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科学的社会主義について
社会主義と共産主義の違いを述べるうえで、科学的社会主義の役割、及びどういった思想で、どのような立ち位置のものなのでしょうか?教えてください。
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- kamobedanjoh
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『科学的社会主義』は、日本共産党が最初に提起した新しい社会科学用語です。 マルクス以前にも、色々な社会主義の理念が提唱されましたが、多くは理想社会のあり方についての世界の現実分析を欠いた観念的・空想的な論理に過ぎませんでした。 ヘーゲルの弁証法に学んだマルクスは、主としてイギリスの資本主義と、世界各国の実情を克明に分析する中で、唯物弁証法を提唱、社会科学の分野に現実的で実践的な革命理論を確立しました。『資本論』、『空想から科学への社会主義の発展』、『共産党宣言』など。その陰には、自然科学者であったエンゲルスの大きな助力がありました。 唯物弁証法という言葉は、王政維持のための反革命理論の論拠として『唯物論』が、信仰の自由を侵すものとして反利用されました。大正デモクラシーの流れを阻止しようとした日本の治安維持法や、各種反動理論、改革論者や労働運動に対する『赤攻撃』もその一環です。 最初にマルクスの提唱を実現させたのが、王制を打倒したフランス革命でした。革命フランスは、アメリカのイギリスに対する独立戦争を支援するなど、世界史を塗り替える役割を果たしましたが、周辺の王政諸国から敵視され、戦争に引き込まれたものの、これら諸国の軍隊を撃破し、武力革命の輸出に英雄的活躍を見せたのがナポレオンでした。その英雄主義は、皇帝ナポレオンの誕生で、歴史の歯車を逆回転させました。つまりフランス革命は失敗に帰しましたが、7月14日は日本ではパリ祭などと革命とはまるで無関係な言葉で伝えられていますが、フランス人は「人民が主人公」の『世界最初の人民主権の革命実現国』としての誇りの元に、「革命記念日」として祝います。フランス国歌『ラ・マルセーユ』は、パリの革命軍にマルセーユから派遣された、義勇軍の行進曲でした。 続いてレーニンの指導でロシア皇帝を倒し、二度にわたる内戦を経て、世界初の社会主義国としてソビエト連邦が成立しました。この時点で、暴力革命唯一論も幅を利かせてきました。 ソ連は革命の祖国として世界の革命運動の求心力と成り、世界の共産党・労働者党への総司令部の役割を演じようとしました。このことが、『マルクス・レーニン主義』の言葉を生み、革命勢力の合い言葉とも成りました。 スターリンは、マルクスの理論もレーニンの導きも無視して、社会帝国主義的路線を追求。反対者を次々と粛正し、諸外国の党内に自己への追随者を送り込み、スパイ活動や破壊活動まで行わせました。詳細は省きますが、毛沢東や金日成も独自にこれと同じ道を進みます。 『マルクス・レーニン主義』と言う用語が、個人崇拝と家父長的党内指導の原点と成り、党内派閥の混乱をも呼び込みます。また、マルクス・レーニンが生きていた時代と現代とでは、世界情勢も革命潮流とその理論、資本主義の発達段階上の現実も遙かに異なる事実を重視したのが、日本共産党です。 日本共産党は、ソビエトの崩壊直後、『諸手を挙げて歓迎する』と声明した世界唯一の政党です。 20世紀後半から党内討議を重ね、党の綱領と規約を確立させました。その中では、党の利益よりも国民の利益を優先させ、国民の幸福追求のため党の全力を挙げること。日本の現段階は、直接社会主義的改革を目指す情勢にはなく、国内政治の民主化を目指す段階にあり、その実現のためには党内派閥を禁止すると共に、党員の学習活動を進め、要求で一致する幅広い国民各層・各界との協力・共同を進めるべきとする、平和的移行のための多数派革命の立場を取っています。 以上の様な歴史的経過を経て、日本共産党は 『マルクス・レーニン主義』という用語を『科学的社会主義』に置き換えて使用しています。 なお、日本共産党は「社会主義」も「共産主義」も同義語 とする立場を取っています。これは、言葉の内容にさしたる意味の違いが無いことと、フルシチョフの『ソ連は社会主義の段階から、共産主義の段階へと革命を前進させた』等の陳腐な妄言が、ソビエト崩壊の過程で宣言されたこととも関連しています。 以上は私見に過ぎません。 日本共産党のホームページ http://www.jcp.or.jp/ から不破哲三氏の『古典講座』、志位委員長の『綱領講座』を辿ってみて下さい。
- Willyt
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マルクスエンゲルスが唱えた共産主義は生産手段を不動産も含めてすべて国家管理とし、能力に応じて働き、必要に応じて報酬を受けるという理想的な社会を実現しようとするもので、これを一気に達成するのが困難なために社会主義という過渡的段階が用意されたのです。これは能力に応じて働き、応分の報酬を得るという制度です。ソ連も中国もこの段階に留まっていました。 しかし実際には共産党員とそれに繋がる人達の報酬が不相応に大きくなってしまうのは当然のことですよね。
- Willyt
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マルクスエンゲルスが唱えた共産主義は生産手段を不動産も含めてすべて国家管理とし、能力に応じて働き、必要に応じて報酬を受けるという理想的な社会を実現しようとするもので、これを一気に達成するのが困難なために社会主義という過渡的段階が用意されたのです。これは能力に応じて働き、応分の報酬を得るという制度です。ソ連も中国もこの段階に留まっていました。 しかし実際には共産党とそれに繋がる人達の報酬が不相応に大きくなってしまうのは当然のことですよね。