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人間を描いた作家性・文学性の高いミステリー小説
ミステリー小説を1冊も読んだことがありません。 私は人間を描いた芸術作品が好きなので、これから純文学を中心に小説を読んでいこうと思っていたのですが、ミステリー好きの人の話を立ち聞きして、もしかしてミステリーというジャンルを誤解していたかもしれないと思い始めました。 「ミステリーは単なる謎解きを楽しむエンターテイメントだと思っていたけど、その謎解きの過程でそれぞれの人間模様を描いたり、人間を深く描いたりと、謎解きが面白いだけでなく文学性も伴っているものがミステリーだったりして?」と。 そこでミステリー小説好きの皆様に質問です。 ミステリーとは単に謎解きを楽しむエンターテイメントなのでしょうか。 それともその過程で人間を描いた作家性・文学性の強い作品もあるのでしょうか。 もし後者のようなミステリー作品(例えば感動して泣いちゃったり)or作家をご存知でしたら、教えて頂けると幸いです。 よろしくお願い致します。
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- technatama
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#6です。質問者様のリクエストにお応えして、2,3紹介します。 1991年当時、早川書房が読者を対象として、古今の翻訳ミステリで「私の好きな作品」を投票してもらったことがありました。 その結果、レンデルの作品としては、『ロウフィールド館の惨劇』がサスペンス部門で7位、全体で51位にランクインしています。 まずこのあたりからトライしてはいかがでしょうか。 更に、米英での受賞作品もいいかも知れません。 イギリス推理作家協会(CWA)ゴールド・ダガー賞 1976年『わが目の悪魔』、1986年『引き攣る肉』、1987年『運命の倒置法』(ヴァイン名義) イギリス推理作家協会(CWA)シルバー・ダガー賞 1984年『身代りの樹』 アメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀長編賞 1986年『死との抱擁』(ヴァイン名義)
- technatama
- ベストアンサー率45% (416/918)
ミステリには様々なジャンルがあります。 古典的な本格謎解きミステリから始まって、サスペンス、警察小説、ハードボイルド、ユーモアミステリなどへと広がっていったのです。 私は若かった頃から、主として海外の翻訳ミステリのマニアでした。 最初は謎解き中心の本格ミステリから入りましたが、徐々にその他のジャンルにも対象を広げていき、ほぼ全てのジャンルの代表作と言われるものは読み尽くしました。 又、国内作家のものも、海外ミステリほどではありませんが、主なものは読んでいます。 ともかく和洋合わせて、1000冊をはるかに超える読書歴です。 #1の方が推奨されるハードボイルド、#3の方の松本清張は、いずれも賛成します。 清張は、社会派推理小説という分野を確立させたという意味で、私も大いに評価している作家です。 そのような私の読書歴の中から、質問者様のご要望に十分応える作家を一人ご紹介します。 英国の女流作家・ルース・レンデルです。 処女作『薔薇の殺意』(角川文庫)こそ、ウェクスフォード主任警部を主人公とする本格推理の傾向が強いミステリ(シリーズ物になっている)ではありますが、2作目以降の『絵に描いた悪魔(角川文庫)』『虚栄は死なず(光文社文庫)』などのノン・シリーズとを交互に発表しています。 ウェクスフォード・シリーズにしても伝統的なミステリの形式を備えてはいるものの、ミステリという枠組みよりも、むしろ生きた人間を描こうという姿勢が窺えるのです。 人間心理を描くことは、レンデルのすべての作品に共通していますが、特にノン・シリーズにおいて顕著です。 日常生活を舞台に据えている点が、他の作家のサイコスリラーとは一線を画しています。 異常な出来事も日常から切り離された存在ではない、些細な出来事が平穏な日常生活の裏側から狂気を手繰り出すのです。 平凡そのものと思える人間から激情が発せられ、後はひたすら転がり落ちていく。 狂気と正気のバランスの危うさと、バランスを崩して狂気が生成されていく過程を克明に描き出しています。 彼女は、多くの作品で、英国・米国のミステリ賞を獲得し、その名声を確立していきました。 別名義のヴァーバラ・ヴァインを使って、純文学志向を強く打ち出した人間心理の交錯するところに謎を秘めたタイプの作品を並行して発表するようにもなりました。 初期のころは薄い文庫本程度だった作品が、後期になるにつれて次第に膨れ上がり、ヴァイン名義のものなど、かなり分厚くなってきて、読み終わるのに時間がかかるようになって来ました。 具体的な作品名 『死が二人を別つまで(創元推理文庫)』(ウェクスフォード) 『運命のチェスボード(創元推理文庫)』(ウェクスフォード) 『死のひそむ家(創元推理文庫)』(ノン) 『死を望まれた男(創元推理文庫)』(ウェクスフォード) 『罪人のおののき(創元推理文庫)』(ウェクスフォード) 『もはや死は存在しない(角川文庫)』(ウェクスフォード) 『悪夢の宿る巣(角川文庫)』(ノン) 『ひとたび人を殺さば(角川文庫)』(ウェクスフォード) 『偽りと死のバラッド(角川文庫)』(ウェクスフォード) 『緑の檻(角川文庫)』(ノン) 『指に傷のある女(角川文庫)』(ウェクスフォード) 『わが目の悪魔(角川文庫)』(ノン) 『ロウフィールド館の惨劇(角川文庫)』(ノン) 『乙女の悲劇(角川文庫)』(ウェクスフォード) 『死のカルテット(角川文庫)』(ノン) 『地獄の湖(角川文庫)』(ノン) 『乙女の悲劇(角川文庫)』(ウェクスフォード) 『仕組まれた死の罠(角川文庫)』(ウェクスフォード) 『荒野の絞首人(角川文庫)』(ノン) 『マンダリンの囁き(ハヤカワミステリ)』(ウェクスフォード) 『殺す人形(ハヤカワ文庫)』(ノン) 『身代りの樹(ハヤカワ文庫)』(ノン) 『無慈悲な鴉(ハヤカワミステリ)』(ウェクスフォード) 『引き攣る肉(角川文庫)』(ノン) 『死との抱擁(角川文庫)』(ヴァーバラ・ヴァイン名義) 『運命の倒置法(角川文庫)』(ヴァーバラ・ヴァイン名義) 『死を誘う暗号(角川文庫)』(ノン) 『惨劇のヴェール(角川文庫)』(ウェクスフォード) 『階段の家(角川文庫)』(ヴァーバラ・ヴァイン名義) 『石の微笑(角川文庫)』(ノン) 『求婚する男(角川文庫)』(ノン) 『哀しきギャロウグラス(角川文庫)』(ヴァーバラ・ヴァイン名義) 『ソロモン王の絨毯(角川文庫)』(ヴァーバラ・ヴァイン名義) まだまだ出版されているのですが、とりあえずここまでご紹介しておきます。
お礼
ありがとうございます。 「ミステリーを語らせたら私は負けない」という意気込みが伝わってきますw。 ひとまずノンシリーズを読みたいと思いますので、もしノンシリーズの中で特にオススメがありましたら2~3冊教えて下さい。
無くはないけど数は少ないし、謎解きの説明が詳しいければ詳しいほど余韻に欠けるぶん、謎解き後のお話が蛇足めいて成功していないことが多いです。 これしかないということではありませんが、いくつか挙げると、こんなのがあります。 ロバート・ゴダード作『千尋の闇』。 ローレンス・ノーフォーク作『ジョン・ランプリエールの辞書』。 セバスチャン・ジャプリゾ作『長い日曜日』。 ドロシー・L・セイヤーズ作『ナイン・テイラーズ』。 泡坂妻夫作『砂時計』。
お礼
ありがとうございます。 チェックしてみます。
- 31192525
- ベストアンサー率19% (704/3540)
Conflict20さん、こんにちは。 では文芸作家、哲学者のミステリー作品を。 『薔薇の名前』 ウンベルト・エーコ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%94%E8%96%87%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%89%8D 『維納の殺人容疑者』佐藤春夫 http://chapcolo.blog97.fc2.com/blog-category-180.html 『黄昏のベルリン』 連城三紀彦 推理作家もなかなか健闘していますよ。 『ネヌウェンラーの密室』『神の子の密室』 小森健太朗 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%A3%AE%E5%81%A5%E5%A4%AA%E6%9C%97 『オイディプス症候群』など 笠井潔 (光文社) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%A0%E4%BA%95%E6%BD%94 『夢果つる街』 トレヴェニアン http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%B3
お礼
ありがとうございます。 ミステリーはミステリー作家しか書かないというイメージがありましたが、そういうわけでもないんですね。 チェックしてみます。
- heisenberg
- ベストアンサー率23% (591/2556)
それでしたら、松本清張でしょうね。 彼を外す訳にはいかないでしょう。 まず、「ゼロの焦点」から読み始めてはいかがでしょうか。 夢中になること、請け合いです。 それから、彼の他の作品に移ってください。 日本のミステリー小説の世界を「清張以前」「清張以後」に画すほどの、偉大な作家です。 僕は、日本文学では、高橋和巳と松本清張以外には興味がありません。ヾ(^ω^)
お礼
ありがとうございます。 チェックしてみます。
- hp_1200
- ベストアンサー率53% (106/200)
好みに合うか分かりませんが、小説家の名前を挙げるなら 奥泉光、笠井潔、桐野夏生、高村薫、舞城王太郎 その他の小説家の作品では 平野啓一郎「決壊」、中村文則「悪と仮面のルール」、大岡昇平「事件」
お礼
ありがとうございます。 上段の作家でオススメの作品がもしありましたら教えて下さい。
- Toxicshock
- ベストアンサー率39% (108/271)
大雑把な考え方ですが、ミステリの中でも、所謂ハードボイルド探偵物は、深い人物描写が為されている事が多いと思います。 ハードボイルドを醸し出す方法としては、暴力的な描写を散りばめるか、登場人物の内面を描き出すかのどちらかが一般的な手法ですが、後者に重きを置いた作家のものには、秀逸な人間物語も多いと感じます。 作家で言うと黎明期のダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラー、その後に登場してきたロバート・B・パーカー、ローレンス・ブロックあたりが、よく人物を描けていると思います。 個人的には、ローレンス・ブロックのマット・スカダー物が好きです。
お礼
ありがとうございます。 もしオススメの作品などもありましたら、教えて下さい。
お礼
ありがとうございます! ひとまずそれらの作品を読んでみることにします。