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PPMレベルの不良率とQC手法
- QC手法を用いた分析資料を求められていますが、PPMレベルの不良率になっており、不良データを取ることができません。
- QC手法の出番は無くなってしまうのでしょうか?
- 実際に利用した資料を作ることは無理なのでしょうか?
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「PPMレベルの不良率」は単なる統計データであって、その対象がたとえば航空機の事故や原発の事故の発生率であれば、それが無視できるレベルにはなり得ません。まだまだ改善すべき余地はあるということです。 発生率と、それが発生した場合の損失の大きさの掛け算で「リスク」が決まります。 発生率が低いからといって、リスクが十分低減されたとは限りません。 単なる「発生率」という見方ではなく、「リスク」という観点で考えるべきです。 さらに、「QC手法(七つ道具)」は単なるツールであって、上記のような「リスク低減」を考える上での方法論の「基本の基本」に過ぎません。 「出番は無くなってしまう」のではなく、単に「機械的」に適用できるレベルではなく、どこにどのように適用するか、相当な創意工夫が必要なレベルだ、ということです。 たとえば、航空機事故や原発事故のリスクを低減するには、複雑なシステムの中の弱点をどう見つけ出すか、安価な部品であっても条件によっては重大な事故の原因となりうることをどう見つけ出すか、といったことが重要です。スペースシャトル「チャレンジャー号」の事故が、燃料系統のゴムパッキンが気温の低下でシール性能低下していたことに起因して起こった、というように。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E5%8F%B7%E7%88%86%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85 こういった分析に、基本のキとして「特性要因図」とか「パレート図」が使えないはずはありません。ただ、単純に機械的に適用してもダメで、全体の要因分析、事象進展の分析、その中で寄与の大小をどう評価するか、といった人間の側の「使いこなし術」が要求されるのです。想像力と創造力といったものでしょうか。 質問者さんの「不良データを取ろうとしても、ほとんどサンプルを取ることができません」という言い訳を見ていると、この「創造力」に欠けているようにお見受けします。 「『過剰品質になっているからもっと(品質を落として)安く作れ』というニュアンスの事が書いてあるのですが、それは机上の空論であり、とうてい受け入れられる物ではないと思っています」というのも、たとえば「パレート図」の意味するところ、それをどう活用するか、ということを理解していないのではないか、と感じます。 こと品質に関しては、機械的な手法の適用や、定型的な方法論で臨む限り、すぐに壁にぶつかります。 そうすると、「これ以上はもう無理」「これ以上は人間の能力の範囲を超える」といった「言い訳」「自己満足」で勝手にやめてしまうことが多いのです。 でも、それが必ずしも限界とは限りません。 逆に、そこをいくら追求しても全体の品質にほとんど寄与しないところに、執拗に時間とコストをかけ続けて、少しも品質は上がらない、という袋小路に入り込むこともよくあります。 上記の両面を打破するために、いろいろな観点からマクロ的・ミクロ的に見るために、「QC手法(七つ道具)」という基本ツールがあります。 ただ、あくまでツールに過ぎませんから、これを使って問題解決するには、想像力とか、品質向上に対する「熱い思い」といった「人間力」や「英知」が必要なのです。 >こじつけの資料ではなく、実際に利用した資料を作りたいと考えているのですが、この手法達では無理なんでしょうか? 上に書いたように、全然そんなことはないです。基本的なツールですから。
補足
ご回答ありがとうございました。 おっしゃる事はとてもよく分かります。 QC七つ道具は単なるツールだという事も重々承知しています。 私の質問の要旨としては、「なぜにQC七つ道具を使う事を前提にされなければいけないのか」という事です。 逆に言えば、回答者様の言われるように『これを使って問題解決するには、想像力とか、品質向上に対する「熱い思い」といった「人間力」や「英知」が必要なのです。』という部分についての書籍がほとんど見られない事、この部分のプロセスについて明示したものが巷に見られない事です。 思うに、数学で言えばQC七つ道具が四則演算であり、実際の現象が微積分のようなイメージです。 基礎がなければ解く事は絶対に不可能ですが、基礎があったとしても簡単に解ける物ではありません。 この部分について、教えていただければ幸いです。