地すべりは地盤が高いところから低いところへ「重力で滑り落ちる」現象です.粘土が多い,地下水変動なども重要ですが,基本的に山地であることなど地形の占める要因が大きな現象です.すべる原因としては地震動や地下水位の上昇などがあります.すべり面は断層とよく似ていますが,地すべりによるずれの跡は一般に広がりが狭く,湾曲し平面では馬蹄形を示すことが多いのです.
一方いわゆる活断層は,広域にかかる地殻応力で地盤が破壊(地震の発生)されてずれた跡が地表で観察され,繰り返し活動すると考えられるものです.活断層は,一般に地形の影響はあまり受けずに直線状の分布を示し,数km程度以上追跡できることが普通です.
断層や地すべり面で岩石が破壊されたところが破砕帯です.破砕帯は岩石ずれた跡ですが,それが地震による断層でできたものなのか,ローカルな地すべりでできたものなのかは,全体の分布などを調べないと判断できません.
地すべりは比較的ローカルな現象で,工学的に発生しないように対処もできます.一方,活断層はグローバルな地殻の動きに支配されて起きる現象なので,活断層の動きそのものを止めることは不可能です.多くの道路やトンネル,橋が活断層を跨いで建設されているように,活断層が動いても壊れないように工学的に対処することはある程度可能ですが,原発の場合もし壊れた場合のリスクが高いので,そもそも作ってはいけないことになっているのです.
今回議論になっているのは,関電が以前見つけていて“F6”と名付けていた破砕帯とは微妙に違う位置にある破砕帯で,連続性があるかどうかで判断は分かれることになるのだろうと思います.
お礼
早急な回答ありがとうございました。 両者の発生する場所については、 地すべりは、地質的不連続面すなわち地質が異なっている面で起き、 断層は、(地下の深いところはともかく)地表に近いところは、地質が異なっているかどうかは、関係がないのですね。