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国の借金は本当に将来世代へのツケになるのか
国の借金が将来世代へのツケだと言う人がいますが、以下の理由よりこの表現に疑問を感じます。 (1)過去の国の借金を国民の税金で返した例がない (2)多くの国で、国の借金は増加を続けているが、ほとんどの場合、名目GDP比でみると増えていない。日本はGDP比も増えているが、内閣府の予測だと今後はGDP比はほぼ一定になるとのこと。 増税など全くしなくても、経済成長で名目GDPが増え、その増加速度が国の借金の増加速度と同程度であれば、借金のGDP比は増えませんから、将来世代へのツケということにならないと思いますが如何ですか。
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- at9_am
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なんだか支離滅裂なのですが大丈夫なんでしょうか。 本当に聞いたのかという以上に、電話をして聞いた内容が理解できているのかとても心配になります。 > プライマリーバランスに入れるのは国債費の中の利払い費だけであって、償還の部分は入れないとのこと。 この内容が正しいとして、つまりは償還費は入らないんですよね? 償還費がゼロではない以上、財政収支と基礎的財政支出は異なるはずです。 しかも歳出の方は言っているけれども歳入は何も言っていません。 財政収支とプライマリーバランスが一致するということを言いたいのであれば、支出側と収入側のズレが必ず一致するか、或いは両方ともずれないことをいわなければならないのですが。 さて、財務省の方が言った国債費が償還分だけというのは一般会計の繰入額(法定基準)が前年度末国債残高の1.6%(おおよそ1/60で償還分とほぼ等しい)であることを指して言っているのだと思いますし、その意味では正しいです。が、他会計からの受け入れや借換債の発行があって利払いと償還を行っている以上、一般会計分が償還にのみ使われているとするのはかなり恣意的です。「ということにした」以上の意味はありませんね。 しかも、利払い費がプライマリーバランスに入っているというのはかなり意味不明です。もし利払い費がプライマリーバランスに入っているなら、一般会計より受け入れが国債費と一致している以上、利払い費分の移転が国債整理基金特別会計の歳入のどこかに書かれているはずです。 しかし、そのようなものはどこにも書かれていません。 因みに今年度一般会計予算をみると 税収+その他収入=54.6兆円 国債費以外の歳出=72.6兆円 となっており、差引18,0兆円が基礎的財政収支(プライマリーバランス)として記載されています。プライマリーバランスには入っていません。 > 40兆円の財政赤字でどうして債務残高がそれ以上増加するのでしょう。 言っている意味が良く分かりません。 何故GDP比を計算する際に、前年度のGDPをそのまま据え置いているのでしょうか? もう少し計算を分かりやすく書けば、 500兆円×275%+500兆円×8%=1,375兆円+40兆円=1,415兆円 500兆円×1.03=515兆円 1,415兆円÷515兆円≒275% です(正確に書けば275%よりもコンマ何%か小さいですが)。 > GDPが500兆円であれば40兆円の財政赤字ですから超インフレ予算です。 > 40兆円の赤字予算なら、税収はそれなりに増えます。 今、正に40兆円の赤字予算なんですが。 今年度の一般会計予算は、国債発行が41.2兆円(赤字国債だけでも35.2兆円)となっています。 これは今年だけではなく過去10年位は毎年この位の数字が並んでいます。 でも去年までデフレだと大騒ぎしていましたし税収も増えていませんね。
- at9_am
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名目GDPが成長し、GDP比債務残高が一定ならば、債務残高自体も増加しているはず、というのも良いですよね? 通常の意味での財政収支は歳出と歳入の差であり、歳入には国債発行を含まないものが一般的には多く使われています。例えば http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/006.htm で発表されている数字は国債発行を含みません。 > 基礎的財政収支(きそてきざいせいしゅうし, Primary balance)とは、政府会計において 、過去の債務に関わる元利払い以外の支出と、公債発行などを除いた収入との収支 と質問者氏も調べて分かったんですよね? 要するに、プライマリーバランスは財政収支から元利払いと公債発行を除いた部分だということです。 したがって、プライマリーバランスと財政収支は一般には一致しません。 > 国債を10兆円売って資金を得て、その資金で10兆円分償還したとき、それはプラスマイナスゼロでプライマリーバランスには関係ない。償還した10兆円分だけ支出に入れたらおかしい。 償還費は財政収支の歳出には含まれますが、国債発行自体、上述のように歳入に含まれないのが普通です。 そもそも国債を発行したり償還したりはプライマリーバランスには含まれません。 同じような間違いを > 借換債は115兆円も発行しているのですから、これもプライマリーバランスに支出として入れば、すさまじい赤字になります。 でもやっていることから、全く理解していないということは分かります。 少しは勉強して下さい。 > もし内閣府のプライマリーバランスの計算で、国債費の中の償還にあてる部分を組み入れているとしたら 一般会計の予算書位は見ましょう。 プライマリーバランスに国債費は入っていません。
お礼
>一般会計の予算書位は見ましょう。 プライマリーバランスに国債費は入っていません。 早速財務省(3581-4111)に電話して確認してみました。主計局歳入国債係の方が答えてくれました。プライマリーバランスに入れるのは国債費の中の利払い費だけであって、償還の部分は入れないとのこと。信じない場合は財務省に電話して下さい。 >> 国債の利子が0%ならプライマリーバランス=財政収支でしょうか。 >いいえ。利払い分はなくても償還分の国債費は常にかかるので、プライマリーバランスと財政収支は一致しません。 ということで、国債の利子が0%ならプライマリーバランス=財政収支ですね。さて、元も問題に戻りましょう。 >前回も少し書きましたが、国債の利子が0%であっても、3%のインフレ(GDPデフレーターで!)を達成できたとしても、プライマリーバランスがGDP比8%のマイナスでは債務残高はGDP比275%程度まで上昇します プライマリーバランスがGDP比8%のマイナスということで、財政収支がGDP比8%のマイナスということでしょう。GDPが500兆円であれば40兆円の財政赤字ですから超インフレ予算です。3%のインフレ下で行う超インフレ予算です。 債務残高=500兆円の275%=1375兆円 実質成長率が0%で名目成長率が3%、債務残高の増加は3%で41.25兆円 40兆円の財政赤字でどうして債務残高がそれ以上増加するのでしょう。40兆円の赤字予算なら、税収はそれなりに増えます。公共投資しても、会社への発注が政府からかかりますから、消費税、所得税等は必ず増えますね。なんだか分からなくなりました。どんどん進む前に、どこで話がおかしくなったか検討して頂けますか。
- at9_am
- ベストアンサー率40% (1540/3760)
> 名目GDP成長率は何%になるのでしょう。 そのケースでは実質成長率ゼロを仮定しているので3%ですね。 > 債務残高がGDP比275%のとき、債務残高は1年で何%増えますか。 GDPが3%増えていて、債務残高のGDP比が変わらないなら、債務の伸びは3%に決まっているではありませんか。 > 国債の利子が0%ならプライマリーバランス=財政収支でしょうか。 いいえ。利払い分はなくても償還分の国債費は常にかかるので、プライマリーバランスと財政収支は一致しません。 用語は一般的なものしか使っていませんから、少し位は勉強して下さい。
お礼
>いいえ。利払い分はなくても償還分の国債費は常にかかるので、プライマリーバランスと財政収支は一致しません。 これは間違いだと思います。プライマリーバランスの定義をみてみましょう。念のために3箇所から引用します。 〇基礎的財政収支(きそてきざいせいしゅうし, Primary balance)とは、政府会計において 、過去の債務に関わる元利払い以外の支出と、公債発行などを除いた収入との収支で ある http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9A%84%E8%B2%A1%E6%94%BF%E5%8F%8E%E6%94%AF 〇基礎的財政収支(プライマリーバランス)の用語解説 - 国債 発行による借金を除いた税収など正味の歳入と、借金返済のための元利払いを除いた 歳出の収支。 http://kotobank.jp/word/%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9A%84%E8%B2%A1%E6%94%BF%E5%8F%8E%E6%94%AF%EF%BC%88%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%EF%BC%89 〇財政収支から利息収入および金利払いを除いたもの。プライマリーバランスと呼ばれ、当年の必要経費を税収等でどれだけ賄えるのかを表す。 http://ecodb.net/ranking/imf_ggxonlb_ngdp.html 償還分、つまり元利払いの分はプライマリーバランスから除かれています。 国債を10兆円売って資金を得て、その資金で10兆円分償還したとき、それはプラスマイナスゼロでプライマリーバランスには関係ないでしょう。償還した10兆円分だけ支出に入れたらおかしい。国債費の中の償還分とは何かと言えば、国は毎年一定の割合で償還して、借金を返している姿勢を国民に対し見せているだけ。でも新たな借金をしてそれで返しているので、見せかけだけです。10兆円の借換債を発行して償還するのと何の変わりがありませんので予算委員会でも、こんなこと止めた方が良いと追求されたこともあります。もし内閣府のプライマリーバランスの計算で、国債費の中の償還にあてる部分を組み入れているとしたら、それは国際的なプライマリーバランスの定義とは異なるのではないでしょうか。そのあたりはどうなっているのでしょうか。 借換債は115兆円も発行しているのですから、これもプライマリーバランスに支出として入れば、すさまじい赤字になります。国債費の中で償還分は10兆円でも20兆円でも自由に決められるわけで、その額を適当に選べばプライマリーバランスは赤字にも黒字にも自由にできます。要するに勝手な定義ができることになります。その点はどのようにお考えでしょうか。
- at9_am
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なんだか外国や日銀の話に発散させたいようですが、面倒なのでその辺りには触れません。 > プライマリーバランスで議論しようと思えば、債務にかかる金利の詳細まで調べなければならないのでしょう。 為替レートの影響を除けば、期末債務残高に関係するのは、今期発生した債務と、前期以前からの残高にかかる利子支払いだけです。GDP比で議論するための調整は入れますが、債務の金利支払先や長期と短期の比率や金利差といったものその他は関係しません。関係するものがあるというのであれば、具体的に示して下さい。 > インフレが進めば、政府債務のGDP比はみるみる減ってくるでしょう。 前回も少し書きましたが、国債の利子が0%であっても、3%のインフレ(GDPデフレーターで!)を達成できたとしても、プライマリーバランスがGDP比8%のマイナスでは債務残高はGDP比275%程度まで上昇します。 つまり、質問者氏の言うように、国債を全て日銀が引き受けて利払いを全額国庫に還流させることにし(つまり国債の利払い費が実質ゼロ=利率ゼロ)、政府目標の2倍以上のインフレ(現在の政府目標ではGDPデフレーターベースでは1.3%程度)を達成したとしても、債務残高は減りません。当分は増え続けます。 GDPデフレーターで3%ということは、消費者物価指数では5%か6%位の高インフレ率になるはずです。日本では過去30年に経験がないレベルであり、海外ではインフレを抑制しなければ中央銀行総裁の首が危うい位の率です。 ということで、現実的な解としてGDP比でみた債務残高減らすにはプライマリーバランスの改善が必須ですが、これは税収から歳出に振り向ける金額を減らすというのと同義ですから、発行した時点から見て将来世代へのツケに他なりません。
お礼
>前回も少し書きましたが、国債の利子が0%であっても、3%のインフレ(GDPデフレーターで!)を達成できたとしても、プライマリーバランスがGDP比8%のマイナスでは債務残高はGDP比275%程度まで上昇します。 その場合、名目GDP成長率は何%になるのでしょう。債務残高がGDP比275%のとき、債務残高は1年で何%増えますか。国債の利子が0%ならプライマリーバランス=財政収支でしょうか。
- at9_am
- ベストアンサー率40% (1540/3760)
なんだか一生懸命切り張りしたみたいですね。 特にデータを加工したわけでもないようですから、参考urlで書けばよいだけなのに、ご苦労様なことです。 しかも見難いことこの上ないですね。 更に言えばベネズエラとトルコは債務のGDP比だけですがインドは財政赤字(なぜ返済や利払い費も含んだベースなのだろう?)を書いていることや、インドの債務はGDP比だが財政赤字は額でGDP比ではないなど、非常にちぐはぐですね。 さて。 ベネズエラ、インド、トルコについて色々言っているようですが、例えばベネズエラの2003年は単にドルベースでのGDPが減ったからですね。因みに、減った理由の大部分は為替レートの変動です。 ベネズエラの政府債務は外貨建てが多いですから、単に為替レートが変動しただけです。インドもそうですね。 因みに、トルコは基礎的財政収支は2004年以降、リーマンショックの2009年以外は全てプラスです。 一つ一つの国について細かく述べるのは煩雑にすぎるためしませんが、日本のような経済大国(いわゆる小国の仮定が妥当ではないという意味で)・内国債中心・デフレ・GDP成長は停滞気味の国と、途上国(いわゆる小国が妥当だという意味で)・外国債中心・高インフレ・GDP成長率は一般に高い国を、単に政府の赤字と政府債務のGDP比だけ見て比較するのはあまりにも妥当性を欠いています。 しかもベネズエラのような産油国・一次産業中心の国と日本のような資源輸入国・二次産業中心の国を同列に考えるのは、どう考えても妥当ではないですね。 日本とベネズエラ、トルコ、インドとは完全に異なる点はいくつもあります。 例えばそれらの国ではインフレが進んでも利率が反応せず利払い費が増えないのに対し、日本の場合にはインフレが進めば利率が反応して利払い費が増える、という点です。 他にも、例えば為替レートを変更しても債務のGDP比は日本の場合には影響がありません(分母・分子が同じ割合で増減する)が、その3国のような外国債中心の国はどちらか一方だけが影響を受ける、という点です。 F1のことを述べるのに、タイヤがついているからといってトミカのミニカーやミニ四駆を引き合いに出すようなものです。違い過ぎて妥当な比較ができません。 因みに言えば、インドのプライマリーバランスはGDP比2-3%の赤字ですが、このレベルであればアベノミクスで目標としている成長率・インフレ率でもGDP比で債務が減っていきます。 > 財政赤字が続いても、債務のGDP比は減ることがあるわけで、そのような経済を記述する計量モデルが必要ですが、どうでしょう。 財政赤字でも債務のGDP比が(少なくとも短期的には)減ることがある、というのは、何度か示しました。 質問者氏の言っているような各国の状況も、一般的なモデルで記述可能です。 どのようなモデルであっても、少なくとも次の2式 債務残高 = 前期債務残高 + (新規借入-返済) + 利払い費 名目GDP ≒ 前期名目GDP×(1+インフレ率+実質成長率) は成り立つはずです。 ここから極限において GDP比債務残高=(1+インフレ率+実質成長率)÷(インフレ率+実質成長率-利子率)×GDP比プライマリーバランス(赤字額) となります。 勿論、非現実的な値、例えばインフレ率100,000,000,000,000,000%で利子率0、実質成長率100,000,000,000,000,000%を入れるとプライマリーバランスがGDP比で100%の赤字でも債務残高は100%程度で収まりますが、ほとんど意味がないですね。 因みに、インドの成長率は実質で大体5%程度、インフレ率は15%程度、利子率が8%程度、債務の対GDP比は7%程度なので、上記の計算では70%程度になります。成長率やインフレ率を精密に調べなかったんですが、大体良いところですね。 日本の場合には、そもそも実質成長率5%やインフレ率15%なんて望むべくもないですし、実質成長がありインフレであれば利子率はインフレ率よりも高くなるのが普通です。 瞬間的には達成できるかもしれませんが、単年度で200%が70%に減るわけでもありません。それなりに長期間かかります。
お礼
>他にも、例えば為替レートを変更しても債務のGDP比は日本の場合には影響がありません(分母・分子が同じ割合で増減する)が、その3国のような外国債中心の国はどちらか一方だけが影響を受ける、という点です。 為替ですが、全部は調べていませんが、通貨安が進んでいるのではないでしょうか。その場合は外国国債の割合が高ければ、日本と違い自国通貨でみれば債務は増加するはずです。 >因みに言えば、インドのプライマリーバランスはGDP比2-3%の赤字ですが、このレベルであればアベノミクスで目標としている成長率・インフレ率でもGDP比で債務が減っていきます。 プライマリーバランスで議論しようと思えば、債務にかかる金利の詳細まで調べなければならないのでしょう。それに中央銀行が債務の一部を買い取った場合は、また事情が変わってきます。これはすでに話しましたが、納得して頂けてないのでしょうか。日本でも日銀がどんどん国債を買い進めれば、日銀を通じて金利は国庫に戻ってきます。日銀の国債保有高が増えているのに国庫納付金は増えていないという質問がありました。しかし、金利は下がっており、国債保有高が増えても「金利×国債保有高」が一定になっているのではないかと思われます。しかし最近は国債保有高の増加で日銀の剰余金が増えてきたようです。 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL280TY_Y4A520C1000000/ 日銀が28日発表した2014年3月期決算は、企業の最終利益にあたる剰余金が前の期比26%増の7242億円だった。量的・質的金融緩和で大量の国債などを買い入れたことで保有資産の利息収入などが増加。 日銀が国債を全部買い取ってしまえば、利率などどうでもよくなるわけでしょう。実際最近は財務省の中でも日銀に国債を全部買い取らせろと言っている人がいるようで、大変よい傾向だと思います。その結果インフレが進めば、政府債務のGDP比はみるみる減ってくるでしょう。30年以上、財政悪化に苦しんだ日本ですが、悩みが一気に解決です。
- at9_am
- ベストアンサー率40% (1540/3760)
> これだけの大赤字を出していても債務のGDP比は僅か57.3%にしかならない。 わずか5年か6年でね。 ベネズエラの財政は2007年以前の10年平均で年 6 億ボリバルの赤字であり、2007年のGDPが5,000億ボリバル程度だったことを考えれば、0.1%強でしかありません。リーマンショック後の2008年以降は景気が悪化し、2009年以降は年平均で年2,440億ボリバルの赤字となっています。2013年の名目GDPが23,000億ボリバル程度であることを考えると、10%強です。しかも現在、赤字もインフレも高い水準になるので、直近の2014年では更に高い数字になっています。 政府債務のGDP比は、当面高い速度で増加し続ける見込みです。 一方、日本の政府債務は40年近くにわたっての積み重ねであり、バブル崩壊からカウントしても25年近い積み重ねです。 > 内閣府のモデルだと、赤字を続けていると債務のGDP比は果てしなく増えるようになっている。だから債務のGDP比が説明できない。 どのモデルでもよいですけれども、赤字が続けば債務の絶対額は増える。これはよいと思います。 GDPの自律的な成長率よりも赤字のGDP比が高ければ、当然GDP比でも(短期的な凸凹は兎も角)増える。これも当然ですね。 続けていけばGDP比で測った債務残高は、計算上増えます。 今後も歳出は社会保障費を中心に増え続けることが予測されていますが、現在の財政赤字が40兆円~45兆円とGDP比8%~9%となっており、成長で賄える範囲は大きく超えていることなどから、大規模な財政改革なしにはGDP比で測った債務残高は増え続けるのは当然です。 因みに、インフレ率3%、赤字がGDP比8%、利率1%で計算すると、大体640%ちょっとで止まるので、果てしなくではないですね(内閣府の計算ではその途中の400%位までしかやっていませんが)。 > 乗数の計算は次のように行います。<略> 得々と書かれていますが、はっきり言ってムダな努力をしているようにしか見えません。 複雑にするのは簡単ですが、モデルは見やすく作るものです。加えて、何をオミットし何を仮定したかは自分で理解しておかなければ、「単にやってみました」というだけに終わってしまいます。 私のモデルでは実質成長率、インフレ率、利率などをオミットし、端的に債務残高とGDPとの関係を見やすいように組んでいます。その他の様々な効果を入れるのは難しくありませんが、効果がごちゃごちゃとして見難くなるだけです。 質問者氏のモデルでは動学モデルを使っているようですが、はっきり言って時間のムダです。 定常状態に向かうまでのパスはさして重要ではなく、定常状態のみが重要なため、静学モデルで充分です。 動学モデルの方が優れているのは、パスの問題のような定常状態以外が重要なモデルでもなければ、単なる虚仮脅しかハッタリ程度の意味合いでしかありません。 > 毎年1兆円ずつ景気対策をするシナリオBのほうが、それをおこなわないシナリオAよりもGDPは大きくなるというのは明かでしょう。 私のモデルでも、質問者氏のいうシナリオAよりもシナリオBの方が3兆円だけGDPが高くなっています。 しかし、その差は3兆円で止まります。差が永久に広がるということはありません(インフレを入れたモデルでは、GDP比で書かれることはあり得ますが)。 > 債務の増加率は初年度0.002%でありGDPの増加率に比べ無視できるほど小さいですから、無視します。2年移行も同様に無視できます。ですから債務のGDP比を計算するにはGDPの変化だけを考えればよいことになります。 0.002%、ってどこから来たんだろう? と思ったら、1兆円÷500京円ですか(過去の回答のモデルの債務残高からいえばこの計算は間違い)。 現実に近く200%で10兆円の経済政策をしたら1%ですが、それでも無視するのでしょうか? これを無視しないとしたら、1,000,000%の分析は、控え目に言って恣意的で現実に即さないムダなことをしているとしかいえません。現実に演繹しようとしたら重要なファクターとなるものを無視する、ということですからね。 さて、0.002%だとして。 1年目はGDP成長率は3兆円÷500兆円=0.6%であり、0.6%>0.002%なので、1年目はGDP比で債務残高は減ります。 2年目はGDP成長率は0です。成長しませんからね。したがって、0%<0.002%なので、2年目以降は債務残高はGDP比でも増えます。 流石に1,000,000%という差があるので、元のGDP比を越えるまでに6万年という長い期間が必要です。 > 2年目はシナリオBはシナリオAより1.5兆円だけ政府支出は多いということになります。 なぜか2年目の財政支出増が1兆円から1.5兆円に増えていますね。 税収増をそのまま財政支出するというタコもビックリな作戦のようです(元々のモデルはこうではない点に注意)。 過去の回答で提示したモデルからすれば、単に毎年投資しているだけで計算する意味は非常に薄いですが。 この形で試算するとすれば、 1年目:GDP503兆円、財政支出1兆円 2年目:GDP504.5兆円、財政支出1兆5000万円 3年目:GDP505.25兆円、財政支出1兆7500万円 ・・・ ∞年目:GDP506兆円、財政支出2兆円(税収はシナリオA+1兆円) となり、最終的(何桁まで計算するかにもよりますが大体20年位)には毎年1兆円の財政赤字が出ます。 財政黒字になることはないので、増収を再投資した場合のGDP増加と債務の延びの大小関係によってGDP比で政府債務残高が増えるか減るかが決まります。手元で計算したところ、15年ほどで再び増加に転じ、以後GDP比で債務が減少することはありません。
お礼
>わずか5年か6年でね。 ベネズエラの財政は2007年以前の10年平均で年 6 億ボリバルの赤字であり、2007年のGDPが5,000億ボリバル程度だったことを考えれば、0.1%強でしかありません。リーマンショック後の2008年以降は景気が悪化し、2009年以降は年平均で年2,440億ボリバルの赤字となっています。2013年の名目GDPが23,000億ボリバル程度であることを考えると、10%強です。しかも現在、赤字もインフレも高い水準になるので、直近の2014年では更に高い数字になっています。 政府債務のGDP比は、当面高い速度で増加し続ける見込みです。 ベネズエラの債務のGDP比を書いてみます。 1998年 34.53 1999年 32.64 2000年 28.2 2001年 31.68 2002年 55.35 2003年 61.4 2004年 45.47 2005年 45.51 2006年 34.46 2007年 30.82 2008年 23.31 2009年 28.54 2010年 36.29 2011年 43.3 2012年 45.96 2013年 49.76 2014年 51.56 増えたり減ったりしているだけで、一直線に増加を続けているわけではありません。GDP比は2003年がピークになっています。ここまで高インフレ率にする必要はありませんが、そこそこのインフレ率であれば、債務のGDP比はどこかで頭打ちになります。そのことが説明できないモデルは現実の経済を記述できません。 同じく高いインフレ率のトルコの債務のGDP比を示します。 2001年 77.94 2002年 74 2003年 67.7 2004年 59.61 2005年 52.71 2006年 46.52 2007年 39.91 2008年 39.99 2009年 46.07 2010年 42.34 2011年 39.14 2012年 36.18 2013年 35.85 2014年 35.93 こちらは一目散に低下しています。増税で国をデフレにして減らしたのでなく、インフレで借金を目減りさせただけです。次はインドです。 債務のGDP比(%) 財政赤字(10億インド・ルピー) 2003年 84.24 -2934.15 2004年 83.29 -2683.68 2005年 80.89 -2649 2006年 77.11 -2648.47 2007年 74.03 -2197.81 2008年 74.54 -5608.34 2009年 72.53 -6316.65 2010年 67.46 -6540.11 2011年 66.75 -7172.92 2012年 66.62 -7468.17 2013年 66.72 -8215.92 2014年 65.31 -9232.79 このように、大きな財政赤字が続いていますが。政務のGDP比は減り続けています。 財政赤字が続いても、債務のGDP比は減ることがあるわけで、そのような経済を記述する計量モデルが必要ですが、どうでしょう。
- at9_am
- ベストアンサー率40% (1540/3760)
> >買うときには説明を受けますよ。 > そうなんですね。昔はそんな文章を見たことがなかったですが、 大分昔からリスクに関する説明は受けるはずですが・・・。 質問者氏のいう昔がどのくらい前かは知りませんが、10年以上前から文書により説明する法的義務もあります。 銀行も毎回かは知りませんがこの説明を受けているはずです(受けていないなら法律違反です)。 > モデルで破綻してしまうパスに乗った場合ですが、普通なら、違うモデルをつくっておいて、モデルの適用限界を超えたらそちらのモデルを使うと決めておいた方がよいのではないですか。 例えば将棋で詰みから逃れられない状況になったら将棋ではなくチェスにすべきだ、とか言っているようなものです。 元の話は利払いを通貨発行により行うという話ですから、適正な通貨量を超えて通貨を発行していたとしても利払いなどで通貨を増やし続けなければならないという構造は、モデルを変えたとしても変わりませんね。 > >因みに現在、必要な準備額8.3兆円程度に対し、120.8兆円程の超過準備預金が存在します。 > そんなとき、120.8兆円を必要な準備額にすれば、融資はできなくなりますよね。 国債の全部償還のために「百兆円位の増税を 10 年間だけやればいいじゃないか」とかいうのと同じくらい非現実的ですね。 > スタグフレーションは<略>賃金が上がり続けることなしに高いインフレ率が長期に続くことはあり得ないと思います。 あり得ない、と言っていますが、実際に起こりました。 例えばコストプッシュ型のインフレや質問者氏の挙げた阻害要因など、いくつかの要因でスタグフレーションが安定的に起こることが知られています。 また、賃金が上がり続けてもその上昇率がインフレ率よりも低いなら、実質賃金は下落し失業率は上がります(物価賃金スパイラルを参照してください)。 > >当初、GDPが500兆円、債務残高は500京円です。 > もう一度、始めから考えましょう。 > 1年目終了時には994.035%まで減ったのであれば、債務のGDP比は約0.6%の減少です。2年目も同じ1兆円の財政政策をすれば、ふたたび約0.6%の減少のはずで、合計約1.2%の減少となります。 一般的なマクロモデル、特にIS-LMモデルを勉強し直してください。 当初、GDPが 500 兆円、政府支出が 40 兆円だったとして、政府支出が 41 兆円になった場合の均衡GDPが 503 兆円だとすれば、政府支出が 41 兆円である限りGDPは 503 兆円です。506 兆円にはなりません。 政府支出を更に1兆円増やして 42 兆円にすればGDPは 506 兆円になりますが、再度同じ計算を繰り返すことになります。 現実にはGDPに対して 3 兆円の効果があったとしても、数年(通常2年から4年)に分割してその効果が出てきますが、この例では簡単化のために 1 年に全部出ることにしています。
お礼
>> モデルで破綻してしまうパスに乗った場合ですが、普通なら、違うモデルをつくっておいて、モデルの適用限界を超えたらそちらのモデルを使うと決めておいた方がよいのではないですか。 >例えば将棋で詰みから逃れられない状況になったら将棋ではなくチェスにすべきだ、とか言っているようなものです。 元の話は利払いを通貨発行により行うという話ですから、適正な通貨量を超えて通貨を発行していたとしても利払いなどで通貨を増やし続けなければならないという構造は、モデルを変えたとしても変わりませんね。 例えばベネゼーラですが、財政赤字のGDP比は18.9%、国の借金のGDP比は57.3%、インフレ率21.1%ですが、これだけの大赤字を出していても債務のGDP比は僅か57.3%にしかならない。内閣府のモデルだと、赤字を続けていると債務のGDP比は果てしなく増えるようになっている。だから債務のGDP比が説明できない。あるいは、これは破綻した経済でしょうか。日本も破綻したとき、債務のGDP比はこの程度にまで下がるのでしょうか。 >一般的なマクロモデル、特にIS-LMモデルを勉強し直してください。 当初、GDPが 500 兆円、政府支出が 40 兆円だったとして、政府支出が 41 兆円になった場合の均衡GDPが 503 兆円だとすれば、政府支出が 41 兆円である限りGDPは 503 兆円です。506 兆円にはなりません。 政府支出を更に1兆円増やして 42 兆円にすればGDPは 506 兆円になりますが、再度同じ計算を繰り返すことになります。 乗数の計算は次のように行います。 (1)景気対策を行わない場合のシナリオA これは、GDPが 500 兆円、政府支出が 40 兆円で初年度の計算をする。次年度はGDPも政府支出も税収も全部変化する。更に次々年度も同様に計算する。もちろん政府支出も毎年変化します。 (2)毎年1兆円の景気対策を継続的に行う場合のシナリオB こちらは、シナリオAの場合に毎年1兆円の景気対策を毎年行うという仮定です。乗数はシナリオAとシナリオBとを比較することにより計算します。 債務の増加率は初年度0.002%でありGDPの増加率に比べ無視できるほど小さいですから、無視します。2年移行も同様に無視できます。ですから債務のGDP比を計算するにはGDPの変化だけを考えればよいことになります。 初年度のGDPはシナリオBはシナリオAより3兆円だけ増えています。税収もシナリオAより0.5兆円増えているということですから、当然それも翌年の政府支出に加算されます。2年目はシナリオBはシナリオAより1.5兆円だけ政府支出は多いということになります。当然、その分だけGDPも拡大するわけで、債務のGDP比は確実に減少を続けます。 初年度に3兆円の効果が出ず、例えば0.5兆円であったとしても、結論は変わりません。 毎年1兆円ずつ景気対策をするシナリオBのほうが、それをおこなわないシナリオAよりもGDPは大きくなるというのは明かでしょう。
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なんだか、反論のための反論が増えてきましたね。 > どんなに税収が増えても、国債を発行し続けるのは全く問題はありません。 質問者氏の中で問題がないだけですね。 どんな状況になっても先送りし続けることはできる、というだけですから。 実際、バブル終末期(崩壊前後)に、税収が歳出を追い越したため、赤字国債は発行されなくなりましたね。 > 第二次世界大戦のとき、日本政府は莫大な借金を抱えました。通貨発行権は持つが莫大な借金ができたのではないですか。 通貨発行権を持つのは日銀で日本政府ではないですからね。 > ということは、日本は将来、国債の破綻があり得るということですね。 原理的には破綻もあり得ますが、近い将来には考えにくいですね。 > そんな危険が商品をあたかもリスクが無いかのように言って国民に買わせるのはまさに詐欺です。 買うときには説明を受けますよ。例えば金融商品として個人向け国債を買う窓口では、必ず「日本国の信用状況の悪化等により、元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります」というような説明をされます。 例えば三菱証券の例: http://www.tr.mufg.jp/tameru/kokusai.html > モデルが作れないということですか。 いいえ。モデルで破綻してしまうパスに乗った場合に、そのパスから脱出する手段がない、ということです。 国債の金利支払いをしないことは出来ないため、通貨増加を減らすことができず、結局は金融引き締めが出来ません。 勿論、デフォルトを容認する、などという「破綻」するつもりなら別ですけれどもね。 > しかし、需要が大幅に増えて融資をどんどん拡大されているとき、そろそろブレーキを掛けたいときに預金準備率を上げるという手段があります。 それが有効か、という問題ですね。 現在のように量的緩和を大幅に行っている場合(質問者氏が主張するような国債を日銀が大規模に買いオペしている場合)には、日銀当座預金は法定準備率を大幅に超える準備預金が存在することになるため、預金準備率で何かしようとしても無理ですね。 因みに現在、必要な準備額8.3兆円程度に対し、120.8兆円程の超過準備預金が存在します。 > 日本の預金準備率は0.1%位 そんなに小さくないですよ? 市中銀行の総預金が650兆円位で、これに銀行以外の分が加わりますが、必要準備額が8兆円位なので1%程度です > 貸出先が増えてくるようにしなければならないです。 実質GDPが増えれば~、というのと、結局は同じ話になるわけですか。 > >金利分で国債は増え続けますがね。 > 大規模金融緩和でも効果なしですか。 この部分ではプライマリーバランスがゼロの場合を考えていますから、金利分だけ絶対額で国債は増え続けますね。 大規模金融緩和は(国債金利がゼロにならない限り)関係ありません。 > 私はスタグフレーションは一時的な現象で10年も20年も続くとは思っていません。 イギリスは、1970年代を通じてスタグフレーションを経験しています。その克服には79年のサッチャー政権誕生とその後の一連の大規模な改革をまたなければなりません。つまり自律的な回復ではありませんでした。このように、手を打たない限り10年でも20年でも続く場合があります。 > 思考実験にご参加下さいまして有り難うございます。当初GDPは500兆円、債務残高は1京円です。政府に誰がこんな大金を貸したのでしょう。 === 債務がGDPの1万倍だったとしましょう。この場合、どんな財政政策を行っても、どんなに乗数が低くても、適切な金融政策が行われている限り債務のGDP比は減っていきます。 === との質問者氏の設定通りでも、GDP比での債務残高が減らない、ということを示したのですが、どうにもならないからか自分の作った設定に文句を言っているようです。 その後も長々と書かれていますが、意味が分かりません。
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>買うときには説明を受けますよ。例えば金融商品として個人向け国債を買う窓口では、必ず「日本国の信用状況の悪化等により、元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります」というような説明をされます。 そうなんですね。昔はそんな文章を見たことがなかったですが、変わってきたのでしょうか。でも、大手銀行に財務省が買わせるときはそんなことは言わないでしょうね。談合でしょう。 >いいえ。モデルで破綻してしまうパスに乗った場合に、そのパスから脱出する手段がない、ということです。 国債の金利支払いをしないことは出来ないため、通貨増加を減らすことができず、結局は金融引き締めが出来ません。 モデルで破綻してしまうパスに乗った場合ですが、普通なら、違うモデルをつくっておいて、モデルの適用限界を超えたらそちらのモデルを使うと決めておいた方がよいのではないですか。でも別のモデルも作成不可能ですか。過去に経験したことがないシナリオはモデルが作れないということでしょうか。ただ、例えば増税なら通貨増加は止められますよ。 >因みに現在、必要な準備額8.3兆円程度に対し、120.8兆円程の超過準備預金が存在します。 そんなとき、120.8兆円を必要な準備額にすれば、融資はできなくなりますよね。50兆円くらいなら貸し出してもよいのであれば必要な準備額を70兆円というように、決めればよいような気がするのですが、ダメですか。 >イギリスは、1970年代を通じてスタグフレーションを経験しています。その克服には79年のサッチャー政権誕生とその後の一連の大規模な改革をまたなければなりません。つまり自律的な回復ではありませんでした。このように、手を打たない限り10年でも20年でも続く場合があります。 スタグフレーションは不況でありながら、インフレが続くということで、生活が苦しくなる、つまり財・サービスを受ける量が減る、つまり生産性の低下でしょう。人間は常によりよい暮らしを求めて日夜努力をしており、様々な発明・工夫を行っています。それでなお長期にわたってそのような状態が続くということは、余程大きな阻害要因があるときでしょう。基幹産業の国有化、労使紛争の多さ等、英国病には経済を非効率にする特殊要因がありました。これは例外でしょう。日本の場合、高いインフレ率が長期にわたって続くが、賃金が下がり続けることは不可能でしょう。賃金が下がれば消費が落ち込み、すぐにデフレになります。賃金が上がり続けることなしに高いインフレ率が長期に続くことはあり得ないと思います。改革は常に重要ですが・・・。 >当初、GDPが500兆円、債務残高は500京円です。 ここで、1兆円の財政政策をして合計3兆円のGDPが増えたとしましょう。簡単化のためこの効果は1年のうちに全部発現したとします。するとGDPは503兆円で均衡しているはずです(1兆円の財政政策を続けている限り、GDPは変化しません)。また、税収増を0.5兆円としましょう。実際日本の税収は国と地方を合わせて80兆円程度ですからね。 すると、1年目終了時にはGDPが503兆円に対し債務残高は500京5000億円ですから、994,035.9%まで減っているはずです。 しかし、2年目終了時にはGDPが503兆円に対し債務残高は500京1兆円ですから、994,036.0%、・・・となり、6万年後には元の1万倍(1000000%)に戻ってしまいます。 もう一度、始めから考えましょう。 1年目終了時には994.035%まで減ったのであれば、債務のGDP比は約0.6%の減少です。2年目も同じ1兆円の財政政策をすれば、ふたたび約0.6%の減少のはずで、合計約1.2%の減少となります。これを続ければ、どの値に収束するかを計算しても余り意味はないので止めますが、同じ政策を続ければ減り続けると思います。1回限りで止めれば、元に戻るのかもしれませんが。
- at9_am
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> お金に色はついておりませんから、どの支払いも新たに発行する国債で得た資金で支払うことも可能だということで将来へのツケを回すことにならないという表現も可能です。 既に#15で以下のように回答済みです。 === 少し思考実験しましょう。簡単なことです。 歳出はそのままに、税収が100兆円に増えたとしましょう。国債費はゼロになりますか? 或いは、今年度の国債費の分(22兆円)だけはそれでも国債が発行され続けますか? 答えは、当然にしていずれもNoですよね? つまり、色がついていないから国債で返していることにしてもよい、という意見は、要するに今も先送りし続けているという以上の意味合いはありません。 === これに対する反論はないようです。 > 例えば2つの家庭があったとします。家庭Aは、借金が膨大で、<略> では、家計Bは将来借金を返さなくてもよいだろうか? 或いは、返しもしないのに半永久的に銀行がお金を貸し続けるだろうか? 「特別に通貨発行権が与えられていて、お金をいくら刷ってもよい」のに莫大な借金を抱えるだろうか? いずれも、あり得ないですよね。 勿論、国債の破綻は近い将来にはないと思いますが、借金を重ねていって永久に破綻しないとも思いません。 > 今の10年物の国債の名目金利は0.6%程度なのですが、それと名目金利3%とは、どう関係するのでしょう。 直近の利回りと違うのはなぜか、と言われましても、単に数値例で小数点以下を打つのが面倒だっただけなんですが(大小関係が重要であって数値自体はそれほど重要ではない)。 また、ここで考えている名目金利は「政府が支払うべき国債の金利」なので、新発10年物の表面利回りとは別ものです。今年度予算ベースでいえば、国債残高750兆円に対し金利13兆円なので、1.7%程度になっているはずです。 これが調整過程における金利なのか、この低い金利で均衡となり安定的に推移するのかという点については難しいところですが。 因みに、現在は日銀が発行額以上に国債を買っているという事情があったり、銀行が貸し出しを増やすための自己資本比率を確保するために国債を買っており、需要が増加しているため価格が高騰している=国債利回りが下がっている、という事情があったりはしますね。 > 最近下がったのはやはり日銀がどんどん国債を買っているからと理解してよいでしょうか。 日銀による国債の買い入れ自体は継続して行われていますが、2012年の0.7%~0.8%が2013年初頭にかけて0.4%近くまで下げて(つまり国債価格が上昇して)、その後6月頃に一気に0.9%まで変化してじりじりとまた下げています。このような動きは日銀の行動だけでは説明できません。 なので、日銀の行動も確かにあるけれどもその他の要因もある、という位のほうがよいでしょうね。 > >であるとすれば、例えば10年物国債の金利は相当以前から0.6%前後で推移していなければおかしい。 > そうでした。ということはリーマンショック前は海外の景気に引っ張られ、日本もそこそこ景気が良かったから、高い利率でも国債を買っても大丈夫と思ったのでしょうか。 高い利率で国債を買っても大丈夫、とは、ちょっと何言っているのかわかりませんね。 リーマンショック後、リスクを避けた資金が国債に流れ込むことにより国債価格が上がった=利回りが下がった、というような説明なら分からないでもないのですが。 > 利払いの部分は日銀を通じ大部分は国庫に戻ってきますね。 日銀以外が国債を持つ場合を考えている以上、日銀以外の持つ部分に対する利払いは国庫に戻ってくることはなく、純粋に支払いになります。 > 今はインフレがコントロールできている状態なのですが、それとの関係はどうなっていますか。 > インフレ率を抑えるのは金利を上げることだけではありません。預金準備率を上げるということもできます。 今は簡単に言えばデフレにならないように必死で持ち上げている段階ですね。現在はコントロールできているといえば出来ていますが、コントロールが出来なくなった(と市場が信じた)状況では、モデルの状況ではコントロールを取り戻すのは不可能ですね。 何しろ金融引き締めが不可能なのですから。 また、預金準備率を上げる、というのは、現在のように銀行が預金準備率の数倍も日銀当座預金を持っているような状況では、ほとんど効き目がないでしょう。時給2000円の人が、最低賃金が上がったからといって給料が上がらないのと同じようなものです。 > またこの方法でインフレになれば財政を使わずしてインフレになったのですから名目GDPは増加し、借金は増えていない。 金利分で国債は増え続けますがね。 しかも、実現したインフレ以上にインフレ期待が高まることから、名目GDP成長率をはるかに上回る金利になる(前回の回答で書いたフィッシャー方程式に合わせるならリスクプレミアムが増える)と考えられます。 単に国債価格が下がるだけで、短期的には利払いという意味では効果が発現しないかもしれませんが。 > インフレ率が上がると賃金が上がりブラケットクリープでインフレに自動ブレーキがかかります。 インフレ率が上がったからといって実質賃金が上がるとは限りません。例えばスタグフレーションのような状況を考えて下さい。不況による実質賃金の下落の影響がインフレ率上昇よりも大きければ、名目賃金すら下がる可能性があります。 > どんなに日銀が買っても、金利は高止まりということはあるのでしょうか。 勿論、需要と供給だから、債権価格を高止まりさせることは短期的には可能でしょう。 しかし、銀行も商売です。一方で利率5%で貸し出せる貸出先があり、もう一方で0.6%の国債があった場合には、国債を選ぶでしょうか? ということで、国債の金利も結局のところ国債以外の金利動向の影響を受けざるを得ません。 日銀自体、長期金利をコントロールする能力がないといっています。 > >この場合、国債残高の額面は増え続けますが、少なくとも短期的にはGDP比で国債残高は減るかもしれません。<略> > それは債務残高のGDP比がある一定のレベル以下であるときだけです。例えば債務がGDPの1万倍だったとしましょう。この場合、どんな財政政策を行っても、どんなに乗数が低くても、適切な金融政策が行われている限り債務のGDP比は減っていきます。<略> では、債務残高がGDPの1万倍として考えてみましょう。数値例の計算のため、政府乗数は3とします。また、簡単化のために利払いは考慮しません。 当初、GDPが500兆円、債務残高は500京円です。 ここで、1兆円の財政政策をして合計3兆円のGDPが増えたとしましょう。簡単化のためこの効果は1年のうちに全部発現したとします。するとGDPは503兆円で均衡しているはずです(1兆円の財政政策を続けている限り、GDPは変化しません)。また、税収増を0.5兆円としましょう。実際日本の税収は国と地方を合わせて80兆円程度ですからね。 すると、1年目終了時にはGDPが503兆円に対し債務残高は500京5000億円ですから、994,035.9%まで減っているはずです。 しかし、2年目終了時にはGDPが503兆円に対し債務残高は500京1兆円ですから、994,036.0%、・・・となり、6万年後には元の1万倍(1000000%)に戻ってしまいます。 因みに、政府乗数が小さくなればなるほど元に戻る期間は短くなり、利払いを入れれば更に短くなります。 例えば、200%・利払いなしという条件で同様に計算すれば、12年で元に戻ってしまいます。 > 財政拡大をすれば、イタリア程度までに下げることができると思っています。 イタリアが国債のGDP比を下げた時期は、プライマリーバランスが正でした。つまり、税収の一部を借金の返済に充てたからGDP比で国債が減ったのです。「プライマリーバランスをマイナスにして財政拡大」とは逆です。 理論的には、税率を下げて税収が上がることさえあり得ます。しかし、それが現実に妥当するかは別の問題です。 プライマリーバランスをマイナスにしてでも財政拡大して国債のGDP比が減ることも理論的には可能かもしれません(どういった形かは不明ですが)。しかし、結局のところ、財政拡大でプライマリーバランスが好転する、という根拠は未だに示されていませんし、現実に妥当するとは思いません。
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>少し思考実験しましょう。簡単なことです。 歳出はそのままに、税収が100兆円に増えたとしましょう。国債費はゼロになりますか? 或いは、今年度の国債費の分(22兆円)だけはそれでも国債が発行され続けますか? 答えは、当然にしていずれもNoですよね? つまり、色がついていないから国債で返していることにしてもよい、という意見は、要するに今も先送りし続けているという以上の意味合いはありません。 === これに対する反論はないようです。 現実的かどうかは別として、思考実験なわけですね。どんなに税収が増えても、国債を発行し続けるのは全く問題はありません。断固として国債の返済で税金は使わないと政府が宣言すればよいだけですから。政府にお金が余って使いようがなかったら、国債返還積立金とでもして特別会計に積み立てておいたら如何でしょう。そんなよき時代が来るとは思えませんが。 >では、家計Bは将来借金を返さなくてもよいだろうか? 或いは、返しもしないのに半永久的に銀行がお金を貸し続けるだろうか? 「特別に通貨発行権が与えられていて、お金をいくら刷ってもよい」のに莫大な借金を抱えるだろうか? いずれも、あり得ないですよね。 そうですか。第二次世界大戦のとき、日本政府は莫大な借金を抱えました。通貨発行権は持つが莫大な借金ができたのではないですか。返しもしないのに日銀は貸し続けました。 >勿論、国債の破綻は近い将来にはないと思いますが、借金を重ねていって永久に破綻しないとも思いません。 ということは、日本は将来、国債の破綻があり得るということですね。つまり国債は紙くずになるかもしれないということ。だったら、政府はそれを広く国民に知らせるべきだと思いますよ。そんな危険が商品をあたかもリスクが無いかのように言って国民に買わせるのはまさに詐欺です。 >リーマンショック後、リスクを避けた資金が国債に流れ込むことにより国債価格が上がった=利回りが下がった、というような説明なら分からないでもないのですが。 はい。OKです。 >日銀以外が国債を持つ場合を考えている以上、日銀以外の持つ部分に対する利払いは国庫に戻ってくることはなく、純粋に支払いになります。 はい、そうです。 >コントロールが出来なくなった(と市場が信じた)状況では、モデルの状況ではコントロールを取り戻すのは不可能ですね。 モデルが作れないということですか。そいうことは国の借金のGDP比が際限なく増えていくというモデルで計算結果を示すときは、「債務のGDP比が400%になる」という試算を使って国民を恐怖に陥れるのでなく、このモデルはどこかに限界があります。その限界以上に関しては信頼できる数字とは言えませんと言うのがフェアというものだと思いますが。 >また、預金準備率を上げる、というのは、現在のように銀行が預金準備率の数倍も日銀当座預金を持っているような状況では、ほとんど効き目がないでしょう。時給2000円の人が、最低賃金が上がったからといって給料が上がらないのと同じようなものです。 そうですね。現状では意味が無い。しかし、需要が大幅に増えて融資をどんどん拡大されているとき、そろそろブレーキを掛けたいときに預金準備率を上げるという手段があります。日本の預金準備率は0.1%位で現在は意味を持ちませんが、例えば中国だと20%程度で、景気過熱を抑えようとしており、機能しているのかと思います。 >金利分で国債は増え続けますがね。 しかも、実現したインフレ以上にインフレ期待が高まることから、名目GDP成長率をはるかに上回る金利になる(前回の回答で書いたフィッシャー方程式に合わせるならリスクプレミアムが増える)と考えられます。 大規模金融緩和でも効果なしですか。すでに日銀には128兆円もの日銀当座預金があり、金利を抑えるため増やそうと思えばいくらでも増やせますが。 >インフレ率が上がったからといって実質賃金が上がるとは限りません。例えばスタグフレーションのような状況を考えて下さい。不況による実質賃金の下落の影響がインフレ率上昇よりも大きければ、名目賃金すら下がる可能性があります。 私はスタグフレーションは一時的な現象で10年も20年も続くとは思っていません。物価が上がって賃金が下がれば可処分所得が減り、需要減少。売れなくなりますから結局物価を下げるしかない。もっともコストプッシュインフレならこの可能性はありますが、一時的な効果です。ここでいうインフレは長期的な安定したインフレであって、その場合は賃金の値上がりで需要が継続的に増加していくというものです。 >しかし、銀行も商売です。一方で利率5%で貸し出せる貸出先があり、もう一方で0.6%の国債があった場合には、国債を選ぶでしょうか? ということで、国債の金利も結局のところ国債以外の金利動向の影響を受けざるを得ません。 日銀自体、長期金利をコントロールする能力がないといっています。 はい。ここが出口論で重要になるところです。いきなりそこまではいかないでしょうが、貸出先が増えてくるようにしなければならないです。0.6%の金利で売れなくなったけど、国債特別参加者制度なるものが作ってあって、そこで無理矢理買わせ、その後日銀がそれ以上の高値で買ってやるという談合制度が確立できていたら0.6%はキープできるのではないですか。一般市場でも日銀が高値で買ってくれるという安心感があれば高値圏で推移。資金需要がでてきたら、金融機関は国債を売って、融資に回しますよ。それでインフレが進む。そのとき預金準備率を上げてインフレを抑えるというのは一つの手段になるでしょう。 >では、債務残高がGDPの1万倍として考えてみましょう。数値例の計算のため、政府乗数は3とします。また、簡単化のために利払いは考慮しません。当初、GDPが500兆円、債務残高は500京円です。 ここで、1兆円の財政政策をして合計3兆円のGDPが増えたとしましょう。簡単化のためこの効果は1年のうちに全部発現したとします。するとGDPは503兆円で均衡しているはずです(1兆円の財政政策を続けている限り、GDPは変化しません)。また、税収増を0.5兆円としましょう。実際日本の税収は国と地方を合わせて80兆円程度ですからね。 思考実験にご参加下さいまして有り難うございます。当初GDPは500兆円、債務残高は1京円です。政府に誰がこんな大金を貸したのでしょう。海外からの借り入れは無理ですね。返す充ての無いカネは貸しません。国内の銀行、証券会社、生保等でしょう。その原資は預金、株、保険等です。国民一人あたりにすると400億円程度になるでしょう。こんな大金を金融機関に寝かしておく馬鹿はいますか。直ちに金を引き出して家や土地、貴金属等を買いまくりますね。銀行も預金引き出しに応じるために国債を売るしかありませんし、最後の買い手の日銀はそれを買うしかありません。世の中カネであふれます。1本100円で売っていたお店も、1本50万円程度でも売れると気付くでしょう。物価は一気に5000倍程度に上昇しますから、GDPも同様に5000倍程度にまで上昇し、債務のGDP比は5000分の1にまで減少します。1兆円の財政政策の効果は小さいので無視しました。つまり債務残高がGDPの1万倍にまでするための過去の景気対策の効果が一気に出たということです。別な言葉で言えば、こんなことはあり得ない。債務のGDP比の上昇はどこかで止まるのだということです。つまりモデルの適用限界を超えて議論するとこのように全く現実離れの結果になります。物理現象であれば適用限界を明確に示します。例えば水銀は温度を上げれば熱膨張します。その割合は 0.00018/℃ です。しかし、水銀の沸点は356.73℃ですから、それを超えるとこれは正しくありません。債務のGDP比の増大には限界がありますし、どこが限界かということに関して詳しく調べられていませんし、その限界の後にどうなるかも調べられていません。是非、このあたりの研究を進めて頂きたいと思います。
- at9_am
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> 私が「国債を返す」と言っているのは、国債残高の絶対値を減少させようというのではなく、債務のGDP比を減らすという意味です。<略>それでは返したことにならないというならその通りです。<略>そうするとプライマリーバランスの話になるし、日銀の国庫納付金に話が戻ります。 少なくとも市中に国債が残る必要がある(市中銀行の自己資本や年金の運用など)以上、利払い費の一部は市中銀行に支払われます。その負担は、結局は過去の歳出のための資金の借り入れコストであり、歳出時点から見れば借入コストを将来につけまわしたことになります。国債返済のための支出をしていないから将来の負担はゼロなどというのは、通らないように思います。 さて、閉鎖経済を考えるなど、色々と簡単化した次のような例を考えましょうか。 市中に出回っている国債の額は一定(現在の日本並みの名目GDP比150%)とし、それを超える分は全て日銀が保有するとします。利払いも日銀に入り、その90%が国庫に入るとしましょう(実際に利回り全額が剰余金になったとしても、最低 5 %は国庫納付になりません。これに加えて経費分を勘案しています)。 当初の実質成長率0%、名目1%(つまりGDPデフレータで測ったインフレ率1%)とし、実質金利を1%、国債のリスクプレミアムを1%として 名目金利=実質金利+インフレ率+リスクプレミアム という関係(フィッシャー方程式ではインフレ率が予測インフレ率ですしリスクプレミアムはありませんが)から、名目金利は3%とし、プライマリーバランスはゼロとしましょう。 さて、この状態が続くと、何が起こるでしょうか。特に、国債残高はGDP比で増えるでしょうか、減るでしょうか。 まず明らかなのは、プライマリーバランスがゼロなので利払い費分だけの財政赤字が恒常的に生じる、ということです。これは、上記の設定ならば日銀がその分だけの国債を引き受ける必要がある、つまり経済の状況に関わらず通貨発行残高を増やし続けるということを意味します。 これはインフレ要因であるだけではなく、インフレ率を抑える必要が出てきたとしても、同様に通貨残高を増やし続けるということですから、コントロールできない要因です。このような場合には、インフレ率のみならずリスクプレミアムが上がり、名目金利がインフレ率以上に上昇することになります。 もう一つ明らかなのは、名目GDP<市中残高かつ名目GDP成長率<名目金利であるため、当面は国債残高は額面でもGDP比でも増え続ける(減らない)、ということです。 次に、プライマリーバランスを崩してでもGDP成長率を増加させた場合を考えましょう。例えば名目GDP比1%の財政支出をしてGDP成長率を実質2%、名目3%に増やしたとしましょう(簡単化のため、当初はインフレ率や実質金利、リスクプレミアムは変わらなかったとします)。支出増に比べて税収の伸びは小さいため、プライマリーバランスはマイナスです。 この場合、国債残高の額面は増え続けますが、少なくとも短期的にはGDP比で国債残高は減るかもしれません。 しかし、このGDP成長は、例えば政府乗数3(つまり1兆円の経済政策で3兆円のGDP増)があるとしても、100年間GDP比1%の公共政策をしたとして毎年3%の成長をする、という訳ではありません。 しかも「国債残高に与える影響は毎年GDP比1%で累積>GDPに与える影響は合計で3%」であることから中長期的にはGDP比でも増加します。財政政策を止めれば元に戻るという性質上、公共投資を止めることもできません。 因みに、GDP比で国債が中長期的に減少する条件は、上記のモデルからは -(プライマリーバランス - 利払い費)÷国債残高 < 名目GDPの定常的な成長率 となります(利払い費は国庫への還流分を控除)。左辺は名目金利、右辺は名目成長率であり、ドーマーの定理と整合的です。多少、制度に合わせて定義を弄っているだけですね。 イコールになった場合にはGDP比で止まることになりますが、プライマリーバランスゼロを達成したとしても中長期的には国債の市中残高>GDPである限り名目成長率>名目利子率とならなければなりません。 > 理論的には「インフレで債務のGDP比は減るわけがない」のでしょうか。 そんなこともないですね。 インフレ率は名目GDP成長率と実質GDP成長率の差(消費者物価指数などで測るなら少し違いますしバイアスなどの問題もありますが、簡単化のためここでは無視します)ですから、 名目金利=実質金利+インフレ率+リスクプレミアム という関係から、名目金利<名目GDP成長率であるためには少なくとも実質金利<実質GDP成長率でなければなりません。 つまりは実質の意味での経済活性化があれば債務のGDP比は減るということですが、インフレであってもなくても成り立つという当たり前の結論になってしまいます。 問題はインフレになれば景気が活性化するか、活性化するとして名目金利<名目GDPとなるようにする程の効果があるのか、という点です。これはインフレが何故起こったかという原因によって分かれてくるでしょう。例えば為替レートの変動によるコストプッシュ型インフレや単純な金融緩和だけであればないでしょうが、いわゆる第三の矢の成功による自律的な成長であればあるでしょう。 > 日本はデフレが続いたために、日本人の心の中にこのままデフレは続いていくのではないかという気持ちがまだあるのだと思います。だからこそ10年物国債の金利が0.6%を割っている。 であるとすれば、例えば10年物国債の金利は相当以前から0.6%前後で推移していなければおかしい。 ですが実際は、1%を割り込んだのも2011年末頃の話であり、リーマンショック前は1.5%~2%だったのですが。 > ドッジが米国からやってきて、インフレを止めろと言ったら、ピタリと止まった。 デノミとアメリカの経済的支援・物資の提供。 特に供給不足が原因のインフレなら、安定供給さえすればインフレが収まるに決まっているではありませんか。 > インフレの自立的継続は間違いありません。これは詐欺ではないです。 「絶対に儲かるから」「絶対にうまくいくから」というのは詐欺師の常套文句ですね。
お礼
>少なくとも市中に国債が残る必要がある(市中銀行の自己資本や年金の運用など)以上、利払い費の一部は市中銀行に支払われます。その負担は、結局は過去の歳出のための資金の借り入れコストであり、歳出時点から見れば借入コストを将来につけまわしたことになります。国債返済のための支出をしていないから将来の負担はゼロなどというのは、通らないように思います。 全く、言っておられることに異論はありませんが、お金に色はついておりませんから、どの支払いも新たに発行する国債で得た資金で支払うことも可能だということで将来へのツケを回すことにならないという表現も可能です。 例えば2つの家庭があったとします。家庭Aは、借金が膨大で、そろそろ融資も限度が近づいているのに、家計の赤字は減りそうもない。家庭Bも借金は膨大で、家計の赤字は減りそうもないのだが、銀行からの信頼が絶大で、無制限に借金を増やしてもよい状況にある、あるいは特別に通貨発行権が与えられていて、お金をいくら刷ってもよいことになっている。 家庭Aは、今年増える借金は将来へのツケになることは明かです。節約しなければなりません。家庭Bは今年借金が増えたとしても、将来も同じように借金を増やすことができるのですから、将来への足かせにはなりません。日本経済の現状から言えば家庭Bにあてはまるということです。 もし今の日本が家庭Aなら、間もなく破綻するでしょうし、その場合は国債が紙くずになります。そうなるとお思いでしょうか。 >当初の実質成長率0%、名目1%(つまりGDPデフレータで測ったインフレ率1%)とし、実質金利を1%、国債のリスクプレミアムを1%として 名目金利=実質金利+インフレ率+リスクプレミアム という関係(フィッシャー方程式ではインフレ率が予測インフレ率ですしリスクプレミアムはありませんが)から、名目金利は3%とし、プライマリーバランスはゼロとしましょう。 今の10年物の国債の名目金利は0.6%程度なのですが、それと名目金利3%とは、どう関係するのでしょう。 >まず明らかなのは、プライマリーバランスがゼロなので利払い費分だけの財政赤字が恒常的に生じる、ということです。これは、上記の設定ならば日銀がその分だけの国債を引き受ける必要がある、つまり経済の状況に関わらず通貨発行残高を増やし続けるということを意味します。 利払いの部分は日銀を通じ大部分は国庫に戻ってきますね。 >これはインフレ要因であるだけではなく、インフレ率を抑える必要が出てきたとしても、同様に通貨残高を増やし続けるということですから、コントロールできない要因です。このような場合には、インフレ率のみならずリスクプレミアムが上がり、名目金利がインフレ率以上に上昇することになります。 今はインフレがコントロールできている状態なのですが、それとの関係はどうなっていますか。 インフレ率を抑えるのは金利を上げることだけではありません。預金準備率を上げるということもできます。インフレ率が上がると賃金が上がりブラケットクリープでインフレに自動ブレーキがかかります。 またこの方法でインフレになれば財政を使わずしてインフレになったのですから名目GDPは増加し、借金は増えていない。つまり債務のGDP比は減少ではないですか。 >このような場合には、インフレ率のみならずリスクプレミアムが上がり、名目金利がインフレ率以上に上昇することになります。 >もう一つ明らかなのは、名目GDP<市中残高かつ名目GDP成長率<名目金利である 名目金利とは例えば10年物の国債の金利と考えてよいですか。日銀が買いまくるのであれば金利は低く抑えられますよね。どんなに日銀が買っても、金利は高止まりということはあるのでしょうか。 >当面は国債残高は額面でもGDP比でも増え続ける(減らない)、ということです。 額面では増え続けますが、インフレがどんどん一人歩きして進めばGDP比は減るのではないですか。 >この場合、国債残高の額面は増え続けますが、少なくとも短期的にはGDP比で国債残高は減るかもしれません。 しかし、このGDP成長は、例えば政府乗数3(つまり1兆円の経済政策で3兆円のGDP増)があるとしても、100年間GDP比1%の公共政策をしたとして毎年3%の成長をする、という訳ではありません。 しかも「国債残高に与える影響は毎年GDP比1%で累積>GDPに与える影響は合計で3%」であることから中長期的にはGDP比でも増加します。財政政策を止めれば元に戻るという性質上、公共投資を止めることもできません。 言っておられることは、全く正しいのですが、それは債務残高のGDP比がある一定のレベル以下であるときだけです。例えば債務がGDPの1万倍だったとしましょう。この場合、どんな財政政策を行っても、どんなに乗数が低くても、適切な金融政策が行われている限り債務のGDP比は減っていきます。これはお認めになると思います。その一定のレベル(ボーダー)になるのは債務のGDP比がどのレベルかということです。 このボーダーがどのあたりかと知るには、諸外国の債務のGDP比が参考になります。 http://ecodb.net/ranking/imf_ggxwdg_ngdp.html 1位が日本の243%、2位がギリシャの173%でこの2カ国は特別な事情があります。それ以下はレバノンの139%、ジャマイカの138%、イタリアの128%となっています。私の考えは、日本はデフレを続けているからこうなっているのであり、財政拡大をすれば、イタリア程度までに下げることができると思っています。 > -(プライマリーバランス - 利払い費)÷国債残高 < 名目GDPの定常的な成長率 インフレには財政拡大で需要が増え、デマンド・プルのタイプのインフレもありますが、「どうせ政府は財政規律を守るつもりはないだろうから、インフレは進むだろう」と国民が考えて進むインフレもあります。また日銀が国債を大量に買うことにより発生するインフレもあり、これらは財政支出とは無関係に進みます。 >であるとすれば、例えば10年物国債の金利は相当以前から0.6%前後で推移していなければおかしい。 ですが実際は、1%を割り込んだのも2011年末頃の話であり、リーマンショック前は1.5%~2%だったのですが。 そうでした。ということはリーマンショック前は海外の景気に引っ張られ、日本もそこそこ景気が良かったから、高い利率でも国債を買っても大丈夫と思ったのでしょうか。最近下がったのはやはり日銀がどんどん国債を買っているからと理解してよいでしょうか。 >「絶対に儲かるから」「絶対にうまくいくから」というのは詐欺師の常套文句ですね。 確かにそうなんですが、田中角栄のような人が首相になって、どんどん景気対策をやってインフレが進み始めたら、今度は止まらなくなると思うのですが。
お礼
なるほど、ご丁寧な説明のお陰で、何を言っておられるのかは、理解できました。その意味では勉強になりました。有り難うございました。さて話を元に戻しましょう。 私が考えたのは、「インフレが進めば政府債務のGDP比はみるみる減るはずだ」ということでした。それに対する反論が 「前回も少し書きましたが、国債の利子が0%であっても、3%のインフレ(GDPデフレーターで!)を達成できたとしても、プライマリーバランスがGDP比8%のマイナスでは債務残高はGDP比275%程度まで上昇します。」 ということで、詳しい計算を示して頂いたのでこれに関しては全く異論はありません。それならどの国でも債務のGDP比は275%まで上昇するのかというと実際そうなっていない。IMFのデータによれば177カ国中、債務のGDP比が200%を超えた国は日本だけ、100%を超えた国でも14カ国しかありません。 プライマリーバランスが大きくマイナスになり激しいインフレになった国はいくらでもあるし、その場合でも債務のGDP比は小さいままの場合がほとんどです。インフレが進むと為替調整が入るし、複雑ですが債務のGDP比が増えなくなるシナリオを考えるのが現実的ではありませんか。 例えば上記シナリオでは確かに債務のGDP比は275%になりますが、実際はそのシナリオ通りにならないから債務のGDP比は275%などにならない。実際起きることは、国債の利子が0%になれば、金融機関は国債を保有していては経営が成り立ちませんから、国債は日銀がすべて買い取るしかないでしょう。だったら、その資金は株や土地や外債や外国の株等に移るでしょう。資産インフレが起き、それなりに歳入増はあるでしょう。また資金が海外に流れ円安が進み輸入物価上昇でインフレに拍車がかかるでしょう。そのようなときに、プライマリーバランスがGDP比8%のマイナスという政策はとりにくいのではないかと思います。3%のインフレ(デフレーターで)の時に国債の利子を0%にするのは難しいでしょう。その場合は財務省の発行する国債は日銀が買うしかないでしょう。 日本の債務のGDP比がこのように増えたのはデフレと密接に関係あると思います。デフレでなければこれだけのカネを国民は政府に貸すわけがない。インフレになれば、貸し手が損をしますから自分で使います。おカネが動き出します。今、政府が大規模財政出動をすれば必ずタンス預金が動き出し、景気が回復し、それにより財政収支が改善するに違いありません。そう思いませんか。 というわけで上記シナリオは現実的でなく、債務のGDP比は一方的に上昇を続けるわけが無く、資金の流れを注意深く考えて行くなら、上昇はどこかで止まるし、財政出動を拡大していけば、必ず債務のGDP比は減少していくと考えざるを得ないわけです。