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ヒスタミンってどういうものなのでしょうか?
ヒスタミンってどういうものなのでしょうか?
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- 専門家ココカラファイン 薬剤師(@cocokarafine) 薬剤師
こんにちは。花粉の季節になると特によく耳にする物質ですが、その詳しい働きなどはあまり知られていませんね。 主に花粉症などアレルギーを引き起こす際に働く物質として有名です。 ではヒスタミンはどこから来て、体のどこにあって、どこでどのように働いているのでしょうか。 1.どこから? ヒスタミンは体外から食べ物などと一緒に摂取されるほか、体内でも合成されます。 2.どこに? 体に取り込まれたり合成されたヒスタミンは、白血球の特定の細胞に貯蔵されます。 白血球は主に免疫に関係している細胞の総称ですが、その働きによって多くの種類に分類されます。 3.どうして放出される? 普段は白血球に貯蔵されているヒスタミンですが、色々な刺激によって放出されます。 花粉のようなアレルゲンが白血球にくっつくと、それを排除するためにヒスタミンが放出されます。 寒暖の差に触れても放出され、皮ふのかゆみなどを起こします。 情動や音、光などの刺激によっても放出され、このような時は主に脳で覚醒を促したり記憶学習能に関与したりといった生理的な働きをします。 4.放出されるとどうなる? 放出されたヒスタミンはそれだけでは何もしません。 体の様々な場所に「ヒスタミン受容体」というものがあります。言ってみればヒスタミンがぴったりハマる鍵穴のようなものです。 ここにヒスタミンがくっつくことで様々な現象が起きます。 このヒスタミン受容体には4つのタイプがあり、その鍵穴の形が微妙に異なります。 H1受容体…血管や平滑筋、中枢神経などにあり炎症やアレルギーに関与する H2受容体…胃粘膜にあり胃酸分泌に関与する H3受容体…中枢神経に存在し、セロトニンやノルアドレナリンの放出に関与する H4受容体…かゆみに関与していると思われるが、まだ不明 このように、ヒスタミンはアレルギーを起こすだけでなく人の生理の様々なところで働いている物質で、決して余計なものなどではないのです。 このヒスタミンの働きや受容体の場所が分かることで、薬の作用と副作用も分かってきます。 まず鼻炎などの抑えるためにはH1受容体をブロックすれば済みます。 しかしH1とH3は非常によく似ているため、H1だけに作用する薬というものはまだ作られていません。 H1をブロックする→アレルギーが治まる(主作用) H3もブロックする→眠くなってしまう(副作用) この副作用を抑え込むために花粉症の薬は中枢神経系には入らないように工夫が重ねられました。 これによりアレグラなどの眠気が非常に少ない薬が登場するわけですね。 また、アレグラなどの新しい世代の薬は白血球からヒスタミンを放出させなくする作用も併せ持つようになりました。 この作用により、早くから服用を始めることでより、効果的にヒスタミンの働きを抑えることができることになります。 もう一つ、H2受容体はその形が特異なため、早くからH2受容体にだけくっつく薬が作られました。 これがH2ブロッカーといい、ガスター10などに代表される胃酸分泌を抑える胃薬です。 これ以上は非常に難解な話になってしまいますが、薬局や薬店などで手にする薬と関係性が深いのはこのあたりまでではないでしょうか。 ご参考になりましたら幸いです。
ココカラファイン 薬剤師(@cocokarafine) プロフィール
ドラッグストア・調剤薬局を全国約1300店舗展開しているココカラファインのWEB担当薬剤師です。 健康、美容についての気軽な相談相手として「お友達以上お医者さん未満」のような存在を目指してます。 ...
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