マーケティングをなめてはいけません。
こうしたらすぐにわかる、このやりかたでどうだ、などと考えるなら頭をひやしてください。
この手のことを教えます、熟成は市場は全部自分のものになるというようなことを言っている電子教材と塾があります。
メールマガジンで呼びかけてくるかもしれません。
決してそんなものにお金を払わないことです。
考える訓練をしましょう。それだけです。
たとえば、Aという商品が売れていると言う情報があるとしますね。
素人は、それなら、と考えてAを大量に仕入れて、あまり売れないで不良在庫で苦しんだりするのです。
柳の下にどじょうがどっさりいると勝手に期待するからです。
Aがなぜ売れたかというのを分析できるかどうかが問題です。
その理由がわからなければ同じことを繰り返し、仕入れのお金で困り在庫に苦しめられます。
実例で言うと簡単です。
ある大学の生協で、その大学のマークのついた30センチの定規がいきなり売れ出して、いくら仕入れても品切れになったことがあります。
大学の横に店を出しているコンビニみたいなところがあった。
ここは分析をはじめた。
マークのつかない30センチの定規は自分のところで売れているかどうか。
なるほど売れている。だったら大学マークはあまり関係ないのだろう。
20センチの定規は売れていない。なぜだ?
気がついたら、なぜか売れ残りの子供用の小さい鯉のぼりも最近売りきれた。
ここで無神経に30センチ定規を仕入れ続けたら、どこかでピタリと止まります。もう売れない。
だって定規は腐らないから、一度買った人間はもう買わない。
ここで問題です。本当に30センチの定規は需要があったのか。つまり30センチの、定規としての需要があったのか、です。
大学の隣の店は、ドラッグストアであり文具も置いています。
店長は大学構内を散歩してみた。
あることに気付いた。そして直後に大儲けをしました。
30センチ、定規というのは需要はなかったのです。それで代用されたのです。欲しいものは別にあったのです。
大学の学生たちが妙な動作でうろうろしている。体をひねるような、跳ぶような。
やぶ蚊かノミかわかりません。何かの虫がかれらにとりついているのです。
そう見た文房具店は、孫の手をたくさん仕入れました。鯉のぼりは売り切れたのでもう入れない。
そしてかゆみ止めのクリームも仕入れた。
虫よけスプレーも仕入れた。
これらを一袋にいれて、福袋みたいにして安売りしました。
学生たちは長い列を作ってこれを買いました。
定規を買った人間は絶対買います。
なぜなら、解決する次善策というか一時しのぎに定規を買ったのですから、そもそも孫の手需要があるのに、ものがない人たちなので。
需要があるのに供給が払底している=ブルーオーシャン状態です。
こういうことをするのがマーケティングというものです。
誰かが詳細に教えてくれると思わないで自分の頭を使いましょう。
いま思い出しましたが、「えいじ」さんと言う人がいて、ニーズを得るためのずらしのテクニック等を無料で教えていました。
今年の話です。その話の中のエピソードを紹介しておきましょう。
「モンスターハンター4完全攻略」などというキーワードで記事を書いたら、クリックはたくさん稼げる。
で、クリックされた先にモンハン4のソフト販売バナーがあったら売れるか、と言う話です。
完全攻略したい人間はモノは持っているはずなのです。売れるわけがない。
持っていない人間は完全攻略のリンクをクリックするわけがない。
無意味な記事なのです。
「海外産のミルク」だったかをキーワードにして思い切り売ったものがあった。
九州産の天然水サーバー。どこがミルクとかんけいするか?
放射能騒ぎのとき、こどもに飲ませるミルクが危ないんじゃないかと親は皆心配した。それで海外から輸入とかの話も出ていた。
親たちは解決法が思いつかないまま不安なキーワードで検索した。
そして解決法がそこにどんぴしゃりで存在していたので契約に走ったのです。
九州産の天然水が毎日届くのであれば安心して授乳できる、そう思ったひとたちが。
ご紹介だけ。もちろんこの人には有料教材もありますが、有料なものは買う必要ありません。
マーケティングというのはこういうことです。目の付けどころが勝負です。
売れる商品のリストなんていうものを得て、柳の下の泥鰌を追いかけていたら、勝ち組にはなれませんよ。