に伝えるためにやられています。 一々ナレーションで説明していたら演出がメチャクチャになってしまいます。 時代劇を離れて一般論になりますが、個人差もさることながら時と場合と場所によるのではないのでしょうか。 いくさ場では、さすがにのんびり沈着冷静にお寺の和尚さんの説教のような訳にはいかなかったでしょう。 おそらく喧嘩腰の怒鳴り合になっていたのではないのでしょうか。 中には普段でもこの時の癖が抜けなかった人もいたでしょう。 太田道灌も立派な武士で武将でしたが、寛正6年(1465)上洛して後土御門天皇から武蔵野の風景を尋ねられたときに 「我が庵は松原つづきの海近く 富士の高嶺を軒端にぞ見る」 とさらさらと詠んでお答えしたとされていますが、この際にさすがにいくさ場でのようなものの言い方はしてはいなかったでしょう。 あと忘れてはいけないのが方言です。 今のような共通語がなかった時代です。 江戸時代の初めに江戸城に集まった全国の大名が、おたがいのお国言葉が通じないために、お能の謡曲の言葉を使ったと言われています。 信長も秀吉も史実に忠実にやろうとしたら、名古屋弁でやらないとダメということになってしまいます。 何せまだお江戸がなかった時代です 家康も三河弁だったでしょう。 お公家さんの台詞が許せるというのは、お公家さんは京都生まれ京都育ちですから、京都弁のイメージの延長線上にあるためかと思います。 江戸時代に入りますと男女長幼身分職業で使う言葉が厳密に区分されていきました。 いわゆる武家言葉というものが定着しました。こんな狂歌があります。 世の中は左様でござるごもっとも 何とござるかしかと存ぜぬ 武家言葉をからかったものです。 武家言葉は末尾も特有でしたが単語も漢語が好んで使われました。 「なにそれ」というのも「はて面妖な」などと言っていました。 既婚女性を呼ぶときも旗本の場合は奥方(様)で御家人は御新造(様)でした。 町人はおかみさんでした。 男性も旗本以上はは殿様で御家人は旦那様でした。 聞きようによっては相当に堅苦しく聞こえます。 現在NHKが使っている共通語も元をただせば、旗本の女性が使っていた言葉です。 関西地方では関東地方の言葉遣いや共通語は堅苦しい言葉と受け取られます。 東北地方の言葉は低音で聞き取りにくいと言われます。 一方で関西弁は高音で軽薄な感じがすると受け取られます。 旧日本軍の軍隊言葉というのも広島や山口の中国弁(長州弁)を基本として作られました。 何分にも命にかかわる緊急時に命令や報告がお互いの方言でわからなかったらたいへんです。 入隊すると今まで使っていた一般社会の言葉を一切使わせんでした。 職業軍人は娑婆と違うと言ってステイタスにしていました。 花魁で有名な吉原も遊女に方言を止めさせるために廓言葉を使わせました。 日本語は方言が多様であることに加えて江戸時代からの習慣が残っていて、言葉遣いというのは使う人のイメージを決める大きな要素を占めています。 受け取り方も自分と違う言葉遣いだと違和感を覚えます。 ということで、あまり喧しいことは仰らずに時代劇を楽しんでください。
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No.1です わざわざお礼を記入頂きありがとうございます お礼の中にご希望がありましたので、参考までに説明させていただきます。 >手がかりは、やはり「能」しかなかったので・・・・。 とありますが、確かに中世は難しいですが近世(江戸時代)になりますと微かな手がかりがあります。 歌舞伎と黄表紙などと呼ばれる読み本の類です。 東海道中膝栗毛の中で町人の弥次郎兵衛が侍の真似をするシーンを会話で描写しています。 武家言葉と町人言葉を対比して描写して効果を出しています。 一部本物の武士も登場して会話をしています。 後はやや専門的といいますか一般には入手がむつかしい大奥秘記という一橋家の家臣が書き残した書籍があります。 この辺のことをを読みやすく纏めたものに下記のような書籍があります 江戸の声 話された言葉を聴く 鈴木丹士郎 教育出版社 歌舞伎につきましては、台詞や台本を抜粋したものが多数出版されています。 文字通り芝居がかってはいますが、日常の言葉とそうは掛け離れていないかと思います。 観客は当時の人達で普段耳にしている言葉でしたから、余り突拍子もないと違和感を覚えたでしょう。 確かに現代風に分かり易く言い換えてあるものもありますが、細かく見て行けば推測は可能です。 少なくても近年作られた時代劇よりは正確かと思います。 あとは浮世絵の絵の周辺に書きこまれた文章があります。 この文章は現代のコミックの吹き出しと同じ機能といいますか、絵の主題の人物の言葉として書かれているものがあります。 残念ながら、これを書きだして解説した書籍がありません。 草書の変体仮名を読むという技能が必要になります。 武家の言葉は余り多くはありません。 町人言葉は沢山あります。 中世ということになりますと、直接的なものはおそらくないのではないかと思います。 平家物語は琵琶法師が語ることを念頭において作られ、事実語っていました。 おそらく文語よりも口語に近かったと考えられます。 完全な文語では一般大衆は余り受け入れなかったでしょう。 特に登場人物の口を借りた言葉はほぼ口語だったのではないかと思います。 以上何かの参考になれば幸いです。
お礼
ichikawaさんの博学ぶりは、読んでいて楽しいです。 有難うございます。
補足
別質問の回答、「明治以降の勉強の仕方」も参考になりました。
お礼
時代劇はいいにしても、実際、どのような話し方をしているのかを 知りたくなって質問しました。 手がかりは、やはり「能」しかなかったので・・・・。 ためになります。詳しい解説を有難うございます。