消防設備士です。実際に、売ったり点検したりしています。
本当の話をします。
1・・有効期限はどれでも法律で決まっていて同じですか。
実を言うと、平成22年まで有効期限というものはありませんでした。平成22年12月22日の消防法改正で有効期限というか10年経過した消火器の耐圧試験の義務付けという形で有効期限が決まりました。
それ以前も保証期限とか有効期限などの表示はあったのですが、これは消防法ではなく「消費者保護法(PL法)」の製造者責任に対応するために「製造してからいつまでも使えるわけではないですよ」という表示が必要になり、消火器工業会が過去の事故事例から8年と推奨していたものです。
現在、新品で購入したものは10年の有効期限があります。期限切れは耐圧試験が必要です。
2・・期限が切れたものでも使用できそうな気がしますがいかがですか。保証はないものの運次第でしょうか。
まあ、運です。有資格者であれば運ではなく確認で危ない消火器を特定できます。10年でも20年でもメンテナンスがしっかりしていれば、大丈夫な消火器はたしかにあります。
しかし、消火器というのは、昭和40年ぐらいから普及し始め、毎年100万本程度出荷されています。個人住宅分は毎年10万本程度と推測されていますが、昭和40年からみれば400万本以上どこかにあるわけです。
また、回収システムが整っているとはいえませんので、未だに古い消火器が雨ざらしになっておいてあるのを私もよく見ます。これらの消火器を、子供がいたずらで触ったら・・
実際に、大阪でこのような事故がおき、不幸なことにその場所はちゃんと点検している消火器もあったのに、誰かが不法に放置した消火器を子供が触って破裂したそうです。この事故をきっかけとして消防庁が業界団体を押し切って法改正した、というのは内緒の話です。
消火器も間違えれば死亡事故につながります。保証がなくて運で大丈夫かどうか試すのは、辞めて欲しいな、というのが本音です。
お礼
詳細をありがとうございました。 死亡事故にもつながる危険なものですから、運次第というのはとんでもないことのようですね。