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コレステロールのHDLとLDLに関する質問です。
先日テレビで観たのですがLDLは肝臓から体内へ組織の材料として出て行くもの、HDLは 組織の材料に使われなかった残りで肝臓に戻って行くもの、と説明されていました。 自分はHDLの値の方がLDLより高いです。 材料として出て行くものより使用されずに残って戻るものの方が多いというのは おかしくないですか? 具体的な数値はHDL=106, LDL =103 です。 これぐらいの差なら誤差の範囲なのでしょうか? だとしても何にも使用されずに全部戻っていってるということになりますよね? 詳しい方宜しくお願いします。
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>材料として出て行くものより使用されずに残って戻るものの方が多いというのは >おかしくないですか? テレビの説明が嘘なので、HDLの方が高くてもおかしくありません。 食事で摂取した脂肪や肝臓で作られたコレステロールがどうなるか、順に説明します。 1.キロミクロン 食事で摂取した中性脂肪は一度分解されたあと、最終的に小腸で吸収され、キロミクロンと言うリポたんぱく質に乗り、血液で全身をめぐります。キロミクロンは毛細血管で各組織に少しづつ中性脂肪を降ろします。 2.キロミクロンレムナント キロミクロンが摂取した中性脂肪を降ろすとキロミクロンレムナントになります。キロミクロンレムナントは中性脂肪がほとんど無い状態で肝臓へ戻ります。 3.VLDL キロミクロンレムナントが肝臓へ戻ると、今度はVLDLになって、肝臓で合成した中性脂肪を乗せて肝臓から出て行きます。そして、VLDLは血液で全身をめぐり、毛細血管で各組織に少しづつ中性脂肪を降ろします。 4.IDL VLDLが中性脂肪を降ろすとIDLになります。IDLは中性脂肪がほとんど無い状態で肝臓へ戻ります。 5.LDL IDLが肝臓へ戻るとLDLになって、今度は肝臓で合成したコレステロールを乗せて肝臓から出て行きます。そして、血液で全身をめぐり、体内の各組織にコレステロールを届けます。 6.HDL コレステロールを降ろしたLDLは、血中で余っているコレステロールを積んでHDLになって、コレステロールを肝臓へ持ち帰ります。 以上が「脂肪とコレステロールの体内での動き」です。 ここで「脂肪が少ない食事」を続けると、1~5の代謝が減って、6だけ多く行われるようになります。 つまり「脂肪を抑えた食事をしていて肝臓の働きが正常ならば、LDLよりもHDLが多い状態」になるのです。 >だとしても何にも使用されずに全部戻っていってるということになりますよね? なりません。 肝臓から出て行ったコレステロールと同じコレステロールがそのまま肝臓に戻って来ているのではありません。 肝臓から出て行ったコレステロールは、LDLに乗って、組織で使われるか、血管壁に付着するか、そのまま血管の中を巡っているか、です。 そして、コレステロールを運び終えたLDLが、運んできたコレステロールとは違うコレステロールを乗せ直すと、HDLに変身し、肝臓に戻ります。 このように「LDLが肝臓から持ち出したコレステロール」と「HDLが肝臓に持ち帰るコレステロール」は「違うコレステロール」なのです。 「持ち出し」と「持ち帰り」は「別々の、違うコレステロール」なのですから「持ち帰りの方が多い」って事も有り得るのです。
お礼
丁寧な回答ありがとうございました。 少し難しかったですがまあ大体のことは分かりました。