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未完の作品
未完に終った作品で、私がとっさに思い出すのは、 ホフマンスタールの小説「アンドレアス」や モーツァルトの「レクイエム」などですが、 もっとありそうなことに気がつきました。 ジャンルを問いません。広く知りたいと思います。 (したがって、このカテで) 惜しまれつつ未完に終った作品。 よろしくお教え願います。
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すでに「メキシコ万歳」が挙げられていますが、同じくセルゲイ・エイゼンシュテイン監督の「イワン雷帝」も当初、3部作で製作がスタートしましたが、2部までが完成した時点で、エイゼンシュテインが死去しています。一説によればスターリン批判につながるとして、第2部の改変を余儀なくされ、その最中だったそうです。 テリー・ギリアム監督の映画「ラ・マンチャの男」は最近メイキング映像が「ロスト・イン・ラマンチャ」というドキュメンタリーとして公開されましたが、オーソン・ウェルズもドン・キホーテを映画にしようとして未完成のままになっています。 ポーランド(のちにフランス)の映画監督、アンジェイ・ズラウスキーの「シルバー・グローブ」(邦題「銀の惑星」)、「月の子供たち」というSF小説の映画化で、相当な予算を組んで撮影したが、当局の判断で製作中止になる。のちに未完成部分にナレーションを挿入したかたちで公開された(それでも2時間40分を超える)。難解な物語はともかく、美術やデザインには圧倒されます。製作中断で放置された宇宙船のセット(本編には登場せず)がUFOの着陸船に間違えられ、雑誌に掲載されたことも。ポーランドで撮影された押井守監督の「アヴァロン」にこの映画の衣装デザイナーが参加しています。 押井守監督の「GRM」(ガルム戦記)、本人は製作中断、といっていますが、SFXのテストをしただけで、中断。海外のSFX/VFX業界誌「cinefex」に人材募集の広告が載っていたのを見たことがあります。当時、そういう業界(国内ですが)にいたのですが、知り合いのディレクターの弁では「なんにもわかってねぇ」とのことで、SFXに関しては相当手探りでやっていたようです。 先頃、映画化された「アップルシード」は漫画家、士郎正宗が原作ですが、漫画そのものは書き下ろしの4巻の途中で中断、連載ものとして再開されますが、人間の進化と機械(バイオロイド)の関係をめぐるSFのはずが、ただのアクションものに転調、現在にいたるも中断されたままです(ちなみに、「アップルシード」は青心社、「攻殻機動隊」は大手の講談社でそういう関係もあるのでしょうか?)。 安部公房の小説「スプーン曲げの少年」、執筆中に死去、超能力をめぐるいろいろについて取材していたようですが、執筆中に倒れ、未完になっています。 木崎ひろすけの漫画、「少女・ネム」画・木崎ひろすけ、原作・カリブ マーレイ、連載途中で木崎ひろすけ氏が死去、30代だったそうです。漫画家を目指す高校生の女の子の話で、独特の線や「間」が特徴的だと思います。大塚英志が評価していたようで、1巻のみ発行されていた刊行に加え、増補版が刊行されました。 このような夭折した方とはやや異なりますが、未完、連載中断などになった漫画に関しては太田出版から「消えた漫画家」という本がでています。 予断ですか、未完成になりそうになった映画として「地獄の黙示録」、「ポンヌフの恋人」があげられるでしょうか。「地獄の黙示録」はドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス」にまとめられていますが、台詞を覚えてこないマーロン・ブランドやデニス・ポッパー、行き詰るシナリオ、台風で壊れるセット等々、難産だったようです。「ポンヌフの恋人」はパリ郊外に実物大のポンヌフ橋を建造しますが、予算に行き詰まり、「呪われた映画」とよばれたそうです。強いて挙げれば、当初9部作のサーガと言っていた「スター・ウォーズ」も全6作でやめるとルーカスは表明しており、旧3部作(4部から6部、新たなる希望~ジェダイの帰還)を改変しているので、未完と考えることもできるかもしれません。長文失礼しました。
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- kokoichi
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こんばんはー。 いつも楽しいコメントを拝見させていただいてます(^^) 「未完」という定義が成り立つのかは微妙なところですが、制作者(原作者)が生前に完成出来なかった作品として有名なものであれば・・ ロダンの「地獄の門」。 美術館そのものの建築が中止され、製作中止勧告が出たにもかかわらず制作費を返上してまで造り続けたのですが、ロダンの生前には鋳造される事はなかった作品です。 製作課程において「考える人」・「天使の堕落」・「アダムとイヴ」・「接吻」などの数多くの単体作品が生まれた事はまさに「神のなせる業」であり惜しまれる未完作品であると思います。
お礼
なるほど。というか、これは立派に、あり、です。寿命が尽きて未完に終った作品もあれば、時間はたっぷりと残されていたのに、どうしても完成できなかった作品もありで、これは質問中に示唆しておきました。 それはさておき、ロダンにとっての「地獄の門」は、すべてがそこをくぐり、すべてがそこから出てきた、という位置にあるのでしょうね(開かずの門であることはひとまず置いといて。さらに、質問者が彫刻というものに無知なことはもっと置いといて)。 これまた、たくさんの好ましいもの、教えていただきました。ほんとにほんとに、ありがとうございました。
補足
この場をお借りして、ひとこと。 当然出てくると思った漱石の「明暗」が回答されなかったのは意外でした。 舟橋聖一の絶筆は妖艶太閤記とでも称すべき長編で、ほとんど出来上がっていたのに惜しくも未完。 中井英夫の「蒼白者の行進」は発表の場を失って未完。この作家には未完こそふさわしい。 逆に三島由紀夫は全部きっかり仕上げてから自殺。ヤなヤツだねえ。いやみです。 てな具合に、質問者自身が回答してしまうから削除されてしまうんだよね、あたしの場合。 しかし、こうした内心の意図をはるかに超えて、回答いただいた方々にはびっくりシンフォニーの連続で、知的興奮に満ちた楽しいひと時を過ごすことができました。ひとえに感謝です。 まだ膨大な量の回答がありそうなこの手の質問の嚆矢とすべく(過去ログに総合的な質問としてのそれらしいものがなかったので)その意味で締切を少し延ばしました。失礼しました。 ポイントはまったくの気まぐれです。質問者の気持ちとしては、回答いただいた方全員が20ポイントです。「ポイントはついてもなくても良回答」←OKグー川柳出品予定作(あれば、だけども)。 このたびはおつきあいいただき、たいへんありがとうございました。
- alchera
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レオナルド・ダ・ヴィンチはひょっとして、未完の画家というべき人物かもしれません。彼についてのテレビ番組でよく紹介されますが、依頼された作品を放り出してしまったこともよくあるそうです。 見るからに未完!というものは「東方三博士の礼拝」「聖ヒエロニムス」があります。「モナリザ」も生涯手元に置き、筆を入れ続けたそうですし、ご本人の中ではひょっとして未完だったのかもしれません。 作品として残っていませんけれど、レオナルドとミケランジェロは、市庁舎の広間の壁にそれぞれ壁画を描くよう依頼されたそうです。完成すれば当代きっての画家(と彫刻家)二人の競作になるはずでした。 しかしレオナルドは(たしか)新機軸の技法を試みてそれに失敗……いなくなってしまいます。おいおい(^_^;)。一度請け負ったらもう少し努力が必要ではないのか? ミケランジェロはもっと粘り強い人物だったらしく、ばかでかい「最後の審判」や「天地創造」もちゃんと完成させていますが、未完の彫刻はいくつかあるようです。 「ドゥオーモのピエタ」 「パレストリーナのピエタ」 「ロンダニーニのピエタ」など。 しかし「ロンダニーニのピエタ」については、未完だけれども完成していると思っています。 考えてみると、絵や彫刻は、どこから未完といえるのかはっきりしないかもしれませんね。 下絵を描いただけのものから(しかしダヴィンチの二枚は作品として認められていると思いますし)、 作者は作る気があったはずだけど、スポンサーが降りてしまって一部分を作っただけで終わってしまったものとか(ミケランジェロのモーゼ像など。本当は法皇の壮大な墓の一部になるはずだったものだというし)。 短編小説なので、未完という色も薄いかなと思いますが、一時代前のミステリで「思考機械シリーズ」は、タイタニック号に乗り合わせていた作者が、6編の未発表原稿と共に沈んでしまいましたので、続きが読めなくなりました。 好きだったんだけど……勿体ない。 作品からは外れますが、「未完」というお題にこれほど相応しいものもないのではないかと思うものを最後に挙げておきます。 ……バベルの塔。
お礼
いや、お見事。最後の一行で、またしびれました。 ほかの回答の方々が、私の蒙を啓いてくださるのと好一対に、よく知られた作家の作品を斬新な視点から教えてくださり、これはこれで知的な興奮を味わうことができました。皆さん、高レベルなのには舌を巻きます。 先日、偶然に読んだのですが、レオナルドが描きかけたフィレンツェの市庁舎の壁画はすでに失われているけれども、ルーベンスにコピーがあるのだとか。錚々たるもんですね。 思考機械もなつかしい。作者のフットレルがタイタニックに乗り合せていたなんてのも知りませんでした。あらためて、多くの人材が失われたことに気づかされます。 質問した甲斐がありました。ありがとうございました。
埴谷雄高の「死霊」 作者はある時期から未完で終わることは予測していたようですが、読者には気になります。 中上健次の「千年の愉楽」 マリリン・モンローの最後の映画「女房は生きていた」も未完だったと思います
お礼
う~ん、私にとってむずかしい所が来ましたね。「死霊」は気になるけど読んでません。第一、あれ、未完だとは知りませんでした。中上さんは苦手な作家です。モンローは野生の馬を捕りに行く映画が最後かと思っていました。 いずれにしても、わざわざ回答いただき、ありがとうございました。参考にいたします。
- hiromixx
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こんにちは。 一番に思い出したのが、ベタですが 「ドラえもん」ですね。 一体、どういう結末が待っていたんでしょうか・・・? 永遠に知ることができないのが残念ですが、たくさんの夢を与えてくれた、素敵な作品ですね。
お礼
なるほど、これも未完でしたか。甥の一人がヘリが黒ずむほど読み返していて、それを横あいから拝借してぼくも一通りは読みました。「シルバー・クロス」、それから幽霊船や白鯨が出てくる漫画もありましたね。当方、あれらがなつかしい世代です。ありがとうございました。
- blue-zb
- ベストアンサー率35% (66/187)
多田かおるさんの「イタズラなKISS」はドラマにもなった漫画で人気もあったと思いますが、作者が亡くなったため、未完です。 http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%BF%A5%BA%A5%E9%A4%CAKiss
お礼
お名前も作品名も初めて知りました。若くして亡くなられたんですね。 こういう質問をしなかったら、これからもずっと知らずにいたでしょう。 オフィシャル・サイトも訪れてきました。 回答いただき、感謝です。ありがとうございました。
- Diogenesis
- ベストアンサー率49% (859/1722)
いろいろな理由で未完に終った映画というのはたくさんあるはずですが, 完成のあかつきには傑作であっただろうことを予感させる作品として セルゲイ・エイゼンシュテイン監督 『メキシコ万歳』 アンジェイ・ムンク監督 『パサジェルカ』 あたりが思い浮かびます。 いずれもスタッフの努力によって 作品として上映可能な形に仕上げられていますが, 未完成ゆえの謎めいた魅力というものもあるように思います。
お礼
映画方面は特に不案内なので、歓迎です。 ポチョムキンの監督のは題名は聞いたことがありましたが、未完でしたか。 ムンク監督のほうはお名前も初めて。検索しましたが、確かに一度見てみたくなりますね。 回答いただき、たいへんありがとうございました。
- 512mb
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手塚治虫さんの作品では火の鳥、バンパイヤ第2部、グリンゴ、ネオ・ファウストなんかか未完らしいですね。 石ノ森章太郎さんのサイボーグ009も未完らしいです。 漫画って描くのに手間がかかりますからどうしても、未完が多くなりがちかもしれませんね。 SF小説では、有名な作家にアイザック・アシモフと言う人がいるんですが その人が設定を考えて若手に書かせてた作品「電脳惑星」シリーズが未完に終わっています。 新刊を凄く楽しみにしてただけにショックでした・・・がーん。誰か続き書いて・・・。
お礼
さて、火の鳥はどこまで読んでいたか。009は天使のところでしょうね、未完は。 アシモフさんも亡くなっていましたか。 あれこれご提供いただき、ありがとうございました。
- hironyan777
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アントニ・ガウディのサグラダ・ファミリア聖堂 なんかが有名ですよね。 1882年に着工してから、122年経っているにもかかわらず、まだまだ完成には程遠いらしいですよ。 ちなみに、アントニオ・ガウディではなくアントニ・ガウディが正しい名前らしいです。
お礼
未完のまま終ったのではなく、いまだ未完という作品ですね^_^; 向こうは数百年かけて造って当たり前という世界ですからねえ。 あの独特の雰囲気を持つ建物の空間内に、一度じっさいに佇ってみたい。 回答ありがとうございました。
- coco1
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ありきたりですが、シューベルト「未完成」
お礼
>ありきたりですが とんでもない。2楽章しかないから未完成。でもそれでたぶん完成品。 いつ、どこで聴いてもいい曲ですね。ありがとうございました。
お礼
たいへん詳細な回答いただきました。ありがたいことです。知らなかった方が大半ですが、この質問の目的がその道の大家や才能を教えてもらうこと、自分の狭い見識の殻を脱ぐきっかけとすることなので、たいへん助かります。これは立派な指標になります。 添えていただいた逸話も興味深く拝読。感謝に耐えません。