- ベストアンサー
大麻規制は憲法違反?
こんにちは。 あるページで「大麻の規制は憲法違反」であると訴えた人がいることを知りましたが、勝つ見込みはあるのでしょうか? どんな事件かは残念ながら知らないのですが、 こんな文章があります。 http://www.asayake.jp/~menkyo/040314.htm 回答お待ちしています。
- みんなの回答 (9)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
質問文中のURLを読めば、この文書は刑事事件として起訴された被告人の控訴趣意補充書であり、よって民事事件でいう「原告」はいないということと、第一審で「最高裁一小法廷昭和60年9月10日決定」が引用されて判決が言い渡されていることとが容易に理解できます。 【最高裁一小法廷昭和60年9月10日決定】 「大麻の輸入等を禁止、処罰する大麻取締法は、憲法13条、14条、31条、36条に違反しない。」 つまり、最高裁は、既に「大麻取締法は合憲である」という判断を下しています。また、大麻取締法は、1961年の「麻薬に関する単一条約」に基づいて立法されたものであること、「大麻の有害性は立法事実であって、訴訟手続での立証を要しない」とされていること(東京高判昭和60年5月23日)からして、個人の独断と偏見に満ちた見解を持ち出しても、最高裁が過去の判例を覆すために大法廷で審理することはまずないでしょう。 よって、勝つ見込みはありません。 【違憲立法審査権】 違憲審査を行う機関が存在しない日本国においては、具体的な事件に付随して違憲立法審査が行われます。尊属殺人はその典型的な例です。ちなみに、この判決後、「尊属殺人は他の殺人よりも重罰を科す」という内容の刑法第200条は削除されました。 また、憲法第81条に「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する<終審裁判所>である。」と規定されているように、問題となっている法律が違憲であるか否かの判断は、最高裁のみならず、地裁や高裁でも行われます(違憲であるか否かの判断が地裁でなされ、違憲であるとされた例:宮崎地判昭和48年12月13日)。ただ、最終的に最高裁までもつれた場合、その最高裁の判断が絶対的基準となる、ということです。 なお、裁判所は、立法された法律が明らかに憲法違反であるということが分かる場合を除いて、国会の決定である法律を尊重します(例えば、宮崎地判平成7年3月30日)。積極的に自ら審査することはありません。
その他の回答 (8)
- daibutsuda
- ベストアンサー率34% (268/780)
#2です。 さて、#8さんにより大麻取締法が合憲であるという結論が出たところで、問題のサイトを一巡りしてみました。 至極まじめに大麻の栽培をしたい旨を訴えているようなのですが、ここで誤解の無いように補足しておきますと、大麻取締法は大麻の栽培を完全に禁じているわけではありません。 都道府県知事の認可を受けた人は大麻を栽培してもいいのです。発芽の心配のない種や、葉の繊維であれば出荷してもかまいません。 これでは不足なのか?というのが謎。 それと、このページの作成者が食らった懲役7年という判決は大麻取締法の上限懲役です。これは、よほど悪質であると判断されたということになります。大麻取締法をよく知らず大麻を栽培していてつかまったとか、そんなレベルではなさそうです。 普通に考えると、意図的に麻薬使用目的で大麻を栽培、流通させていてつかまったレベルの判決としか思えません。 大麻取締法自体には、酒造法と同様問題が皆無というわけではないと思いますし、この辺は改正のムーブメントを根強く起こしていくしかないでしょう。 現行の国家権力がこれを妥当と認めている以上、世論を動かすしかありません。世論を動かし、国家権力を動かしていくのは大変な仕事ですが、自分が正しいと信じることであれば板垣退助のようにがんばれるはずです。 もっとも、そのムーブメントが実を結ぶまでは悪法も法なり、破れば罰されるのは当然でしょう。 ただ、問題のページは自己の罪を正当化するために屁理屈をこねているだけのように感じます。
お礼
回答ありがとうございます。 私も勝ち目がないということで意見が固まりそうです。
>人によってはこうした「踏み石論」は否定なさる方がいますが、どうなのでしょう? これはケース・バイ・ケースってことになりますが、特に麻薬の場合は踏み石すら許すべきではありません。 たしかに、毒性の強い麻薬に手を出す前に、弱い麻薬で我慢させるという考え方もあるのは分かりますが、麻薬に関してはこれはNGです。 「導入薬」という専門用語が出来上がっていることからも分かるように、マリファナに手を出した人は、他の麻薬に手を出す確率が高いのです。(これが他の遊びとかだったら話は別なんですけどね) たしかに、マリファナが昔から合法化されていたものだったとしたら、このドラッグが他のドラッグの踏み石になる確率は低いでしょう。 なんつっても依存性の低いドラッグですので。 ……が(^_^; 今マリファナを解禁したら、まず間違いなく、国民の違法ドラッグの摂取量は激増します。
お礼
回答ありがとうございます。 「踏み石論は肯定」ということでいいでしょうか? だとしたらこれは大きな問題ですね。
ちょっと調べてみるとMedicinal Marijuana Legalization(医薬品としてのマリファナ合法化)は最近割と活発になっているようですね。アメリカでもいくつかの州で合法化が進んでいるが、連邦当局は認めない方針で問題になっているようです。大々的ではないですけど、サイトを調べてみると結構ヒットします。 たとえば、 http://www.emory.edu/NFIA/legal/medicalm.html 中には、 http://www.cnn.com/HEALTH/9702/weed.wars/issues/background/ と興味深い記事もありました。 日本語でもよいサイトが無いか調べてみましたが、 http://www.airgreen.co.jp/hemp/hemp%20history.html これなんかは割と中立に歴史を述べているように思います。
お礼
回答ありがとうございました。 ご紹介のページは時間をかけて読ませていただきます。 それにしても、医療で必要なら医師の声があってもいいのではないかと不思議に思います。繰り返しですが。
>本当に必要なら、医師の声があってもいいと思うのですが、どうでしょうか? 私もそう思いますね。麻薬だって必要なものは認められているのですから、厚生労働省なり医学会の権威が有効性を訴えれば可能なように思います。 世界的に見ても大麻が治療薬として不可欠という議論は見たことがありません。これは代替品が色々あり、必須ではないのではと思うのです。ただ、副作用が極めて小さいという特徴が大麻にはありますので、常習する必要がある人にはもしかしたら有益性があるのかも知れません。たとえば喘息にも効果があり、昔はよく使われていたようです。 でも有益性があるにもかかわらず誰も声を上げていないだけかもしれません。というのも薬のメーカにとっては大麻が治療薬として認められても利益にならないどころから損失になります。 すると最近では民間との共同研究が大事だという独立行政法人化が進む先生が積極的に言い出すというのは考えられないからです。 なのでなんとも判断しかねますね。この辺はマスコミが中心になって調べ上げないとわからないように思います。 特に国内だけでなく海外での研究レポートなどがどうなっているのかなど、広範囲な調査をしないとなんとも結論を出せません。 ただ大麻の是非については世界的にも議論されているようですが、あまり医薬品としての有益性を全面に取り上げたものは少ないように思うのですが、、、、
お礼
再びの回答ありがとうございます。 >世界的に見ても大麻が治療薬として不可欠という議論は >見たことがありません。 世界的かどうかは別として、これは私も見たことがありません。不思議です。
- daibutsuda
- ベストアンサー率34% (268/780)
#2です。 尊属殺人の件も私は詳しく知っているわけではないのですが、実際に尊属殺人が起きた際に刑法の尊属殺人に関する規定は「法の下の平等」を定めた憲法に反するため検察の求刑(尊属殺人なので重い罪を要求)を無効とし、普通の殺人と同等の基準で裁いた、ということだと理解しています。 したがって、この裁判自体は違憲立法審査ではないですね。 もっとも、最高裁で無効とされた条文などもはや意味はありませんから、その後国会で刑法を修正したのではなかったでしょうか? この一連の流れは「違憲立法審査」ではないと認識してます(間違ってたら誰か指摘してください)。 これとは別に、最高裁判所は「こりゃ明らかに違憲だ」という法律が制定された場合、独自に違憲立法審査を起こすことができたと思いますが、大麻取締法に関しては黙認しています。 さらに、大麻取締法で訴えられた人が有罪判決を受けている現状を考えると、違憲とは判断していないということになりますね。もっとも、違憲判断が可能なのは最高裁だけのはずですから、地方裁判所などでは現行法どおりに裁かないといけないような気がします(これも自信なしです、誰か突っ込んでください)。 大麻取締法で訴えられた人が一度最高裁まで行って、違憲の主張をしてそれが裁判官に支持されなければ、はっきり合憲という結論が出ることになりますね。 その後は、最高裁判所が合憲と判断した以上、一国民がなんと騒ごうが合憲ということになるでしょう。
お礼
再びの回答ありがとうございます。 この回答については、私も少し時間をかけてみたいと考えます。
大麻規制は難しい問題かと思います。有害性という観点で見れば確かにタバコやお酒の方が有害性が高いという合理的な主張は可能でしょう。ただ、それと憲法がどうかかかわるのか。。。。 また医療用目的の解禁という意味で言うと、確かに「麻薬」に分類されるものでも「医療用」として認められているヘロインなどがありますので、「麻薬」に該当しない大麻が一律に全部がだめという規制は確かに疑問点はあります。大麻は治療薬としてもさまざまに有効であるという話はありますからね。ただ他にも治療薬がある中で必須なのかどうかは疑問がありますけど。 法律が憲法に反しているかどうかは別問題です。たとえ無害であるとか有益であるという物質であっても、何らかの必要性があるのであれば、法律で禁止するということは意味あることですから。 大麻の場合に問題とされているのは、社会的に「麻薬」の使用につながりかねないという話ですよね。 いわゆる「公共の福祉」が「医療用」としては認められても、「社会的な必要性」があるのであれば、「公共の福祉」にかなうとされれば規制は合理的です。治療薬として代替品が無く国民の健康と安全が阻害されているというのであれば別ですが、、、 大麻規制についていうと歴史的に日本は大麻を治療薬として重宝してきたこともあり、現在の禁止というのはアメリカの圧力で作っただけという話もありますので(なんせお酒も違法にしてしまうような国ですから、、、)、日本の国民一人一人の意見として、規制すべきかどうかについてまじめに議論されたことが無いという問題点は抱えています。 最近でもイギリスなど合法とする国も出てきていますしね。日本でも議論した方がよいとは思います。 問題提起としてはよいかもしれませんね。認められるかどうかは別にして。 では。
お礼
回答ありがとうございます。 >大麻は治療薬としてもさまざまに有効であるという話はありますからね。ただ他にも治療薬がある中で必須なのかどうかは疑問がありますけど。 このことについても、私は判断しかねています。 本当に必要なら、医師の声があってもいいと思うのですが、どうでしょうか?
- daibutsuda
- ベストアンサー率34% (268/780)
まったく見込みがないわけではないと思いますが、厳しいでしょう。 ページ見ましたが、趣旨はわかります。ただ、書いている人が考え違いをしているところがあります。それは、司法が大麻取締法を元に人を裁いていることを批判している点です。 司法は、立法府(国会)が決めた法律に従って人を裁くことしかできないのです。国会が決めた法律を無視したら、それこそ憲法違反です。 日本国憲法第76条の3「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」 平たく言うと、「裁判官は、憲法・法律の範囲内に限って(良心に従うかぎり)どんな判断を下してもOK」ってことですから。 だから司法を責めるのはお門違いです。責めるべきは立法府のみ(行政:警察・検察も、立法府の定めた法律に従って動いてるに過ぎません)で、裁判所には違憲立法の審査申し立てを行うべきでしょう。 さらに、大きな不足点として「違憲、違憲」と騒いでますが、具体的に憲法何条にどのように反しているか記載していない点です。フォーカスが違憲立法の審査申し立てである以上、これは重要です。 おそらく「自由権」のことを言っていると思うのですが、基本的人権と異なり自由権はすべての国民に無条件に与えられるものではありません。たとえば、囚人には基本的人権はありますが自由権がありません。自由権は、国民の義務を満たしている人に与えられる2次的な権利と考えられます。 国民の義務とは、公共の福祉に貢献すること。だから、勤労の義務などが国民には課せられています。マリファナの常用が、これらの国民の義務の遂行に悪影響を及ぼす可能性があると考えれば、あながち違憲とはいえません。 違憲、違憲と騒ぎ立てる前に、憲法を理解してるのですか?憲法に書いてある国民の義務をあなたは果たしているのですか?とこの方には問いたいですね。 個人的には、酒造法のほうがよっぽど悪法だと思いますけどね。
お礼
回答ありがとうございます。 daibutsudaさんお久しぶりです。 少し疑問に感じましたが、かつて尊属殺人の条文がが憲法に違反すると裁判所が判断したことがありましたが、 そうした裁判所としての判断は不可能なのですか? もしよかったら再回答願います。
ないでしょう(^_^;(いや、分かりませんけどね) 質問文中にあるURLで、原告が訴えていることは事実ですが、これじゃあ「あんた吸いたいだけでしょ」と言われても文句言えません。 なぜなら、現在では「タバコの喫煙が認められている方がむしろ異常」という考え方が、徐々に主流になりつつあるからです。 また、間違ってはいないだけで、理論的に文句のつけようがないわけじゃないです。 マリファナは、一般的なドラッグと違って肉体依存はしませんが、精神依存したり、または他のドラッグへの『導入薬』となったりします。 こういった点は、マリファナの喫煙を認めればいい、という問題ではなく(タバコのように、歴史的経緯がちゃんとあれば別ですが)、むしろ日本の合法麻薬が1つ増えてしまうだけです。 これらのことを原告は全く触れておらず、あきらかに自分に都合のいいことしか書かれていません。
お礼
回答ありがとうございます。 なるほど、「どうして解禁に向かうか」ということが、 言われてみればおかしいですよね。 「もっと規制を」という判断もできるのですから。 参考にします。
補足
>または他のドラッグへの『導入薬』となったりします。 人によってはこうした「踏み石論」は否定なさる方がいますが、どうなのでしょう? もしよかったら補足願えますか?
お礼
回答ありがとうございました。 多くの解説は役に立ちます。 昭和60年から、「大麻の規制は憲法違反」という判決が出ていないのなら、この裁判に勝ち目はありませんね。 よくわかりました。