薬学には,「衛生化学」という大きな分野があります.
これは,薬だけでなく食品や水,空気その他人間のまわりにある
物質についての学問です.「毒物」の研究でもあります.
ここを専門とした場合,多くは公務員になります.それは
国立医薬品食品衛生研究所,検疫,都道府県の衛生試験所,食品衛生,
警察の科学捜査研究所,大学での裁判化学分野 など多岐にわたった
ものになります.
この分野の知識を持った人が市中の薬局等にいる場合は
学校薬剤師をも兼任することがあります.
また,病院における専門薬剤師の存在も見逃せません.医師を含めた
他職種に対して薬物の専門家として対等以上の役割を果たしています.
ドラッグストアの仕事が少なくなったとしても,薬剤師にしかできない
専門的な仕事は多くあり,なくなることはないと考えています.
医療職は,どの職種であっても,どこかに「勤務」する限り莫大な
収入を得ることは不可能です.(IT関連や金融部門とは違うのです)
試験管を振るような「おもしろい」仕事が,現に「ヒトの役にたっている」ことを
毎日感じられるのが,薬剤師の仕事だと思っております.これは製薬企業で
創薬にたずさわる人にも同意してもらえることでしょう.
先の東日本大震災では,薬剤師がたりなくて困ってしまった施設が多くありました.
処方箋を受ける薬局の薬剤師の数が余る,という考え方は
処方箋を発行する医師の方も余ることになる,ということになりませんか?
もし,機会があれば下記の本をお読みください.
『日本薬学史』 清水藤太郎
『薬』 宮木高明
『薬の話』 山崎幹夫
『赤髪の白雪姫』あきづき空太