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炭を焼くときと燃やすときの違い
すごく初歩的な質問で申し訳ないのですが、木炭は、熱を加えて作りますよね。で、できあがったものがなぜまた燃料になるのか今一つ分かりません。 化学変化にどういう違いがあるのでしょうか。 「炭焼き」というのは、何が焼けて木炭になるのでしょうか。
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まづ最初に,「化学変化」とは何かを述べておきます。物質は様々な分子で出来,各分子は原子が結合して出来ています。この原子同士の結合が切れて,新たな結合が生じるのが化学反応で,化学反応が起これば「化学変化」があると言えます。 今の場合,木炭を作る段階では,酸素の無い状態で木を加熱します。木の成分は inorganicchemist さん,nozomi500 さん,MiJun さんが挙げておられる様に主として有機化合物です。つまり,炭素,水素,酸素を中心とし,窒素や硫黄等も含みます。 で,これらを加熱すると,inorganicchemist さんがお書きの様に OH 基(酸素の大部分がこれです)は水となって飛んでいきます(脱水反応と言います)。窒素原子はアンモニアとして,硫黄原子は硫化水素等としてやはり飛んでいきます。しかし,炭素-炭素結合を切る程のエネルギ-が得られませんので,炭素は後に残る事になって木炭が得られます。 この場合,元あった炭素と酸素(窒素,硫黄)との結合が切れて新たな結合が生じています。したがって,化学反応 =「化学変化」が起こっています。 一方,木炭を燃やす場合は,酸素の存在下で加熱します。この場合は,酸素と炭素の結合が生じると多くのエネルギ-が生じますので,炭素-炭素結合も切れて二酸化炭素になります。この場合もやはり化学反応 =「化学変化」は起こっています。 どちらの場合も「化学変化」は起こっているわけですが,何が違うかというと酸素が存在するかどうかです。で,酸素と反応して熱や光の出る反応を燃焼と言います。 つまり,「化学変化にどういう違いがあるのでしょうか。」と言えば,木炭を作る段階では「燃焼」が起きていないが,木炭を使う段階では「燃焼」が起きている点が違います。 以上でお分かりだと思いますが,「炭焼き」というのは何かを焼いて木炭にしているわけではないのです。「焼き」と言う表現を使っていますが,焼いていません。これが「化学変化」の違いです。 いかがでしょうか。私も別に炭焼きの専門家ではありませんので,間違っているようでしたら,遠慮なくツッコミを入れて下さい。素直に謝りますので。
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以下の参考URLサイトは参考になりますでしょうか? 「黒炭と白炭の違い」 ◎http://www.dango.ne.jp/matsumot/mame/page8.html (備長炭の成分分析結果) 「燃焼」に関しては、 ◎http://www1.fuji-tokoha-u.ac.jp/~kihara/chem/fire/sumi2.html (木炭の燃焼のしくみ) ◎http://www1.fuji-tokoha-u.ac.jp/~kihara/chem/fire/yougo.html#kun (用語解説のページ) 一般に木材には ・セルロース ・リグニン ・ヘミセルロース ・水分 ・無機分 ・微量成分等 が含まれます。 「炭を焼く」には上記の「白炭」「黒炭」等があり、温度が異なります。それによって、同じ樹木でも熱分解物(冷却すれ木酢液)の成分も異なる可能性があります。 従って、正確(?)には温度によって分解成分とその割合は異なることもありえます。 ⇒主題の炭焼きと燃焼では「化学変化」の違いがあります。 蛇足で手元に資料がありませんが、木材にふくまれる蛋白成分は上記のセルロース・リグニン等に比較すればマイナー成分と思いますが・・・? ご参考まで。
お礼
ありがとうございます。お教えいただいたURL、これからゆっくり読んで勉強します。
- nozomi500
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「不純物」というと、その他の物質に失礼(別に木炭のために木があるわけでない)なので、控えます。 「木炭」の主成分はほとんどが炭素です。燃えるときは赤くなって二酸化炭素を放出して、あと灰が残ります。灰は無機質の塊と思ってください。 木が燃えるときは炎をあげ、煙も出しながら燃えます。最後は灰になります。炎を上げるということは、燃える気体(微細な固体もふくめ)がある、ということです。 植物の体はいろんな構成物質から出来ています。野菜を食べるときも、ビタミンがどうだとか、いいます。 炭焼きをすると、たんぱく質などの有機化合物が化学変化して出て行きます。煙になって出て行くものもあれば、タール状になって出て行くものもあります。(「木酢液」というのは、このときに出手くるタール状物質を含んだ液体) 昔、中学校の理科実験で、割り箸を試験管で蒸し焼きして、出てくる煙にマッチの火を近づけると炎を上げて燃える、試験管に単価した割り箸とタール状の液体がのこる、というのをやりました。 hiro1001さんは「ない」といわれますが、たんぱく質がタールに変化するのも立派な化学反応ですね。 酸素が不足しているから、酸化して二酸化炭素になってはいかない。 高温で焼くほど、残った炭素の割合が高くなるので「良質」の炭だといえます。 たんぱく質も大きな分子ですが、炭になるような、炭素どうしが連なった分子構造でないので、セルロースにくらべて分解しやすいのです。
お礼
木炭が燃えるときに炎が出ないことも、そううかがうと理解できます。 ありがとうございました。
- inorganicchemist
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木炭は当然、木を燃やして作るのですが、 植物の身体は主にセルロースというものからできています。 このセルロースというのは、グルコース(ブドウ糖)の 親戚みたいのもので、いずれも炭水化物の一種です。 炭水化物はその字の通り、「炭(=炭素)」が「水と化合した物」 と解釈することもできます。この状態から、水を除くと「炭」 ができるのです。 「炭」についての専門的な知識はありませんが、 おそらく「炭水化物」から「水」を取り除くのが 「炭焼き」で、そのときは、空気をあまり存在させないのだろうと思います。 炭水化物 → 炭 + 水 で、水がなくなって、燃えやすく、燃やしても煙がでなくなった 状態が「炭」でこれが酸化される(燃焼する)ときに 燃料として用いられてるのだと思います。 炭 + 空気(酸素)→ 二酸化炭素
お礼
ということは、ブドウ糖も蒸し焼きにすれば、粉状の炭になるのでしょうか。 燃焼=酸化ということは、炭を作るときには、木は燃えていないのですね。 ありがとうございました。
- hiro1001
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炭の原料は、山にある木で作ります。 木で有れば何でも良いかというと実は良い炭を作るためには木も決まってくるのですが、基本的にはどんな木でも炭になります。 普通木の中にはいろんなものが含まれています。 人の体を見ても判るように、木も生きていますから沢山の不純物を含んでいます。 それを、蒸し焼きにすることによって炭素だけを残そうとしたものが炭なのです。 純粋に炭素だけが残るわけでは無く、ミネラルなども残りますが、ほとんどの余分なものは蒸気と一緒に外に出てしまいます。 この段階では化学変化はほとんどありません。 答えになっているかどうか判りませんが、酸素を与えないで熱を加えて作るのが炭だと考えても良いのではないかと思います。 残った炭はほとんど炭素ですから、酸素と反応して熱を出すというわけです。 この段階では化学変化がありますね。 ですから、化学変化にどういう違いがと問われると、炭を作る段階では化学変化が無く炭を燃料に使ったときには化学変化があると答えるのが良いのでしょうね。 回りくどい書き方で申し訳有りませんでした。
お礼
ありがとうございます。炭焼きは蒸し焼きにするのですね。
お礼
よくわかりました。「炭焼き」という言葉に惑わされていましたが、これで理解できました。ありがとうございます。