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奈良・璉城寺の阿弥陀如来像の印相について
- 奈良・璉城寺の阿弥陀如来像の印相について教えてください。
- 璉城寺の阿弥陀如来の左手は与願印といえそうですが、右手は輪を作っているので施無畏印ではないですね?
- 同じような印相の仏像はほかにもありますか。
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まず「九品(くぼん)」について説明しましょう。 出典は『観無量寿経』です。くわしいことは同ワードでネット検索 してください。 簡単にいうと、阿弥陀仏の極楽浄土は、たとえていえば9階建て のマンションで、 下から上まで九つの階があって、一番下が「下品下生(げぼんげしょう)」 インターフォン(内線)で阿弥陀様のお声が聴ける境地から、 一番上の「上品上生(じょうぼんんじょうしょう) 」は、仏の教えを直に 受ける境地ということになっています(観無量寿経では)。 さて、璉城寺の阿弥陀如来は、立像(りゅうぞう)半裸身の如来像で、 右手は施無畏印(ただし、変則の印相にみえます)、左手は与願印の ようにみえます_というのは、実像をみていなくて、ネットの不鮮明な 画像から判断しました_。 施無畏、与願印ともに、もともとは釈迦如来像の印相です。 しかし、それでは阿弥陀如来像と区別がつかず、また、指で丸をつくる のは、約束のサインといっていいでしょう。 指で丸をつくることで、 オッケー。行くからよろしく、と、いってるわけです。 そこで、最初の九品に戻ると、施無畏、与願相は、「上品上生」をあら わし、立像は、すぐに迎えに来ることを表現しています。 鎌倉時代の如来像ですから、一般庶民にも分かりやすい姿をとったのでしょう。 ちなみに、 女人裸形阿弥陀仏というのは、今風にいう「ネタ」です。 だって、胸ふくらんでないでしょう? もうひとついうと、極楽に女性はいません。 みんな「男」になって往生すると、 法華経に書いてあります。 個人的には、 女んがいてもいいじゃないか_と、おもいますが。
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>璉城寺の阿弥陀如来の左手は与願印といえそうですが、右手は輪を作っているので施無畏印ではないですね? 右手・・・・胸の前。掌は外向き。指で輪は作っていない。 ということからすれば、施無畏印と思われます。 与願印と施無印はよく似ていますが、少しづつ違います。 与願印:手を下げ、掌を正面に向けた印です。 左手を与願印とするケースが多いとされています。 施無印:手を胸の前に上げ、掌を正面に向けた印です。 右手を施無印とするケースが多いとされています。 >また左肘を大きく曲げています。 となっていますが、右手を胸の前に持ってくるために肘を曲げておられませんか? 左手は手を少し前へ出すために軽く肘を軽く曲げておられませんか? 左手・・・・腰の前。掌は外向き。親指と人差し指で輪を作っている。 左手は指先を下に向けて掌をこちらに向けておられませんか? 下品を表します。 親指と中指を軽く触れておられるのではありませんか? 中生を意味しています。 人差し指は親指の陰になっていて見にくいかと思います。 下品中生というのは、臨終の際に蓮台を持った仏と菩薩が迎えに来るクラスを表します。 施無印というのは、畏(おそ)れることのない状態・力を人々に与えることを示す印です。 このお姿を総合すると、女人も成仏できるのであるから畏れることなく(私=阿弥陀如来)を信じなさい、さすれば極楽で蓮台に座らせてあげましょう、と語りかけていることとなりなす。 璉城寺の説明に、尊像に礼拝し南無阿弥陀仏と称えれば必ず浄土の蓮台へ契りを結ばせて頂ける、となっていませんでしたでしょうか。 >同じような印相の仏像はほかにもありますか。 あるでしょう。 仏像の姿が多様化するのが鎌倉時代です。 阿弥陀如来が立像となるのも鎌倉時代です。 全国を探せば、施無印と来迎印の組み合わせたものはあると思います。
お礼
回答ありがとうございます。 >右手・・・・胸の前。掌は外向き。指で輪は作っていない。 とかいているのに >右手は輪を作っているので施無畏印ではないですね? と矛盾したことを書いてしまっていました。 すいません。 右手は輪をつくっていないが正解です。 施無畏印ですね。 >左手は手を少し前へ出すために軽く肘を軽く曲げておられませんか? 左手はほかの阿弥陀如来などと比べて 曲げている角度が大きいと思います。 (手元にある栞の写真を見ています。) 左手は人差し指をまげて伸ばした親指とあわせて 輪を作っていると思います。 中生は中指と親指で輪をつくるようです。 上生は人差し指と親指で輪をつくるようなので、上品ではないかと思います。 http://jodo.or.jp/naruhodo/index8_2.html しかし下品中生の意味、施無印の意味などよくわかり、大変参考になりました。
お礼
回答ありがとうございます。 璉城寺の阿弥陀如来は施無畏与願印ですか。 いろんな変則の仏像があるようですね。 一応のルールはあるけれど、仏師は自らの発想で自由に仏像を作っていたのかも。 たしかに、胸はふくらんでいません。 ですが女身と伝わっているようですね。 >みんな「男」になって往生すると、 法華経に書いてあります。 ほかの経典はどうなっていますか。 それとも法華経にしか、往生する際の性別については記されていないんでしょうか。