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八甲田山死の彷徨について
- 映画「八甲田山」で描かれた冬の八甲田山の遭難事故について、質問します。
- 高倉隊と北大路隊の差について疑問があります。高倉隊は地図と磁石を使って踏破しましたが、北大路隊はなぜ戻れなかったのでしょうか?
- 映画の実際の軍人名と役名は異なるため、俳優の名前になっています。
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その事件は、畑村洋太郎先生が提唱する「失敗学」の教科書にも載る事例です。全く同じことを同時にして、かたや何の問題もなく無事訓練終了、こなた遭難で全滅ですからね。 そしてその明暗を分けたのは「事前準備の差」に尽きると思います。映画を観てないんでアレですが、北大路隊は「冬山をナメていた」に尽きるんです。 まず両隊を見て気づくのは、人数の差です。北大路隊が210名参加したのに対し、高倉隊はたったの38名です。 高倉隊は、事前に地元のマタギから情報を収集していました。そしてマタギからその時期の八甲田山は天気が良くても急変することがあり、そうなると状況が極めてハードになると聞いていました。なので、高倉隊は天候が急変して困難な状況になることも想定して、メンバーを幹部を中心に厳選しました。 素人考えでは「一部の人しか経験しないのでは意味がないのでは?」と思ってしまいますが、こういう訓練というのは「何より無事に遂行すること」が鉄則になります。登山をするときはね、メンバーの中で最も体力がない人が多少の余裕をもって登れる山を選びます。何年か前に北海道の大雪山系で遭難した事故があったでしょ。あれはたいして体力がない人が軽装で自分のレベルより高いところに行ってしまったからで、自然はそのあたりに容赦はないんです。無事にこなしても、ノウハウは経験できるので、その「経験すること」が大切なんです。遭難して死んだら何の意味もないでしょ。 さらに装備の調整や、ルートの確認などもいい加減で、前日には酒宴をしていたってんですから、まあなんというか北大路隊は「遠足気分」だったんですよ。ちょうど好天が続いたのもその気分を盛り上げたのでしょうね。高倉隊は地元のマタギから「天候の急変には気をつけろ。この時期はよくある」と聞いていたので、事前に十分な装備も整えていました。 北大路隊はヘタに大人数で行ったものだから、指揮が行き届かなくなって進むか止まるか引き返すか進むにしてもどっちに進むかで統制が取れなくなり、それが混乱に拍車をかけましたね。遭難したときは、どれだけリーダーの元で結束できるかが明暗を分けることがよくあります。もちろんその場合はリーダーの能力に全員の運命が委ねられるわけですけれどもね。
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- shin1417
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>迷いだした時、地図と磁石で戻れなかったのか疑問に思います。 まさしく、その程度の認識だったから北大路隊は全滅したのです。 高倉隊の方は、冬山ではそんな物は役に立たないと分かっていたからこそ、地元民を案内役に頼んだのです。 元々、高倉隊は冬山で軍隊が行動するマニュアル作りの為の研究をしていた隊ですから、冬山に対しての知識や認識は人一倍あった人間だけが集まった精鋭部隊。 一方、北大路隊は冬山に対して「軍隊には地図があるし磁石もある案内などいらん」などという事を平気で言う人間を指揮官においているド素人集団。 吹雪いて立ち往生するような状況になった場合どうするか?などの対処を全く考慮していませんでした。 天気の良い日に山にハイキングに行くのと同じ感覚だったんですよ。 冬山って吹雪いてくると辺りが全て真っ白で自分がどこにいるか分からなくなります。そんな状況では地図や磁石なんて何の役にも立ちません。 結局、それを知っていたか知らなかったに尽きます。
お礼
北大路隊のガンはオブザーバー参加の三国少佐の越権行為でした。 しかし軍隊において上官を指揮下に置くこともできず、 三国少佐が加山雄三大尉のような賢明な人なら事態は 変わっていたと思います。 回答ありがとうございました。
彷徨して遭難した詳細の経緯は別としまして。 >北大路隊は一つの目印の”馬立場”には到達しているので、迷いだした時、地図と磁石で戻れなかったのか疑問に思います。 馬立場から移動してから道に迷っていることに注意してください。 道に迷われた経験はありませんか。 自分の現在地が分からないと、地図は使えません。 一度お友達に車に乗せてもらって。見ず知らずの街で下してもらって見てください。 自分が今どこにいるのか分からないと、手元の地図のどこを出発点としていいのかが分かりません。 山岳地帯で磁石で方位が分かっても、向かう先に崖などがあれば、ほかのルートへ迂回する必要があります。 この迂回路を正確にたどるためには、周辺の地形を熟知している必要があります。 戻るか右へいくか左へ行くかという選択となり、未知の場所では磁石では判断できません。 迂回を二三度繰り返すと完全に分からなくなります。 又、周辺が樹木で覆われていたり、目の高さよりも高い地形にさえぎられていると、方位だけでルートを予測することは不可能です。 磁石は見通しの良い場所では威力を発揮しますが、見通しの悪い未知の場所では役には立ちません。 当時は降雪で視界が極めて悪い状況でした。 山へ入られたことはありませんか、元来た道を戻るにしても、来るときに見落とした枝道があれば目印がないと間違いなく迷います。 山岳地帯では富士山のように一方的な登り下りだけではありません。 山を下るためにはいったん登る必要や、登るためにいったん下る必要があるのが極普通です。 現在でも、地元の人で山菜取りなどで山へ入って迷う人が後を絶ちません。 常時山へはいっていて地形や樹木の姿を熟知している人は、小高い場所や巨木を見ただけで自分の場所と行くべき方向の見当を簡単につけます。 これが、道案内人の主要な役割です。 遭難の最大の原因は装備と食糧の不足です。 さらに厳寒の山岳地帯では暖を取るための燃料は不可欠です。 降雪地帯では乾燥した樹木を手に入れることは不可能です。 着火器具は携帯していても、燃やすものがありません。 弘前隊も4mの深い穴を掘って入り込み体温の低下を防いでいます。 映画でも青森隊は握り飯が氷の塊となって食えなくなったの対して弘前隊は地元住人から教えられたとおりに握り飯を肌につけて携行して問題なく食べています。 現在でも、軽装のまま山へ入って天候の急変にあい低体温で倒れる人が後を絶ちません。 一人ひとりの兵士が十分な防寒装備と食糧を携行していれば犠牲者ははるかに少なかったでしょう。 本を読んだり映画を見るだけで頭の中で考えるのではなく、実際に体験してみてください。 街の中でもかまいませんから吹雪の中を1日歩いてみてください。 寒さというものがどれほど身に染みるものか経験できます。 ただし、必ず熟練者と同行してください。
お礼
この映画を見てだったか、小生もこんな場合、 握り飯は服の中、体に密着させていれば凍らないことを 知識として覚えました。まあ実際にそういう状況に 陥らないことを願うのみですが。 回答ありがとうございました。
- mm058114
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青森隊が、第一日目に沢にはまってしまい、沢の最上流部の断崖部で前進ができなくなり、約半数の兵員が多数部隊行動がとれなくなってしまった事だと思います。 行軍開始30時間で半数の兵員が発狂してしまったとも言われています。 50名くらいの損害は、明らかでした。 物資も殆どを既に放棄してしまい、給養も、食料の煮炊きも殆どできない状況でした。 戻れなかった最大の原因は、 ・自分たち位置を見失ってしまっていた事。 ・磁石も役にたたず、方位を見失ってしまっていたこと。 ・充分な給養、休息がなく、士気が大きく低下していたこと。 ・沢にはまりこんで、身動きがとれなくなってしまったこと。 では、ないでしょうか? 私も一時、八甲田山に興味を持ち、20冊くらいの本を読みあさりました。 その中で、自費出版ですが、シリーズ物で、著者が途中で亡くなってしまい、未完成で終わっていまる本があります。 小笠原狐酒さんの『吹雪の惨劇』です。 5部の予定で、執筆を始められましたが、2部を執筆された所で亡くなってますが、5部まであったらどんな展開だったのかと思いが膨らみます。。 当然、新田次郎さんも、参考にされていますが、是非読まれてはいかがでしょうか? 自費出版の為、一般本屋では手に入らず、馬立場まで行かねば購入できません。 国会図書館にあり、借りる事は可能です(私も国会図書館から借りました)。 今では、Amazonにも出ている様です。 余計なお世話かもしれませんが、一読されては如何でしょうか?
お礼
NO1さんのwikiでは磁石は凍って役に立たなかったそうですね。 磁石は1個しかなかったのだろうか。なんともずさんな。 回答ありがとうございました。
- yuyuyunn
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こんにちは 本を読んだりしましたが映画は見ていませんが お互い踏破することが前提ですので 戻るという事は考えなかったというより 考えないようにしていたのではないでしょうか? 下のものは上の指示に絶対ですから、遭難しても仕方ないと思いますが
お礼
軍隊では上官の命令は絶対ですから 下々の者は大変です。 回答ありがとうございました。
- kingyo_tyuuihou
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こちらのほうに事件の詳細が載っています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E7%94%B2%E7%94%B0%E9%9B%AA%E4%B8%AD%E8%A1%8C%E8%BB%8D%E9%81%AD%E9%9B%A3%E4%BA%8B%E4%BB%B6 基本的には双方の目的が違うこと。 装備、準備、実施するメンバーの練度からして違う。 吹雪の猛烈さなどハナから想定されていかなった ことが遭難の原因の最たるものです。
お礼
事前準備とリーダーの資質、実際の仕事でも 同じことが言えますね。 回答ありがとうございました。
お礼
映画上映当時、北大路欣也の「天は我々を見放した」 というセリフが流行りましたが、それ以前の問題ですね。 回答ありがとうございました。