#1です。
暑さのせいで、なぜ今頃この格言が取り上げられたのは、その背景に気づきませんでした。
FTは、アメリカが同盟国の秘密情報をスパイしている事件について論評したのですね。理想主義に立つ国際政治の専門家は非難し、現実主義を報じる専門家はパーマーストンの格言を引いて擁護に回ったということでしょうか。
そうであれば、この格言の訳文にはもう少し工夫があればよかった。原文は以下の通りです。
それゆえに諸国を英国の永遠の味方、もしくは永久の敵とみなすのは狭い了見だ。永遠の味方もいなければ永久の敵もいない。我々の関心は永遠で永久だ、そしてそれに従うことこそが我々の義務である。
Therefore I say that it is a narrow policy to suppose that this country or that is to be marked out as the eternal ally or the perpetual enemy of England. We have no eternal allies, and we have no perpetual enemies. Our interests are eternal and perpetual, and those interests it is our duty to follow.
1848年3月1日 英国下院にて
つまり今回発覚した例でいうと「永遠の友」ではなくて「永遠の同盟国」というわけでした。
また、永遠の敵もいないということは、北朝鮮や中国にも当てはまることになります。端倪すべからざる英国外交でしょうか。