再回答です。
例えば、
「間違ってしまった」
「間違えてしまった」
の2つを比較してみてください。あまりどちらにも違和感はないかと思います。
さて次にこれではどうでしょう。
「わざと間違った」
「わざと間違えた」
僕にはやや「間違えた」の方がなじむような気がします。
では、これは。
「わざと間違った答を書いた」
「わざと間違えた答を書いた」
この場合は「間違った」の方がいいように思います。
あくまで僕の感覚なので反論もあるかもしれませんが、このようにしていろいろ例文を立ててみて、「間違う」と「間違える」のどちらがふさわしいか、法則性を見いだすしかないようです。
ただ、「間違える」が他動詞であり、自動詞の用法はないということから、「ひとりでに」「おのずと」というようなニュアンスが暗に含まれている場合は、「間違え」と使うのはおかしいとも言えます。これは少なくとも必要な条件であると言えるでしょう。ただし、「ひとりでに間違う」ということが「間違う」「間違える」という動詞のレベルにおいて、判定が難しいというのは事実です。「故意」という基準ならまだしも。
今回のニュースステーションの場合、ひとりでに、というニュアンスがありませんから、この場合は問題ないものと思います。詳しく言うならば、「間違えて掲載したこと」「間違った大学名を掲載したこと」を訂正して謝罪したいわけですから、勝手にそうなっちゃったのさ、という言い方をすると、無責任にとられかねません。あるいは機械が誤作動を起こしたからという風にとれ、いずれにしても責任逃れのように聞こえる人もいるかもしれません。
他の法則として思い付いたのは(反例もあるかもしれませんが)、他人から見ると「間違い」、自分から見ると「間違え(間違いも使うが)」である、という雰囲気もあるような気がします。
「それ、お前の間違『い』だろ」とは言うものの、「お前の間違『え』だろ」と言うと、何か標準語離れした感がなくもありません。
「私が間違えました/私が間違いました」では、どうも「間違え」の方が違和感がないと僕は思います。
名詞にしてしまうと
「私の間違えでした」
「私の間違いでした」
では、「間違い」の方がなじむのは事実ですが、前の通り、他人事のような表現ともとられかねません。私というのがどこか発話者と別のところにいるような感覚があるからです。
大体こんなことを考察してみました。言語の受け取り方は人それぞれなので、僕の意見とは別に考えてもらった方がいいかなとは思います。
あと、気づいたことなのですが、これは「間違え」「間違い」に限らず、「総ざらえ」「想ざらい」など、他にも例があるようです。
お礼
再回答、ありがとうございました。 完全に理解できてからお礼を述べると、かなり遅くなってしまうかもしれないので、取り急ぎ、お礼を申し上げます。 いろいろと例をあげていただいたものを読んで、言語感覚というのは、人によってかなりちがうものなのだと思いました。また、こういう感覚の違いはいったいどこから来ているのかという興味もわきました。 この辺の問題はもしかして国語学の本にも取り上げられているかもしれないので、図書館にいって、調べてみようと思っています。 いろいろとありがとうございました。m(_ _)m