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点電荷の運動について
点電荷の運動について質問です。 一様な電場中の電荷の運動では、糸につながれた電荷が運動する速さを力学的エネルギー保存則で求める際に、運動エネルギー、静電気力の位置エネルギーの他に重力の位置エネルギーを用いる解法が問題集にありました。 一方、点電荷の運動では、点電荷が運動する速さを力学的エネルギー保存則で求める際に、運動エネルギー、静電気力の位置エネルギーは用いていましたが、重力の位置エネルギーは用いていませんでした。 点電荷の運動では、重力の位置エネルギーを考えない理由はなんでしょうか? 教えてください、お願いします!
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補足、承りました。#3です。 >この問題で重力を考えるのは、一様な電場をかけることで点電荷が帯電するからですか? >それとも、問題文には無いものの、点電荷の質量は大きいという前提があるからですか? どちらで解釈してもいいです。物理学の問題とするため、不要なものを捨象してあると考えるとよいでしょう。たとえば、力学では「質点」という体積ゼロで有限の質量があるものを考えて、思考実験+計算を行ったりします。質点を力学だけでなく、電磁気学も含めて扱った一例が、補足で示して頂いた設問だということです。 そもそも仮想的なものである質点が帯電したと考えてもいいし、途方もなく質量の大きい荷電粒子を仮想的に考えたとしてもいいでしょう。そうせねば、力学+電磁気学で考える練習としての問題を作ることができません。 今回、例題をお示し頂いていませんが、運動の場合でも、加速度運動なら点電荷の質量がないとしてしまうと、非常に小さな電磁気力を与えただけで、速度が無限大になったりします。そういう事象を考えるときは、点電荷の質量をが誤差程度だとしてゼロとしてしまうことはできません。 例えば、磁場中を運動する荷電粒子にはローレンツ力が働きます。仮に地表での重力が電磁気力であるローレンツ力より遥かに弱くて無視できるとしても、荷電粒子の質量をゼロでない有限の値とせねば、荷電粒子の運動がどうなるかは計算できません。 http://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/b2/63/6351ro-renntu.html http://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/b2/63/6352jibakadenn.html しかし、電磁気力で釣り合っているなら(上記の最初のほうのページなら導線中の電子は導線内に拘束されている))、静止として考えることができるので、荷電粒子の質量を考える必要はありません。しかし、荷電粒子が自由に運動できる状態では、電磁気力による力に抗する力学的な力を考える必要があります。それが加速度運動によるものなら、有名な公式F=maに見られるように、ゼロでない質量を持つとしないと式が作れません。 繰り返しになってしまいますが、物理学でどういう状況について考えるかにより、考慮すべき要素が変わってくるということです。それは、運動だから、位置エネルギーだから、といったことでは決定できないのです。物理学で調べるべき状況を人工的に設定した、いわゆる練習問題、テスト問題でも同じです。解く側が必要な要素の取捨選択、追加などを行わねばなりません。 P.S. そういうややこしさがあるため、テスト問題などでときたま、必要なものが設問中で示されていないといった不適切なものが発生することがあります。これは、設問では示さずとも解答者が必要なもの(質量等)を設定しないと解けないことがよくあり(解くと答からは解答者が設定したものはなくなってしまうのが普通)、設問者が何を設問で示すべきか、勘違いしてしまうといった原因が多いです。 補足でお示し頂いたものは、特にそうではなさそうですが、図示を含む問題原文をきちんと読めば、もしかしたら不足な設問になっているかもしれません。それは補足で引用して頂いたものからは、どちらとも判断できません。
その他の回答 (2)
具体的に問題文をお示し頂かないと、具体的なことは申せません。そうではあるんですが、仰るようなことはあるでしょうね。 重力の位置エネルギーを考えるかどうかは、問題の設定次第なんです。問題集やテスト問題であれば、設問者の意図次第ですし、現実の事象を物理学的に考えるなら、何を重視して、何が無視できるかということになります。 そうしたことがあるのは、電磁気力は重力に対してけた違いに大きな力だからです。違う力なので単純には比較しにくいのですが、電磁気力は重力に対して、おおむね10の36乗倍(1の後に0が36個、1兆倍の1兆倍、さらに1兆倍)もあります。 しかし、何かを帯電させたということなら、重力も充分働くようになります。昔々、電荷の最小単位(当時よく分かっていなかったが実は電子だった)を測るため、小さな油のしずくを帯電させて、電場中を落下させる実験がありました。その実験はは、重力も考慮できるようにしたもので、帯電していない油滴と帯電した油滴の落下を比べて、電荷の最小単位を調べました(ミリカンの油滴実験)。電子そのものでなく、油滴という質量を加えたから、重力が観測可能なくらいに作用するようになったわけです。 しかし、例えば現代の素粒子加速器実験では重力は事実上考慮しません。電子や陽子を電磁場で加速するわけですが、電子や陽子では質量が小さすぎて、電磁力に対する重力の作用も小さすぎるようになり、たとえ考慮して計算しても無駄になってしまうのです(1兆分の1の1兆分の1、さらに1兆分の1になってしまうから)。 ちょっと長くなりましたが少しまとめますと、落下だから、運動だからということではありません。要は点電荷の質量が充分大きいなら重力を考慮し(何かが帯電したときなど)、質量が非常に小さいなら重力を無視するのが普通なんです(電子などの素粒子だけで考えるときなど)。
お礼
回答ありがとうございました。
補足
解答ありがとうございます。 問題集の解答で重力の位置エネルギーを考えていた問題を下に書きます。 質量mで正電荷Qの点電荷を糸につないで固定し、一様な電場Eをかけたら、糸が鉛直下方から60゜傾いたところで静止し、その点電荷を鉛直下方まで引き下げ、手を離したら点電荷が運動し、糸が鉛直下方から60゜傾いた地点に到達したときの速さを求めよという問題です。 この問題で重力を考えるのは、一様な電場をかけることで点電荷が帯電するからですか? それとも、問題文には無いものの、点電荷の質量は大きいという前提があるからですか?
- tadys
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電磁力に比べて重力は桁違いに小さい(1/10^36)ので、特に考慮を必要とする場合を除いては無視できます。
お礼
回答ありがとうございました。
補足
解答ありがとうございます。 重力は無視できるとのことでしたが、一様な電場中の電荷の運動で、重力の位置エネルギーを考える理由はなんでしょうか?
お礼
詳細な補足ありがとうございました。 理解できました、ありがとうございます。