基金訓練・生活支援金の支給要件が不公平?
基金訓練・生活支援金の支給要件が不公平?
そもそも「訓練・生活支援給付金」とは、雇用保険を受給できない方等への職業訓練と訓練期間中の生活保障のための給付制度で、深刻な経済危機の中で、製造業を中心とした雇用調整により離職を余儀なくされた方等について、失業期間の長期化などが懸念されるため、国の平成21年度補正予算により新たに創設されたものです。ハローワークで受けた説明では「家計を担う生計者や単身世帯者の転職活動を支援するための制度」と説明を受けました。いわば「家計が苦しい人のため」の制度です。
だからこそ、当然のこととして公平な受給資格要件が定められ、柔軟かつ厳正な運用がなされるべきだと思います。
しかし現状はどうでしょうか。詳しい資格要件については、各々検索するなりして確認をしていただきたいのですが、私には公平性に欠けた重大な欠点に思える点があるので質問をした次第です。
資格要件のひとつ、「世帯の主たる生計者である事」を確認するためには前年の「所得」から判断するようですが、一方、「原則、年収が200万円以下であり、かつ、世帯全体の年収が300万円以下である方」という要件では「収入」で判断されます。これが公平性に欠ける点ではないかと考えています。なぜならば、手取り金額が少なく家計が苦しい人のための制度であるのだから、まず、家計の苦しさを判断するために、手取り金額を正確に把握し、ある一定のラインで「苦しさ」の線引きを行い、「手取り金額が少なく家計の苦しい人」を認定する事が求められますが、「収入」というものでは「手取り金額」は判断できません。手取り金額という言葉を使いましたが、いわゆる手取り金額を計れる公的な指標は「総所得金額」だと考えています。
つまり、「収入」では手取り金額など計れず不公平なので、税制上、公平さが認められた「所得」を基準にしなければならないのではないのか、という事です。
それはなぜか。
現在の雇用形態は様々です。正社員として会社に勤めている方、パート・アルバイト、期間工、商売人などまさに十人十色です。そして収入を得る方法も十人十色で、会社に勤めて給料をもらう、事業を興して利益を得る、金融資産の配当や不動産などから利益、パチンコ・スロットなどからの一時所得など、私たちは多種多様な形態の収入を得ながら生活をしています。給与を得ながら副業で事業をしている方などゴマンといるかと思います。
その多種多様な形態から生み出された収入をひとまとめにするのが申告納税制度です。
申告納税制度とは、納税者(法人及び個人)が、自らの所得(利益)と税額(税金)を計算し、課税行政庁(税務署等)に対して自主的に申告を行います。適正・公平さを担保するため、国税庁では、是正が必要な納税者に対して的確な指導や調査を実施するとともに、納税者の個々の実情も踏まえた上で厳正・的確な滞納整理を実施しています。住民税なども申告納税制度で確定した総所得金額がベースで決まります。
日本で公的に認められ、公平さが担保されているであろう個人の手取り金額が、確定申告による、この「総所得金額」だと言えるでしょう。給与所得者でも他に収入があれば自ら申告して「所得」と「税額」を申告しているはずです。
その所得に対し、収入は、単なる売上なので、手取り金額は計れません。
たとえば800円で仕入れた物を1,000円で売るといった小売業だけをしている方の場合、ひと月に800円で250個仕入れ、すべて1000円で売り切ったとしたら、粗利益が50000円です。そこから10000円の経費がかかったとすると、手取り金額(利益=所得)は40000円になります。たった4万円の手取り金額ですが、収入は、1000円の物が250個売れたため、ひと月25万円です。年収にすると300万円。この、ひと月に4万円ほどしか得ていない方が、本人でも同居人でも、「生活支援給付金」の制度からは弾かれてしまいます。
このような現状の制度に公平さが感じられません。
なぜ「所得」ではなく「収入」なのか、わかる方がいましたら教えてください。
考えられる理由として、直近の「総所得金額」は確定していないから、と考えることもできますが、それならば仮の申告書を作成し、見込みの所得を提出するなどの方法も取れるかと思います。とにかく収入を基準にするのが、わけわからんのです。
※以前に同じ題名で同様の質問を某知恵袋にしましたが、回答が得られなかったのでこちらに別途質問させていただきました。長ったらしい文ですみません。
お礼
ありがとうございます。