- ベストアンサー
現代日本語のテンスと形態論的カテゴリー
- 日本語のテンスは形態論的カテゴリーであり、以下の要素が考えられる。
- 文法性の認定基準として義務制、包括性、規則性、抽象性・一般性、パラディグマティックな対立性がある。
- 海外で日本語を教える教師が、日本語のテンスについて専門書がなく困っている。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
ずいぶん理論的なお話ですね。 私は好きですが、あまり実用的ではないような。 「文法性=形態論的範疇性の認定基準」 理論なので、何か項目を立てて分析を進めるわけですが、果たして項目としてたてる意味があるかどうか、ということをまず問います。 物理学なら、エーテルとかヒッグス粒子なんてものを考える必要があるかどうか、 経済学なら、紙幣・貨幣と電子マネーを区別する意味があるかどうか、 生物学ならウィルスを生物と認めるかどうか、とか。 何か項目を立てるのであれば、その必要性を決める基準が必要になります。 この人は(1)~(5)をその基準としてたてたわけです。 (言語学者や国語学者がみんなこの基準を考えているわけではありません) さて、では日本語にテンスを文法項目と考えるべきか否か。 基準に照らして考えてみると、 (1)語幹だけで現れることはない。 必ず活用語尾がつきますからね。 ただ、活用語尾が時制かというと怪しい気がします。 連用形はよく英語の不定詞と同様に扱われますが、それはそれでいいのかな? (ちなみに不定詞の共通点は、時制は主節と同時と解釈される、名詞用法がある、等です。 「駅まで歩き、電車に乗った。」(「歩き」は主節と同時の過去) 「歩きはつらい」) (2)どんな述語(動詞・形容詞・助動詞)にもある。 まあ、終止形(動詞ならル形)やタ形はどの述語にもありますからね。 (3)活用表を見れば、規則性は一目瞭然。 もしめちゃくちゃなら、中学生には覚えられません。 (4)たとえば動詞の意味とは関係がない。 「リンゴを食べた」(リンゴはなくなる) 「リンゴを見た」(リンゴに変化なし) でも過去時制には違いない。 「駅まで歩いた」(意図的動作) 「テレビが壊れた」(非意図的変化) でもやっぱり過去時制であることは同じ。 (5)「相補的」というのは、補い合っているということ、つまり仕事に分担があり、入れ替えられないということです。 会長が社外活動をして、社長は社内統治をして補い合っているうちはいいが、仕事の分担を無視して相手の仕事に口を出し始めると、会社がめちゃくちゃになる。 ル形とタ形では意味が違う。交換できない。 >当地の、日本語書籍を扱う書店には、下記の項目に関する専門書がなく Amazon.co.jpなどをご利用ください。
お礼
Piedpiping様 早速のご回答、ありがとうございます。 わかりやすく、例文にそって、(私自身にも)難しすぎてチンプンカンプンだった五つのポイントについて具体的に説明していただき、目から鱗です。 ご親切にこころからお礼申し上げます。 同僚教師は、「テンス」について論文を書いてみたいのだそうです。 いただいた説明文をプリントして手渡すことにいたしました。 はい、Amazon の配送が便利ですね。在中国ということで、なんとなく利用を躊躇してました。。 Piedpiping様、ほんとうに有難うございます。