専門家でも難しい話ではないでしょうか。
こうやれば儲かるのが確実とかがわかればみんながそうできます。
世の中には、みんなが同じAの行動をするとみんなが損をするが、一部の人だけがAの行動をして他の人がそれと違う行動をするとAをした人だけが得をするということもあります。
例えば、同じ商品を10社が販売していて、総額10億円の売上で、各社は1億円の売上で1千万円儲かるとします。このとき1社が9500万円の売上ならば500万円になるような価格で値下げしてしたとします。この会社の売価は安いので、購入者はこの会社から買うように行動し、この会社が結果9億5千万円売れたとすると、5000万円の儲けをあげることができそうです。しかし、このような状態になると他の会社は大変ですから、どの会社も値下げすると、結果10社は、総額9億5千万円の売上で、1社の売上は9500万円、儲けは500万円に下がります。それを考えると、値下げをするのはためらわれます。
国債でも社債でも株でも、自分が買った価格より高く売れれば儲かり、売った価格より安い価格で買い戻せれば儲かります。しかし、「国債を100兆円分みんなが持っている」状況を初期の状況とした場合、国債を売って買い戻すことで儲かるのは限られた条件のときだけです。例えば、(多くの人が国債を売ろうとし10兆円分を売り、それを8兆円で買い戻せた)という場合、2兆円儲かったでしょうか。国債が値下がりしてしまったので国債の総額は80兆円になってしまっています。2兆円儲かったとしても、トータルでは18兆円の損になってしまいます。
うっかり国債の価格を下げてしまうと大変だと、国債をもっている多くの人は思うでしょう。そうすると、一部の人が国債の値下がりを期待してガンガンと大量の売りに廻っても、それをきっかけに急激に値下がりするのではなくて、政府や銀行が国債を買い支えようとします。その結果国債が下がらないと、国債を売りに出した人や空売りを仕掛けた人は儲けが得られないというよりも、逆に損をする危険が高まります。
日本の国債が大変な状況にあるのは間違いない事実であっても、いつその財政破綻が起きるかの推定はとても難しいです。うっかり間違えて空売りしたら大損します。素晴らしいタイミングで空売りでき安値で買い戻せたら、巨額の大儲けができます。
(本当は、国債の価格と利回りの両方を考えるのでしょうが、簡単な説明になっています)
邦銀は既に大量の国債も持っているし、日本の財政破綻、経済混乱が起きてはその先の銀行経営もなりたたなくなることがわかっているので、国債を空売りして儲ける戦術を簡単にとるわけにはいきません。
アメリカや外国に経済基盤を持っているヘッジファンドと、日本経済を基盤にしている邦銀などとは、同じような戦略はとれないのです。
アメリカ国債でも、これが暴落したら、アメリカ経済だけでなく、世界経済が大打撃を受けます。そうなったとしても問題ないくらいに自分だけは大儲けして後は悠々自適にやれると読めて、大儲けできるだけの戦術を展開することが可能な資金力を持っているところ・人たちだけが、本格的にヘッジファンドとして活躍できます。 普通は、それほどのことを仕掛けることはなかなかできるものではないです。(防衛しようとする人や政府、資金の力も侮れませんから)
お礼
空売りという方法で利益を取ろうとするのですね、有難うございました。