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刑事訴訟法220条の逮捕の現場の解釈とは?
- 刑事訴訟法220条1項2号の「逮捕の現場」の解釈について教えて下さい。
- 逮捕の現場とは、逮捕現場の属する管理権と同一管理権の及ぶ範囲であるとされています。
- 逮捕の現場の管理者が被逮捕者以外の第三者である場合の考え方について教えて下さい。
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質問者が選んだベストアンサー
逮捕に伴う捜索差押えについては、緊急処分説と相当説があります。 この点は理解されて、相当説の立場で今回の質問をされているのだと思います。 >逮捕の現場とは、逮捕現場の属する管理権と同一管理権の及ぶ範囲であるとされています。 相当説は「逮捕の現場には証拠の存在する蓋然性が高く、捜索・差押えの合理的必要性があるから許される」という説です。 相当説は逮捕の現場での捜索差押令状が請求されれば当然発付されるはずであると考えます。そして、捜索差押令状は、同一の管理権を基準に発付されます。 その結果、「逮捕の現場とは、逮捕現場の属する管理権と同一管理権の及ぶ範囲」になります。 捜索差押令状発付の際に管理権が基準とされるのは、管理権者のプライバシーを尊重するためです。だから、捜索差押えの現場にいる第三者に対し、捜索差押えが許されるのかが問題になります。 さて、問題は、質問文に挙げられた具体例です。 (1)道路上で逮捕された場合 公道であれば、プライバシーの問題がありませんので、捜索令状はそもそも不要です。したがって、管理権と同一管理権の及ぶ範囲という基準では判断できないことになります。この場合には管理権の及ぶ範囲ではなく、証拠が存在する蓋然性及び差押えの必要性を基準に判断することになると考えます。 (2)飲食店で逮捕された場合 この場合には、まさに「同一管理権の及ぶ範囲」が適用される場面です。ただし、店内全体といっても、とても大きなお店であり、他人のプライバシーが問題になるような場所については、別途考察が必要になります。例えば更衣室とかロッカーなどは捜索差押えが許されるか問題になり得るでしょう。 (3)宿泊施設で逮捕された場合 ここでは、ホテルを想定します。ホテルの各客室は、それぞれの客室を利用する宿泊客の管理権(プライバシー)が問題になりますから、ホテル全体に捜索差押えが許されるわけではありません。また、建物の構造等からして、建物として1つであっても、それぞれの部屋に管理権を考えることが可能であれば、管理権が及ぶ範囲は建物全体ではなく、各部屋を基準とすることになるでしょう。
お礼
よく理解できました。 ご回答ありがとうございました。