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斎藤茂吉の万葉秀歌。45ページ、志貴皇子の歌。
その解説の中に次のようにあります。 「初句は旧訓タヲヤメノ。、、、(中略)、、、なおオホヤメノ(神)タオヤメノ(文)の訓もあるから」 この神、文は本の題名の略だと思うのですが、何という本なのか略さない題名を知りたいです。 教えていただけると幸いです。
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ここでは初句の古訓を話題にしていますが、(神)は神田本、(文)は金澤文庫本といわれる萬葉集の古い写本のことです。 齋藤茂吉が「萬葉秀歌」を執筆するに当たって参考にしたと思われる「校本萬葉集一」の27頁から28頁にかけて「校合に用ゐたる諸本の略號」として明記されています。また「校本萬葉集二」の当該の歌の箇所には「神 オホヤメノ」「文 タオヤメノ」と「萬葉秀歌」と同じように古訓が書かれています。 なおこの略号のうち「文」は澤潟久孝の「萬葉集注釋 巻第一」7頁にも凡例として示されていましたので、専門家の間では一般的な略し方なのでしょう。 古訓の考証に熱心なあまり、一般の人向けの入門書であるはずの「萬葉秀歌」にも、専門家が使う略号を説明なしでつい使用してしまったのではないかと思います。 なお「神田本」はその後所蔵者が変わり、現在は「紀州本」と呼ばれているそうです。
お礼
詳しいご説明、ありがとうございます。 しばらく仕事が忙しくて、ここを見る暇がなかったため、失礼しました。 非常に有難く思っております。