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超音波振動による応力除去
- 金属製管楽器の作製過程で金属内の応力を超音波振動で除去する発明品が特許登録されています。
- 超音波振動を長時間加えることで金属製管楽器の応力を除去または緩和し、音質を改善することが可能です。
- 超音波による応力測定はあるが、応力自体が除去される方法は少なく、科学的な根拠や他の実例の存在に関する疑問があります。
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#3です. >振動の強さはあまり関係ないのでしょうか。 「振動の強さ」は,おおいに関係があると思います.応力除去の効果は,振動が強ければ強いほど大きいと考えられます. しかし,超音波振動子(業界では,「工具ホーン」と呼ぶことが多いです)の「振動の強さ」には限界があり,強すぎると超音波振動子(ジュラルミン,チタン,特殊な鉄合金などの金属)が破断(亀裂が入って割れる)して使えなくなります. >ただ特許出願書の実験では38~42kHzといった周波数と時間は書いてあるのですが、 周波数 38~42kHz では,超音波振動子の先端(金属製管楽器に触れる部分)が,多分,30ミクロン以下であろうと推察できます.1ミクロンは,千分の1ミリメートルです. 超音波振動子は全体が超音波振動をしています.しかし,人が軽く手で触れても怪我はしません.強く握ると火傷をしますが・・・.超音波振動子を軽く触ると,「ツルツル」,「ヌルヌル」とした感じで滑りが良く,全く抵抗がありません. >出願書の図をみたところとても小さい(直径15mm程度?)ので 「直径15mm程度」というのは,多分,超音波振動子の先端(金属製管楽器に触れる部分)の直径ではないか(?)と推察しますが,超音波を発生させる部分(振動子と言います)は,直径15mm よりは大きいと思いますが・・・.振動子(超音波を発生させる部分)は電気信号を機械振動(超音波振動)に変換する素子です. 肝心なのは,超音波振動子の先端(金属製管楽器に触れる部分)をどのくらいの圧力をかけて金属製管楽器に押しつけるか? でしょう. これは,応力除去の装置としては,重要な条件ですから,特許出願書に周波数などと共に記載されているはずです. 数キログラム程度なら,人手でも出来ますが,10キログラム以上になると人手では出来ません.小型で簡単なプレス装置が必要になります. 完成品の金属製管楽器に超音波振動子の先端を接触させると,金属と金属の接触になるため,多分,金属製管楽器の表面にキズがつきます.ですから,金属製管楽器を製造中の途中の工程で超音波振動を加えるのではないでしょうか? 以上,取り留めもなく,書き綴りましたが,ご参考になるでしょうか?
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- Knotopolog
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10年ほど前まで,三十数年間にわたり,民間の強力超音波機器製造会社で,機械設計製造に携わっていた者です.自分で言うのも何ですが,超音波に関してはプロです. 結論から先に言いますと, ・・疑問1は,物理学的にも工学的にも十分な可能性があります. 特許出願の【要約】や【解決手段】に記述されていることは,私の経験からも事実に則しています. ・・疑問2の「加熱せずにできる応力除去の方法」は,あまり例が無いとは思います. しかし,この「金属製管楽器の音質改善方法」の【解決手段】に記述されている方法には,金属製管楽器を超音波振動体に接触させて,金属製管楽器の音質を改善する,と書いてあります. 超音波振動体を金属に接触させると,摩擦と振動により部分的に発熱します.この部分的な発熱効果で応力を除去する.と言う事も考えられなくもありません. また,(これは私の想像ですが)周波数10~60KHzの超音波振動により,金属内部の原子・分子の金属組成が変化して,応力が除去できる.という効果も有り得ます.この辺の詳細な内容は,特許出願書に実験結果として記述されているかも知れません. ・・疑問3 特許出願の【要約】や【解決手段】によれば,科学的な根拠は十分にあります. 特許の審査は,科学的な根拠を先に調べる,などと言う事はしません. 特許とは,科学的な妥当性以前に,独創性,実用性,新奇性,などが問われます.特許的製品は,人が使えて,見えて,触れて,人が満足するわけですから,これで科学的な根拠,妥当性は既に備えているわけです. 言い換えると,特許的製品は,科学的な根拠,妥当性の上に成り立っていると言えます.
お礼
とても興味深いです。 私自身はサックス奏者なのですが、 超音波振動子を取り寄せて実験してみようかと思います。 ただ特許出願書の実験では38~42kHzといった周波数と時間は書いてあるのですが、 振動の強さは書いてありません。 出願書の図をみたところとても小さい(直径15mm程度?)ので 振動の強さはあまり関係ないのでしょうか。 ご回答していただきどうもありがとうございます。
- tadys
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>金属製管楽器の、作製の課程で金属内にできた応力を超音波振動によって緩和、除去するという発明品が特許登録されています。 いいえ、この特許は審査請求がなされなかった為に、見なし取り下げになっております。 お示しのリンク先にも「取下」と表示されております。 特許登録がなされていたとしましても、それでもって科学的に正しいという証明にはなりません。 科学的には不正確な内容の特許が成立することはありますが、その特許に有用性が無いのであればだれも真似をしたいと思いませんので無害です。 もっとも、特許をネタに詐欺を働く輩がおりますので十分にご注意ください。 通常、特許は出願から18ヶ月で公開されます。 いずれ公開される、あるいはすでに公開されたものに対し、「特許出願中なので、詳細は明らかに出来ない」などというのは「内容の無い特許です」と言うのと同じだと思っても良いでしょう。 この特許の明細をご覧になりたければ、特許電子図書館(IPDL)からたどる事が可能です。 http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl 上記URLから、 特許・実用新案検索→特許・実用新案広報DBと進み、文献種別に「A」、文献番号に「2009-020128」を入力し、「文献番号照会」をクリックします。 でてきた文献番号をクリックすれば、経過情報などを見る事が出来ます。 >加熱せずにできる応力除去の方法というのはありますか。 工作機械のベースには鋳物を使う事が多々ありますが、この鋳物10年以上も放置をして応力を除く事をする場合もあるとの事です。 http://derodero69.tumblr.com/post/3483413020
お礼
なるほど、取り下げになっているのですね。 検索できるということで特許登録されていると思い込んでいました。 鋳物を放置して応力をとるという方法があるのですね。 そうすると楽器も、特にサックスなどは何十年も前に製作されたものがありますが それら古い管楽器の応力は製作当時と比べて、また現代の楽器に比べて 減っているということもあるのでしょうか。 それとも楽器はハンマーでたたいて成型したものなので応力は鋳物とは 比べものにならないほど大きく、あまり関係ないのでしょうか。 もちろん素人考えです。 新たに調べてみようと思いました。 ご返答どうもありがとうございました。
- アウストラロ ピテクス(@ngkdddjkk)
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ちょっと考えてみました。 要は焼き鈍し(半導体でよく使われるアニーリングと同じ)と同じように、金属内の原子の点欠陥や転位などを埋めて応力緩和をするのに超音波を用いるといったものでしょうか。(携帯からなんで、リンクを見られない) 転位等の部位に衝撃を集中させて原子の移動を促すといったものなんでしょうね。 できるのかもしれません。 焼き鈍し以外では、叩くなどして衝撃を与えて欠陥を埋めるくらいですかね。
お礼
金属の原子の移動ができるかもしれないのですね。 見た目が同じ金属で中の原子が少し移動するということが あるわけないんじゃないか、と思っていたのですが素人考えだったようです。 ご回答どうもありがとうございました。
お礼
ご回答いただき、どうもありがとうございます。 具体的な情報、とても参考になります。 >肝心なのは,どのくらいの圧力をかけて金属製管楽器に押しつけるか? でしょう. どのくらいの圧力で押し付けるかに関して、出願書を見直してもやはり具体的な数字はありませんでした。 出願書で解説されている振動の与え方は主に二つあって、 一つは楽器を振動子の上に置く方法と、二つ目はテープ状の金属に振動子を取り付けそれを楽器に「巻きつける」という方法です。 楽器の重さはサックスでもせいぜい3~4kgほどなので、いずれの方法をとっても押し付ける圧力は楽器の重さ(3~4kg)を越えることはなさそうです。 それで着実に振動が楽器に伝えることができるのか、考えてみると確かに疑問が残ります。 >製造中の途中の工程で超音波振動を加えるのではないでしょうか? 特許を出願した有限会社SAXZという会社はサックスのマウスピースを製作している会社で、サックスの本体自体を製造することはおそらく無いと思います。ですので完成した楽器に振動を与えるのだと思います。出願書の図でも完成した楽器に施しています。 確かに振動子と楽器の、金属同士が触れ合っていれば傷がついたり塗装が剥げたりしそうですね。 ご回答いただき、どうもありがとうございます。