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経済政策について教えてください。
石橋湛山蔵相の復興金融公庫がケインズ型経済政策であり、ドッジラインが自由主義経済政策であるというのはなぜですか?
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1番回答者です。例によって、この時間帯は会社でコーヒーを飲みながら書いてますが、経済は難しいので正確に書くとわかりにくくなります。わかりやすくというと非常にザックリとゼロか1かで分けるような説明になります、とまず言い訳から入ります。 まず、ケインズ型経済政策とはどんなものかザックリ分かってもらいたいのですが、ケインズはイギリスの経済学者で、貨幣の研究から入って、有名な「雇用・利子および貨幣の一般理論」を書いて、不景気の原因は「有効需要」の不足であるとしました。 だから、大恐慌に際しては、政府が積極的に(財政赤字にしてでも)有効需要を作り出して、商品生産やサービスなどを活発にして、雇用機会を増やしてやればいい(そうすべきだ)、というわけです。 これはアメリカのルーズベルトが賛同し、1929年の大恐慌に際してニューディール政策として実行しました。 復興金融公庫は、戦後の復興を勧めるために、復興金融債を発行して巨額資金を集め、学校でも習ったと思いますが、鉄鋼や石炭など産業の基盤になる産業分野に集中的に投資しました。 これを「傾斜生産方式」といいいます。(今産業の米というと、ICなどでしょうが、当時は鉄でした。鉄は国家也、などとも言われたほど) 例えば石炭産業が活発になると、炭坑夫の雇用が生まれ、彼らと家族を住ませる住宅が各地に造られ、彼らの食料をまかなうために農業生産や漁業生産が活発になり、娯楽も必要で映画産業も・・・ と言った具合に、各産業に需要が広がるのです。 インフレを恐れず、政府資金を市場に投入し、雇用をはかり、有効需要を拡大するというやり方ですから、ケインズの主張した方針に沿った行動をしたのです。 しかし、結果的に(予想通り)インフレを引き起こしました。 で、ドッジの登場になります。 ドッジはアメリカ人で銀行頭取ですね。 アメリカが日本に要求した、「経済九原則」を実現するために招かれました。 (経済九原則は全部は覚えていません。事典でも引いてください) 彼がドッジラインと呼ばれる「経済政策基本線」を発表してなにをやらせたかというと、超均衡予算の実施や財政支出の削減(財政赤字を出してでも有効需要を作ろうという考え方の否定)です。 通貨レートも決め(つまり輸入自由化への扉を開いた)、傾斜生産方式も止めさせ、管理・統制経済体制から開放(自由競争)経済へ移行させました。 市場は金詰まりになり、あるいは競争に耐えられず、中小零細企業がバタバタと倒産したそうですが、産業・企業は淘汰され、合理化が促進され、日本経済はご存じのような状態(地球規模の競争に打ち勝ってわが世の春を迎えること)になっていきました。 で、お尋ねのように、ドッジラインは「自由主義経済政策」と言われるのでしょう。
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- fujic-1990
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簡単に「なぜですか」と言われると、復興金融公庫はケインズが唱えた経済政策に沿った(ような)活動をしており、ドッジ・ラインは産業社会に競争を導入したからです、という説明になるのですが・・・ 。 それでよろしいでしょうか? たぶん、満足はされないのだと思いますが、こういう質問をされるということは、ケインズがどんなことを主張したかとか、復興金融公庫が何をしたか、ドッジ・ラインは・・・ ということは理解されているのですよね? となると、どこでつまづいて質問になったのか、補足して頂けると(補足内容が私に理解できると)解説できるかもしれませんが、いまのところ、それぞれの活動について、事典的な解説しかできません。 とりあげて復興金融公庫はケインズ型経済政策だ、とか、ドッジ・ラインは自由主義型経済政策だ、と考えつきませんが、活動内容が判れば、「まあ、言われてみればそうかな」くらいには自然に思うので、質問者さんもそう思うだろうと思うのですけどねぇ。 なにが問題なんだろうと。とりあえず、私が理解できるように補足して頂けると、「ああ、それはね」という話になるんですけど。
補足
経済に関しては全くの無知です。初学者にもわかる説明をできたらお願い致します。
お礼
初学者の私でも理解できました。とても丁寧に説明してくださってありがとうございます。