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植物学名の区別方法とは?
- マメ科を含む植物の学名にはFabaceae、Faboideae、Leguminosae、Papilionaceaeの4つの選択肢があります。同様に、キク科の学名にはAsteraceaeとCompositaeがあります。また、一部の植物の学名は動物の学名と酷似している場合もあります。
- しかし、植物の学名は分類の仕方によって異なることもあります。例えば、アブラナ科の植物はBrassicaceaeとCruciferaeという学名で表されます。このように、語尾の形が違う場合でも同じ植物を指すことができます。
- 植物の学名の区別方法は、植物の形態や分類学的特徴、進化の歴史などを考慮して決定されます。研究者や分類学の専門家が学名を付ける際には、これらの要素を総合的に考慮して決定します。
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分類学は専門ではありませんが、お邪魔致します。m(_ _)m 質問者さまの今回のご質問では、とても良い勉強をさせて頂きました。ありがとうございます。m(_ _)m ● > マメ科に対応する学名は調べてみるとFabaceae,Faboideae,Leguminosae,Papilionaceaeの4件が見つかります。 > また、キク科はAsteraceaeとCompositaeの2件が出てきます。 > ほかにもいくつかで対応する学名があるようですね。 まず、上記の件について、関連するサイトを下記にご紹介致します。 1) 雑記(ニュースなど) - 進化・分類学 (きまぐれ生物学) ↑ ページ上部の 「"メルボルン規約" に向けた提案 III(2010.08.06)」 の項目をご覧下さい。 http://www2.tba.t-com.ne.jp/nakada/takashi/scripts/evol.html 原則的に、学名は、一つの科について、一つの学名が対応すべきであると考えます。上記引用サイト1 によると、まず マメ科では、「広義マメ科(Fabaceae/Leguminosae)とその中のマメ亜科 (Faboideae/Papilionoideae),あるいは広義マメ科を分割して亜科を科に格上げした場合の狭義マメ科 (Fabaceae/Papilionaceae)が代替名として認められています。ちなみに Papilionaceae は一見正しい語尾に見えますが, 語幹が属名に基づいていません。 ≪ここで、段落変更≫ しかし同じ科を指す学名が 2 つ以上(マメ科の場合には分類体系によって 3 つ)存在することは好ましくありません」 (≪≫ 部分の挿入以外は、原文ママ) とあり、国際植物命名規約上、問題である とされていることのようです。 ちなみに、同じく上記サイト1 より、質問者さまがご指摘のマメ科・キク科を含めて、「しかし 9 科 1 亜科の学名については例外として, 伝統的に使用されてきた代替名を正式に発表された科名として使用することが認められています(第18.5,18.6,19.7)。 具体的にはキク科(Asteraceae/Compositae),アブラナ科(Brassicaceae/Cruciferae),イネ科(Poaceae/Gramineae), オトギリソウ科(Clusiaceae/Guttiferae),シソ科(Lamiaceae/Labiatae),ヤシ科(Arecaceae/Palmae), セリ科(Apiaceae/Umbelliferae),広義マメ科(Fabaceae/Leguminosae)とその中のマメ亜科 (Faboideae/Papilionoideae),あるいは広義マメ科を分割して亜科を科に格上げした場合の狭義マメ科 (Fabaceae/Papilionaceae)が代替名として認められています」 (原文ママ。前述引用文との重複部分有り) とのことです。 ● > 上の例のほか、アブラナ科のBrassicaceaeとCruciferaeのように語尾が“eae”でなく、“ae”となっているものは動物の学名と共通しているように思えます。 学名は、動物・植物・藻類・菌類・細菌の全てにおいて、基本的に、ラテン語表記です(下記引用2)。ですので、ご質問の内の 「動物の学名と共通しているように思えます」 の意味が、残念ながら よく取れなかった ( m(_ _)m ) というのも あるのですが、上記の件は、結果的に、ラテン語の語尾変化の問題を仰っていることになるかと推測致します。 上記サイト1 では、「植物の科名は原則として属名の語幹に "-aceae" を加えたもの,亜科の学名は "-oideae" を加えたもの, としてそれぞれ定められています(第18.1,19.1条)」 (原文ママ) とありました。 私自身は、分類学だけでなく、ラテン語の知識も不充分ですので、この件は、これ以上は 控えさせて頂きます (ラテン語については、場合によっては、外国語カテゴリーでのご質問も、アリかと思います)。m(_ _)m 下記引用3・4 はオマケです。^ ^ 2) 学名 (Wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E5%90%8D 3) 国際藻類・菌類・植物命名規約 (Wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E8%97%BB%E9%A1%9E%E3%83%BB%E8%8F%8C%E9%A1%9E%E3%83%BB%E6%A4%8D%E7%89%A9%E5%91%BD%E5%90%8D%E8%A6%8F%E7%B4%84 4) リンク/命名規約 (日本植物分類学会) ↑ 「国際藻類・菌類・植物命名規約」 に関連するリンク集です。 http://www.e-jsps.com/wiki/wiki.cgi?page=%A5%EA%A5%F3%A5%AF%2F%CC%BF%CC%BE%B5%AC%CC%F3 ● > 上記の例のようなものはどのように区別されているのかお教えいただきたいと思います。 マメ科については、まず、上記サイト1 の 「広義マメ科・狭義マメ科」 の違いがあるようです (ご参考までに、下記引用5)。さらに、広義マメ科 「Fabaceae/Leguminosae」 と狭義マメ科 「Fabaceae/Papilionaceae」 それぞれの後者の科名 (広義マメ科の Leguminosae、狭義マメ科の Papilionaceae) については、学名の 「代替名」 と呼ばれるものです (下記引用7)。代替名は、下記引用サイト7 によれば、「植物の科名はタイプ属の語幹に-ceaeを加えたものであるが、古くからキク科やイネ科などでは、labia = 唇など、その科の特徴を表す語から科名を作って使っていた」 (原文ママ) とのことで、この 「古くから」 の科名が、慣用的に 「代替名」 として残っているもののようです。 キク科については、科名 「Asteraceae/Compositae」 の内の後者 Compositae は、前述引用文では、代替名の一つとして挙げられていますが、これは、学名の 「保留名」 にも当たるようです (下記引用6・7)。保留名は、下記サイト7 によれば、「生物分類学で、新しい研究の成果や命名権に関連する古い文献の発見などによって、ラテン語の分類名(学名)が改訂された後も、旧名を従来通り使用を認める(保留する)もの」 (原文ママ) とのことです。やはり、古い科名の慣用的な使用のようですね。 5) マメ科 (Wikipedia) ↑ 「広義マメ科」 についてのみ、若干の言及有り。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%A1%E7%A7%91 6) キク科 (Wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%AF%E7%A7%91 7) 保留名 (Wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%9D%E7%95%99%E5%90%8D 今回引用のサイトは、全てよそさまのサイトです。ありがとうございます。m(_ _)m 長文失礼致しました。
お礼
pseudos さま、大変詳細な解説をどうもありがとうございました。 私の代わりにいろいろ調べていただいたようで、これは本来私が調査すべきことだったようです。私自体何も調べないで質問の形で丸投げしてしまい、申し訳ありません。 複数の学名が対応しているように見えるのは、広義と狭義の違いによるもの、保留名として存在するもの、などがあるわけですね。 なお、“eae”と“ae”の件ですが、動物の学名の語尾が大体“ae”となっているので“ae”となっていると私は印象的に動物を想起してしまう癖があったためです。 キク科、アブラナ科の例では以前Compositae、Cruciferae(これはアブラナ科を十字科と言っていたのに対応しているように見えます。)というのを覚えていたのに、最近はAsteraceae、Brassicaceaeのほうを多く見かけるようになってきた感じがしていました。